「集え!レジェンド・フェス」開発者インタビュー
新拡張「集え!レジェンド・フェス」について、開発者へのメディア合同インタビューを行いました。
インタビューに答えてくれたのは、Leo Robles Gonzalez氏とAlicia Cornelia氏の2人です。
この「集え!レジェンド・フェス」のストーリーやコンセプト、新キーワード「過回復」など様々なことについて伺いました。
新拡張「集え!レジェンド・フェス」について
新拡張「集え!レジェンド・フェス」の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
– 今回の新拡張「集え!レジェンド・フェス」はどんなストーリーでしょうか。
Leo:アゼロスで音楽といえばE.T.C.で、E.T.C.がフェスを開催しました。このフェスでは、それぞれのミュージシャンが演奏を行い、誰が一番ファンから歓声を貰えるか競い合うのです!
– 今拡張の「フェス」というコンセプトはどうやって生まれましたか?また、楽器(武器)と歌(レジェンド呪文)をそれぞれのクラスに与えようと思ったきっかけや経緯について教えてください。
Leo:最初に開発陣がワクワクすることは何だろうと考えて思いついたのが、「音楽にまつわることをやろう」というものでした。
そこで、楽器を武器として使うことを決め、また、それぞれ各クラスの個性を出すために音楽のジャンルを各クラスに割り当てました。
Alicia:ジャンルとクラスを組み合わせることで、各クラスのビジュアルをそれぞれ異なる味わいにすることができました。
例えばドルイドなら自然や花などの可愛らしい感じになりますし、R&BやHIP-HOPはハースストーンの世界ではどうなるだろうなど、と視覚的にも楽しめる要素になります。
– 今回のシネマティックトレーラーのコンセプトを教えてください。
Leo:トレーラーの作成にあたり、シネマティックチームと沢山打ち合わせを行いました。 今回は11種類の音楽ジャンルがあり、ジャンル毎のクラスや外見の要素などを短い時間にギュッとまとめています。
開発チームが作るキャラクターや世界観も、シネマティックチームに共有して作成してもらっています。
Alicia:「深淵に眠る海底都市」のシネマティックで、超大型ミニオンを後ろにチラッと映すような演出をしたのを覚えているでしょうか。それが好評だったので、それからはトレーラーに拡張セットの特徴を盛り込んでいます。
– Leoさんが動画でコスプレをしていましたね。それらについて、何かエピソードがあれば教えてください。
Leo:とても楽しい撮影でした!また、非常に優秀なビデオチームが、ハースストーンらしさを詰め込んだ動画にしてくれました。
私のコスプレは良いスパイスになったと思います。 色々な衣装がありましたが、メタルのコスチュームが最高でした! 今も「あのビデオ良かったね」というコメントを貰います。
– 各クラスの音楽ジャンルはどうやって決めましたか?また、ボツになったものがあれば教えてください。
Leo:以前行ったアンケードで聞いた「好きな音楽ジャンルは?」という質問を参考に、プレイヤーの皆さんが好きな音楽ジャンルから11個選出しました。
ディスコに関しては、みんなが好きなジャンルとはいえませんでしたが、わかりやすいジャンルですし、面白い要素と関連できるジャンルだったので採用しています。
ボツネタには、ウェスタンカントリーがあります。アメリカでは人気があるのですが、ハースストーンは世界展開しているゲームですし、世界のことを考えるとアメリカ以外の皆さんにとって馴染みが薄いと思い、除外しました。
– お二人は普段どんなジャンルの音楽を好んでいますか?
Leo:普段聴くのはエレクトロで、メイジが好きですね。 でも、フォークのハンターがとても楽しいです。レジェンドミュージシャンは誰も予想することができないと思います!
Alicia:私はパワーリフティングをしていているのですが、その時デスメタルを聴いているので、デスナイトにはワクワクしています。
あとはエレクトロ系も好きですね。 今回の拡張では、色々なジャンルの音楽と触れ合えるということで、皆さんの反応に期待しています。
「過回復」「フィナーレ」について
※過回復:過回復を持つカードが最大体力を超える回復を受けるとボーナス効果が発動
※フィナーレ:フィナーレを持つカードを残りのマナを使い切って使用するとボーナス効果が発動
– なぜ「過回復」を追加したのでしょうか?今後パラディンなどのクラスにも採用される予定はありますか?
