BlizzConline:ハースストーンQ&A(2021年2月)
BlizzConlineにてQ&Aコーナーが開催されました。
コーナー中に開発者のChris Attalus氏、Ben Lee氏、Alec Dawson氏、Joseph Killion氏の4人がコミュニティからの気になる質問に答えた内容を翻訳して紹介します。
– 報酬レーンは今後どう変わっていきますか?
Ben:今後は報酬レーン1レベルあたりの報酬を半分にする代わりに、必要な経験値も半分に変更します。これにより報酬を受け取る、という楽しいタイミングが増えます。また、報酬レーンの報酬を少し増やす予定で、いくつかサプライズも用意しています。
– デュエルは今後もアップデートされますか?
Ben:一年を通じたアップデートを予定しています。今年の後半には、新しいヒーローを追加予定です。また、「荒ぶる大地の強者たち」と「大魔境ウンゴロ」の、2つの拡張セットを追加するつもりでいます。クエストや他の主要メカニズムへの皆さんの反応を、楽しみにしています。
– ヒーローやレジェンドになるキャラクターはどうやって選んでいますか?
Joseph:テーマを決定し、その環境にあうキャラクターを選んでいきます。今回の拡張のマンクリックは、(WoWにおいて)荒ぶる大地エリア(Barrens)を象徴するキャラクターです。
– コアセットはクラスのアイデンティティにどのような影響を与えますか?
Alec:足す部分も減らす部分もあります。例えばローグには、相手のクラスのカードを使う「強盗」系のカードが収録されるかもしれません。また、ドルイドは自然の怒りやなぎ払いのような除去カードを失う代わりに、飛び掛かりや妖獣の激昂のような「野生」カードを得るかもしれません。そのときのハースストーンに合ったクラスアイデンティを保持をしていきたいと考えています。
– “逆上”のメカニズムはどのようにして思いつきましたか?
Joseph:ホードから思いつきました。「荒ぶる大地の強者たち」はホードをテーマにしています。ホードのたくましさを表現するのに、ダメージを受けると効果を発動する、という効果はぴったりでした。
– コアセットでは毎年29枚のカードが新カードとして入れ替わるのですか?
※29枚=今回のコアセットの導入で完全新規のカードとして登場するカードの数
Alec:入れ替わるカードの枚数は、29枚に限りません。今後のコアセットの入れ替わりでは、新カードは29枚よりも少ない可能性もあります。入れ替わるカードの枚数は、全体の30%程度を考えています。
– 前拡張のレジェンドを上回るレジェンドカードをデザインしようとすると、どんな課題がありますか?
Joseph:毎回上回るようにはデザインしているわけではありません。旧神が良い例です。例えばクトゥーンは、「旧神のささやき」ではどんどん育てていくというアイデアでしたが、「ダークムーン・フェアへの招待状」ではパーツを集めるというアイデアに変わりました。このように、以前のカードをリニューアルすることで、楽しいものにしています。
– ハースストーンはアグロとコントロールどちらに偏っていくと思いますか?
Alec:どちらか一方に偏ることはないでしょう。メタによって変わっていきます。ただコントロールデッキに関して変わったことは、完全に相手を受けきって勝つのではなく、ゲームを終わらせるフィニッシャーを得たことです。このように大型のフィニッシャーを得る変更は今後も続けたいと思っています。
– RNG(ランダム要素)についてどのように考えていますか?健全なRNGと避けるべきRNGは?
Alec:これまでに成功した多くのRNGは、スペアパーツや悪の手先のような限られたRNGです。悪の手先は、リソースを生み出しすぎましたが、プレイヤーがどうプレイすれば良いかわかるようになっていました。一方で、ハースストーンには派手で”ヨグ”なRNGもあります。これには適切なパワーを与え、あまり強力になりすぎないようにしています。
– フレーバーテキストは誰が書いていますか?なぜこんなに面白いのですか?
Joseph:テキストデザインチームのValがリーダーです。新しいカードの情報が集まると、チームの全体に共有します。そしてチームからジョークやテキストのアイデアが集まります。その後、その中からもっとも楽しいものを選ぶので、とても面白いものになります。
– 魔素のエコシステム(経済性)を改善する予定はありますか?
Ben:無課金でも遊べるような工夫は、かなり話題になっています。パックからのダブリ防止システムや、今年追加されるコアセットも、ハースストーンに参入しやすくする工夫のひとつです。報酬レーンも、無課金でも多くの報酬を得られるようにしています。魔素のエコシステムには具体的な計画はありませんが、他の方法で報酬を与えられれば、目的は達成できると考えています。
– クラシック・フォーマットの今後の計画はありますか?
Ben:「変更を加えない」ことです。プレイヤーには当時の体験をしてもらいたいと思っており、当時のままにしておきたいと思っています。まずは、プレイヤーの皆さんが遊んだ反応を見て、そしてフィードバックを受けたいと思っています。
– コアセットの追加によりデスナイトカードが帰ってくる可能性はありますか?
Alec:大いにあります。開発チームは既にどこかのクラスにヒーローカードを追加したいと思っています。その年の拡張セットでヒーローカードを追加する予定がない時には、あり得るかもしれません。ただ、その場合には調整を加えるかもしれません。
– ハースストーンで一番好きなネタは何ですか?
