新拡張、新モード、新システム開発者インタビュー(2020年10月)
10月23日の新情報公開配信にて発表された様々な新要素について、開発者のChadd Nervig氏とSarah Chen氏へインタビューを行いました。
今回の発表では、新拡張セット「ダークムーン・フェアへの招待状」、新モード「デュエル」、新しい「報酬・進捗システム」と、多くの新要素と変更が公表されました。今後の展開や特定の気になったカードなど、気になったことを質問し、それについて頂いた回答を掲載します。
デュエル
新モード「デュエル」について発表された情報は、こちらの記事をご覧ください。
– 新モード「デュエル」の狙い、そしていつ頃から開発がスタートしていたのか教えて下さい
Sarah:デュエルではダンジョン攻略で作成することができたような、イカれた面白いデッキを作って欲しいと思います。また、そんなイカれたデッキを対人戦で使うことができるので、新しいお宝やヒーローパワーとあわせて、楽しんで頂きたいです。開発は、1年に満たないくらい前から取り組んでいました。
– 早期アクセスが始まりましたが、シーズンはいつからスタートしますか?
Sarah:現在は、早期アクセスによるカジュアルモードだけがオープンになっています。11月18日(日本時間)には、シーズン1が開幕し、そしてヒロイックモードもスタートします。
– シーズン1の終わりはいつを考えていますか?
Chadd:まだシーズン終了の時期は決定していませんが、年内はシーズン1が続く予定です。
– 「デュエル」は対人戦を行って12勝を目指すモードですが、どんな相手が対戦相手として選ばれるのですか?
Chadd:デュエルは闘技場と同様に、毎試合新しい対戦相手と戦います。対戦相手は、これまで何戦しているかや、デッキの状況、レーティング、遊んでいるモード(カジュアル又はヒロイック)などによって決まります。
– 「デュエル」はフレンド対戦ができないのでしょうか?また、今後の追加は検討していますか?
Chadd:闘技場と同様のシステムを用意しているため、フレンド対戦の要素はありません。ただし、プレイヤーの皆さんから「フレンド対戦をしたい」というフィードバックがあったり、皆さんの遊び方次第では、検討するでしょう。
– 「デュエル」は、ハードコアなプレイヤーにはやや物足りず、カジュアルなプレイヤーにとってはワイルドの資産が必要なこともあり、少し敷居の高いモードに感じます。どのようなプレイヤーをターゲットとして考えたのでしょうか?
Chadd:ソロアドベンチャーのダンジョン攻略はワクワクするモードであり、人気の高いコンテンツです。そして、ワイルドのカードを持つプレイヤーの資産価値を高めたいとも思い、デュエルではワイルドのカードを使用できるようにしました。
ただ、初期デッキは15枚ですし、ゲーム中にどんどんカードを加えてデッキを構築していくスタイルであるため、ワイルドの資産が少ないプレイヤーにとっても、それほど高い敷居ではないと考えています。
また、スタンダードのランク戦などでは、強いデッキリストを見つけ、そしてその構築が必要となっていますが、デュエルはそれらを気にすることなく、プレイヤーが楽しく遊べるようなゲームモードになると考えています。
Sarah:デュエルでは、お宝カードや特別なヒーローパワーを最初から持っているので、最近始めたプレイヤーやワイルドのカードを還元してしまったプレイヤーだとしても十分に遊べるモードだと思っています。
ゲームを遊んでいくなかで、ワイルドのカードを増やしていけば、さらに楽しく遊べるはずです。逆に、最近のスタンダード環境などを遊んでいないけれど、ワイルドのカードを持っているプレイヤーには、このモードを遊ぶことにより、最近のカードを知ってもらう良い機会になると思います。
– 「デュエル」ではレーティングが表示されていますが、公式サイトでランキングを掲載するなど、競って楽しむ要素はありますか?
