カードの弱体化への回答 – 2020年1月10日
2019年12月19日、2020年1月10日と、立て続けに行われたバランス調整についてDean Ayala氏が開発側の意見を述べました。ハンターとプリーストに手を付けない理由、闘技場でドラゴンモーの密猟者が復活した理由についても述べられています。
Q.今回のアップデートで、何故ハンターとプリーストを弱体化しなかったのですか?
Dean Ayala
フェイスハンターとプリーストはどちらも人気があるデッキで、ランク10よりも下のランクではかなり活躍しています。一方、ランク10~レジェンドでは、どちらのデッキもあまり活躍していません。
今回のパッチでプリーストとハンターに手を付けなかった理由は、ランク10以下のプレイヤーが重要でないからではありません。一般的に、レジェンドからランク17、18へのメタでは、トリクルダウン効果(上から下へメタが流れる傾向)が見られます。プレイヤーが新しいデッキを試すことで、今後は両方のデッキの人口が減ると予想されます。
フェイスハンターはかなり低コストで作成できるため、一般的に低いランクで人気があります。現在、多くのシャーマン、ローグ、ウォーロックに弱く、これらが弱体化したあとも引き続き弱いままであると考えています。※
ただ、16.2(1月22日のアドベンチャー)が出た後も、フェイスハンターが依然として環境に多いデッキである場合、より多様な体験を可能にするため、何らかの方法で対処する可能性があります。
※追記:マッチアップデータを参照したところ、ローグ、シャーマン、ウォーロックのマッチアップについては、復活プリーストのデータを参照していました。ただし、海賊ウォリアーやガラクロンドウォリアーのようなデッキが低いランク帯で流行することで、ハンターの人口は減少すると予想しています。
Q.Blizzardは何故ドラゴンモーの密猟者を(闘技場に)戻したのですか?
Dean Ayala
新しいパッチで発生したバグです。
(開発チームの)Chakkiが既に社内版で修正しているかもしれませんが、チームと協力して皆さんへ修正を提供する必要があります。サーバー側で対応できる問題なので早く対応できるはずです。明朝には確認します。
Q.何故弱体化を早く行ったのですか?
Dean Ayala
(このペースの対応は)これまでのハースストーンの歴史において、今までなかったことだと思います。
今回の拡張のカード対応は、カードそのものが非常に強力であったことも関係がありますが、これまでとは違う、カード変更へのアプローチサイクルを試してみたかったというのが大きな理由です。
ガラクロンドシャーマンへの対応は絶対に必要でした。これは、過去の環境を考慮しても許容できないパワーレベルにあったのです。最初の対応の後、最初の数週間で使われていたバージョンよりも少し展開が遅いものの、更に強力なデッキが存在することが判明しました。プレイテスト中はガラクロンドシャーマンが非常に楽しいデッキだと考えられており、より強力なデッキにしてみたところ、強くなりすぎました。
それ以外の対応に関しては、これまではもう少し時間をかけて対応していた類のものです。対応までの”待ち時間”には、いくつかの長所と短所があります。
長所の1つは、対応を少なくすればするほど、プレイヤーがデッキ構築と新しい解決方法にやる気を出すことです。一般的に、強力な戦略が登場した場合、プレイヤーがその波に乗るよりも、それを打ち負かす方法を探す方がゲームとして健全です。恒常的に対応が行われていると、プレイヤーが選択肢を見つけるための時間が失われてしまいます。
主な欠点の 1つには、変更の頻度が低い点が挙げられます。プレイヤーを苛立たせる何かがあれば、別の戦略を考えることができますが、それは楽しくないかもしれません。また、そのためのカードを持っていないかもしれません。そして、あなたの好きなクラスをプレイできないかもしれません。
これらの幾つかは避けることが困難ですが、変化の速度が速ければ特定の事柄に長時間不満を感じることが少なくなります。変化は楽しいものです。