Joseph:皆さんが作るOTKのネタです。
Ben:ボルダーフィストのオーガのネタです。コストの割に良いステータスですからね。
Alec:私もJosephと同じOTKネタですが、レジェンド1位のアイコンも付けてあるのがいいですね。
– 「ハースストーン マーセナリーズ」ではキャラクターはどのようにアップグレードされますか?新しい技を覚えますか?
Ben:様々です。例えば、スロールはレベル1では1つの技だけですが、レベルアップすると新しい技や装備がアンロックされます。それにより攻撃力や回復力がアップします。また、異なる3つの形態に進化させることもできます。まだあまりお伝えできることはありませんが、開発が進むにつれて情報を公開します。
– ドラゴン年、そして「激闘!ドラゴン大決戦」でドラゴンはスポットライトを浴びました。マーロックにスポットライトがあたるのはいつですか?
Alec:ぜひマーロックの拡張セットをやりたいと思っています。ただ、ドラゴンはチビドラゴンから10マナ相当の怪物級のドラゴンまでいるのに対し、マーロックはほとんどが小型ですので、なにか大型のマーロックのようなものを考える必要があるでしょう。
– 新規プレイヤー向けにはどんな計画がありますか?
Ben:去年は新規プレイヤー向けに多くの変化を起こしましたし、今年追加するコアセットは、その最大のアプローチです。ゲームをはじめれば、すぐに大量のコアセットのカードと、それを使ったスターターデッキを手に入れることができます。また、新規プレイヤー用のクエストも変更を加えています。新規プレイヤーからのフィードバックをお待ちしています。
– 主要なレジェンドドラゴンはどうデザインしていますか?なぜ10マナではなく9マナなのですか?
Alec:コアセット用にリニューアルしました。これまでのバージョンをベースにしていたので、マナコストも反映したいと思っていました。ただ、デスウィングのように10マナのカードは10マナです。これまでよりも少しアップグレードすることで、よりデッキに採用されやすい、プレイアブルなカードにしました。
– 今年の後半や2022年には「炉端の集い」を復活する予定はありますか?
Chris:本当に復活させたいと思っています。しかし、今は皆さんの健康が第一です。世界の状況が解決すれば、復活させる予定ですが、今はバーチャルな炉端の集いをお楽しみ下さい。
– これからもクエストカードは登場しますか?
Alec:開発チームはクエストが大好きです。「大魔境ウンゴロ」での学びを受け、少し違ったものにしたいと考えて、「突撃!探検同盟」ではヒーローパワーを変更するものになりました。次はまた別の工夫をしたものにしたいと考えており、将来また登場するでしょう。
– 最近の大きな変化を可能にするために、チームが内部的に行ったことを教えてください。
Ben:ハースストーンチームは大きく拡大しました。リリース時は非常に小さいチームでしたが、過去2~3年で遥かに大きくなりました。それによりバトルグラウンドやマーセナリーズ、ミニセットなど多くのことができるようになりました。ハースストーンはもはや年3回の拡張セットのゲームではなく、それ以上のゲームになっています。プレイヤーの皆さんにも楽しんでもらっていますし、私達も満足しています。
– マリゴスはリニューアルしますが、これまでのマリゴスでOTKコンボを楽しむことはできなくなるのでしょうか?
Alec:呪文ダメージ+5のマリゴスはワイルドでプレイできます。これまでのマリゴスは、スタンダードのカードデザインを少し制限していたので手を加えました。ただし、高い呪文ダメージ+を使ったコンボを実現するために、別の呪文ダメージ+のカードを追加するかもしれません。
– ゲームの枠を超えたスキンやヒーローは登場しますか?例えばウォリアーの「ラインハルト」やプリーストの「モイラ」のように。
Ben:「別の」という意味では、最近「三国志」のスキンをリリースしました。これはファンにもポジティブな反応を頂きました。しかし、ハースストーンはWarcraftの世界観を持っているので、それにマッチする必要があります。「三国志」はマッチしていたいと思いますが、他のBlizzardのゲームは難しいかもしれません。このように慎重に、ではありますが、やりたいとは思っています。
– 転校生のように、ゲーム盤と関係するカードをリリースする予定はありますか?
Joseph:転校生はとても楽しいデザインでした。もし最適なデザインを見つけることができれば、今後同じようなカードが出てくるかもしれません。
– コアセットの導入により、クラスにこれまではなかったメカニズムを導入することはありますか?
Alec:ありえます。プレイヤーはプリーストに影(シャドウ)のメカニズムの復活を望んでいましたが、どうすればよいかわかりませんでした。直接ヒーローへのダメージはなしで考えていましたが、再導入することになりました。思念撃破(5ダメージ)ほどではありませんが、2~4ダメージを与えることができる、影のアイデンティティが確立されるでしょう。
– ランダムカード裏面デザインのように、ランダムヒーロースキンやランダムコインデザインを導入する予定はありますか?
Ben:はい、特にヒーロースキンに関しては、時間の問題です。報酬レーンなどにより、ゲーム内の装飾品の選択肢が増えています。そうしてプレイヤーが獲得したスキンを披露する方法を追加したいと考えています。コインに関しても同じことが言えますが、優先順位は低いです。