Chadd:デュエルにおけるレーティング表示は、プレイヤーが自分の能力の向上を認識し、もっとプレイしたくなるためのものとして存在しています。そのため、現時点では公式サイトでのランキングの掲載は今は考えていません。
なお、レーティングのシステムはバトルグラウンドと同様のシステムを使用しており、マッチメイキングにも使用しています。
– 「ヒロイック・デュエル」は闘技場と同様に12勝するか3敗するまで続くようですが、報酬も闘技所と同様なのでしょうか?
Sarah:はい、現在の闘技場と同様です。ただ、これまでの報酬と加えて、新しい報酬システムの経験値も獲得できます。
– 12月には新しいゲームモードが追加されるそうですね。どんなモードか教えてもらえますか?(笑)
Chadd:今は何も言えません、ごめんなさい(笑)でも、デュエルとは異なるゲームモードですよ。
ダークムーン・フェアへの招待状
新拡張セット「ダークムーン・フェアへの招待状」について発表された情報は、こちらの記事をご覧ください。
– 「ダークムーン・フェアへの招待状」では、リリース時に135枚のカードが追加されますが、その後に35枚のミニセットも追加されるそうですね。ミニセットはいつ追加予定ですか?
Chadd:ミニセットの追加時期は明確には決まっていませんが、リリースから2ヶ月後以内くらいになるでしょう。「激闘!ドラゴン大決戦」の時のように、ミニセットの追加によってメタゲームへ影響を与え、新しいコンテンツを追加し、プレイヤーに新鮮さを感じてもらえるようにするのが楽しみです。
ミニセットの追加によって、メタゲームを揺るがすようなインパクトを与えることになると思います。
– また、ミニセットはどのような形式で追加されますか?アドベンチャーモードの追加形式でしょうか?
Sarah:現時点でお伝えできることはありません。ただ、現在継続的にリリースしているソロアドベンチャーモード「英雄の書」のリリースは続きますので、引き続きご期待ください。
– 「ダークムーン・フェアへの招待状」のテーマにもなっている「ダークムーン・フェア」は、WoWではポピュラーな題材ですよね。とてもコミカルでそして不気味な舞台だと思いますが、今回はどんなバックグラウンドストーリーがありますか?
Sarah:はい、ダークムーン・フェアはカーニバルゲームなどを皆が楽しめる移動遊園地です。ただし、今回は旧神達がその移動遊園地を侵食してしまいました。そのため、カーニバルを楽しんでいたお客さん達だったはずが、旧神に侵され異形の姿になってしまいました。遊園地そのものも侵され、そこら中に触手があったり、空には目玉が浮かんだりしています。とても興奮できると思いますよ。
– 「旧神」のカードが追加されますが、どんなカードなのでしょう?
Chadd:今回追加される旧神カードは、「旧神のささやき」(※2016年4月の拡張セット)で登場したカードにインスパイアされたカード達です。ただ、これまでとは異なる点もあります。
ヨグ=サロンはランダムな呪文を唱えて予想もできないようなことを行うキャラクターとして知られていますが、今回はカーニバルゲームのルーレットを回します。
ルーレットには6つの選択肢があり、ミニオンを破壊したり、どちらかが死ぬまでパイロブラストを唱え続けたりします。ヨグ=サロンのルーレットの内、5つは19%の確率で当たりますが、無限パイロブラストだけは5%です。これだけは確率が低いですね(笑)
– 第3セットの拡張は通常12月のリリースですが、今年は1ヶ月ほど早いですね。なにか理由があるのでしょうか?また、次以降の拡張のリリース時期も早くなりますか?
Chadd:私達は、「準備ができた。リリースできるぞ」と思ったら、すぐにリリースしたいと思っています。今回はいつもよりも早く自信を持って皆さんに提供できる準備ができたので、1月ほど早いリリースになりました。
次の拡張セットのリリース時期については…言えることはありません。ごめんなさい(笑)
– これまで何度かシャーマンを強化を示唆する開発者のコメントがありました。今回の拡張セットでシャーマンは強くなりますか?