新しい拡張セットは、新しいカードで遊ぶプレイヤーだけに限らず、メタが完全に変化するため、古い戦略で遊ぶプレイヤーにとっても楽しいものとなります。
さて、私達がなぜ今までと違うことに挑戦しているか、です。一部は調査に関係しています。
私達は、プレイヤーがプレイする戦略が弱体化されたときのプレイヤーの行動がどのようになるかを調査しようとし、沢山のデータを見てきました。デッキが弱体化されることで、シャーマンプレイヤーが大幅に減少することは想定できます。しかし、データは私達が想定した理論を実際には裏付けるものではないことがわかりました。過去にもこの種の調査を行ってきましたが、ガロッシュの言う通り、時代は変わります。
もちろん私達は新たな戦略への道を歩み始めたばかりです。時間の経過とともに変化のリズムを速くすると、プレイヤーを疲れさせてしまう可能性があります。より多くのカードをより頻繁に変更することで、不必要なカードを変更してしまい、プレイヤーが悲しむことがあるかもしれません。
皆様のフィードバックをお待ちしておりますので、ぜひお知らせ下さい。
Q.これほど早く弱体化を行うなら、もしも弱くしすぎた時には強化も行いますか?(1/11追記)
Dean Ayala
やるかもしれませんが、強化が成功する可能性はとても小さいものです。(もしやるなら)私たちは、とても使用率が低いデッキの使用率が、3~5%程度まで引き上げられることを期待しています。
また、強化を行うためには、はるかに多くの変更が必要になります。理論的には「悪いデッキ」を1回の変更で「良いデッキ」に変えることもできますが、その変更対象となるカードはとても強い必要があり、結果は良くないものになります。
Q.データを見た上で、本当に竜牙の精霊と霜の加護両方ともナーフが必要だと判断しましたか?(1/11追記)
Dean Ayala
それは主観的なものでしょう。あなたが何を求めているかによって決まるものです。以前の私たちなら、2回目の弱体化を保留し、シャーマンがメタの中で増えるか監視していました。今回の2回目の変更は、挑戦的な対応でした。
全てのデータは、1回目の弱体化後も以前として強力なデッキであること、そして磨きあげられたデッキであることを示していました。その時点ではまだ使用率が大幅に増えていたわけではありませんでしたが、私たちはそうなると予想していました。今回は待つことよりも変更を加えるという選択を取りました。
Q.「とても強力な拡張セットを出し、発売後に微調整を続ける」というスタイルが好きなのですが、ドラゴン大決戦のようなカードパワーは今後も期待できますか?(1/11追記)
Dean Ayala
ドラゴン大決戦のカードパワーは高くなっていますが、皆が言っているそれとは少し異なっていると思います。ガラクロンドのメタは特化しており、ドラゴン大決戦のカードに依存しています。(新しい拡張セットが出て)メタが変われば、ドラゴン大決戦で使われるカードの割合は減ります。
私たちはいつも正しいカードパワーを作成しようと努力していますが、常に失敗する可能性も含まれています。
Q.朝に確認し、ドラゴンモーの密猟者が闘技場に出現するバグを修正すると言っていたのは冗談ですか?16日を過ぎてもまだ出現していますし、「早々に修正する」と言っていたのにあなたの朝はまだ来ないのですか?(1/18追記)
Dean Ayala
コメントは残しましたが、その通りにはいきませんでした。
修正はとても簡単だったのですが、反映させるのには想定よりも時間がかかってしまいました。すぐに修正したものを反映したいのですが、常に予定通りことが運ぶわけではありません。
最近修正されたiPadでのクラッシュは大きな問題でしたが、反映にはパッチが必要なため、16.2の展開を待つ必要があります。次回あなたが密猟者について何かを聞くときは、ドラフトから削除されたときでしょう。
Q.ドラゴンモーの密猟者がまだ出ているようですが、パッチ適用を妨げる何かがあるのでしょうか?(1/18追記)
Dean Ayala
チームと話し合い、昨晩のうちに初期の修正が完了しました。今日の仕事が終わるまでにすべての地域に反映しています。