Chadd:今回の拡張セットのリリースで、メタゲームには激震が起こると思います。ハースストーンは各クラスが持つ個性を大事にしていますが、今回のリリースによってシャーマンには新しいアーキタイプが登場します。
それは、World of Warcraftで登場する「エンハンスメントシャーマン」で、このシャーマンは自分の武器に精霊の力を宿し、自らが攻撃します。これには私自身とてもワクワクしています。
– お二人がこの拡張セットで気になっているカード・クラスがあれば教えて下さい
Sarah:今回追加される4種類の旧神は全て中立ですので、どんなデッキにも採用できます。個人的には、新しいヨグ=サロンのギャンブル性に魅力を感じており、それを利用した面白いデッキタイプの登場にも期待しています。
Chadd:私は新しいクトゥーンを採用したコントロールライクなコンボデッキや、先程お伝えした「エンハンスメントシャーマン」が楽しみです。
– 運命の支配者ヨグ=サロンの無限パイロブラストの発生率が5%であることに対し、有名な競技プレイヤーによる「競技的に考えると、5%は小さい確率とは言えない」という発言も見られました。このコメントに関しては、どのように感じていますか?
Chadd:運命の支配者ヨグ=サロンは、今回の拡張セットで開発チームがバランスをかなり気にしており、パイロブラストによってあまりにも勝敗が決まりすぎるようであれば、その出現率を調整することも考えています。
ただ、パイロブラストによってどちらかのプレイヤーが倒れるまでという効果は、例えば自分のライフが30で相手が5の状態であれば、自分の方がかなり有利であることに違いなく、皆さんが想像しているよりは、運頼みではないと考えています。
今回のヨグ=サロンは、パイロブラストを除く残り95%の効果はプレイしたプレイヤーに利があるため、昔のヨグ=サロンのような完全ランダム効果とは異なる性質を持っています。
新しい進捗と報酬システム
新しい「進捗と報酬」システムについて発表された情報はこちらの記事をご覧ください。
– これまでのシステムとは大きく変わりますね。なぜこのような変更に至ったのでしょうか?
Chadd:進捗システムはプレイヤーにとってとても重要なことだと思っており、ハースストーンに新しい進捗のシステムが必要だと思っていました。今回の変更では、実績システム、報酬レーン、クエストの刷新、新しいプロフィールページなどを追加します。
– ウィークリークエストとデイリークエストは、どのような違いがありますか?
Chadd:プレイヤーは毎週3つのウィークリークエストを受け取ります。デイリークエストと比べると大きなタスクですが、バラエティに富んだ内容になっています。ランク戦で5回勝利するなどのタスクを完了すると、デイリークエストよりも経験値を多く貰えます。
これまでのデイリークエストは3つ溜めてしまうと次のクエストを受け取れませんが、ウィークリークエストは週のどこでも気兼ねなくプレイできます。
– 報酬レーンは、経験値によって報酬を得るシステムですよね。これまでのシステムの報酬と比べて受け取れる報酬は変化しますか?
Chadd:はい、報酬レーンシステムでは経験値に応じて、ゴールドやカードだけでなくヒーロースキンなどの装飾品などを受け取ることができる報酬システムです。もし、50時間プレイするプレイヤーも、1000時間プレイするプレイヤーも、これまでより沢山の報酬を受け取ることができます。
Sarah:加えて、プレイヤーが遊びたいモードで遊びながら報酬を獲得できるようになります。スタンダードのプレイヤーでもバトルグラウンドのハードコアなプレイヤーでも、遊びたいプレイスタイルで遊んで経験値を稼ぎ、報酬を受け取れるシステムです。
– プロフィールページが大きく変更されますね。どんな狙いがありますか?
Chadd:これまでよりも情報が多く、見やすくなります。プロフィールページについても、ゲーム内のモードと同様に、継続してアップデートしたいと思っています。
Sarah:これまでのプロフィールページでは、ランク戦や闘技場の勝利数が確認できる程度の情報しかありませんでした。これからは様々なゲームモードの情報を確認できるようになりますので、プレイヤーに色々なゲームモードを遊んでもらうきっかけになると思っています。
Chadd:実績のシステムも追加されます。実績システムでは、「マーロックをたくさん召喚する」「バトルグラウンドで戦う」「デュエルで戦う」など、様々なゲームモードを遊んでもらうきっかけを考えています。