Leo:プリーストは「パーティメンバーを回復して戦う」というコンセプトがあります。過回復の目的は、その世界観を活かすことでした。
ハースストーンのプリーストの回復は、勝っているときには必要なく、負けているときは焼け石に水になるようなことが多いのですが、過回復により、もっとプリーストの世界観に沿った戦い方ができると考えています。
他クラスへの採用は絶対にないとは言い切れませんが、現在は考えていません。パラディンも回復を持つクラスですが、ビッグや聖なる盾など様々な戦い方があります。
過回復の追加によりプリーストが最も恩恵を受け、それにより、幅広い戦い方ができるように考えています。
– 特に恩寵プリーストなど、プリーストにはプレイが難しいことがデッキが多い印象があります。「過回復」によって遊びやすいクラスになるでしょうか?
Leo:個人的な意見としては、そうなれば良いなと思っています。 過回復は上級者も初心者も使えるキーワード、アーキタイプになるよう望んでいます。毎回拡張セットのカードを考える時は、あらゆるレベルのプレイヤーが楽しめるように設計しています。
今回、初心者にも上級者にも楽しんでもらいたい要素として考えたのがフィナーレです。
まず、初心者に対しては、マナを使い切ることの重要性を教えることができます。上級者に対しては、ゴーストライターで例えると、発見したカードを使用できるようにマナを残して使用するか、呪文を2枚発見するためにマナを使い切るタイミングで使用するか、という選択肢が生まれます。
– 「過回復」は今後もカードが追加されますか?「フィナーレ」や「ソリスト」は今回だけのキーワードですか?
Leo:過回復はパッチ26.0でプリーストに追加されるキーワードで、今回の拡張だけでなく今後も追加予定です。 音楽的なキーワード「フィナーレ」や「ソリスト」は今回の拡張セット限定の予定です。
その他
– シャーマンは拡張毎に色々なメカニズム(ビッグ、アンデッド、オーバーロード、マーロック…)が与えられます。それぞれのシナジーが薄い気がするのですが、シャーマンはどこに向かっているのでしょうか。
Leo:厳しい意見ですが、ここ1年のシャーマンを見ると、妥当な質問だと思っています。拡張によっては、あるクラスには特定のシナジーが追加され、その拡張期間でしかシナジーカードが追加されないこともあります。
拡張セットを考える時には、既存のタイプだけで固定するのではなく、新しいデッキタイプを作れるように考えています。それにより、既存デッキのパワーアップと新しいデッキを考える楽しさのバランスを取りたいと思っています。
今回はオーバーロードシナジーを追加しますが、専用デッキではなく他のデッキに採用しても使えるカードです。
前回のシャーマンはアンデッド属性を追加しましたが、それらは今後の他種族デッキを作るときの1つのサポートになっていると思います。
クラスをガチガチにシナジーカードで固めるデザインではなく、少し緩めのシナジーを拡張のテーマに沿って追加することで、ワクワク感を演出しようとしています。
– 今年も拡張毎のミニセットを期待できますか?また、ミニセットで中立のレジェンド武器などが期待できるか教えて下さい。
Leo:これに関してはお答えできません。笑
– 今年1年を通じてハースストーンをどんなゲームにしたいと考えていますか?
Leo:楽しいゲームです!笑
現在、ハースストーンは既に古いゲームとなっています。と同時に、素晴らしいコミュニティに愛されているゲームでもあります。
コミュニティは『新しい何か』を待っている状態だと思いますので、今年は新しい何か・試みを発信したいと思っています。
今回はバンドマネージャーE.T.C.でサイドボード(※デッキ外に採用するカード)という新しい要素を追加しました。
今のところは、コミュニティの皆さんからは良いように受け取ってもらえているようです。次はこの試みをどう活かしていくかを考えていきたいです。
熱心なコミュニティの皆さんが楽しみに待ってくれているということを光栄に思っています。
Alicia:私からの補足ですが、ハースストーンは古いゲームですが、ゲームのシステムを改良できるようになってきました。
例えば新規プレイヤーに優しいユーザーインターフェースにする、フレンドとの対戦を分かりやする、コレクションを管理しやすくする、などです。
また、イベントクエストでは、初心者のプレイヤーもクエストを通して新しい拡張セットに触れ、それらを学んでもらいたいと思っています。できるだけ多くの方が遊びやすいゲームになるようにしていくつもりですので、期待してください。
– 最後に、日本コミュニティにメッセージをお願いします!
Leo:ハースストーンを遊んでくださってありがとうございます! 今回の拡張セットが皆さんにとって良いものになるように願っています。
Alicia:コミュニティの皆さん、ありがとうございます。私は、トレーラーのキャラクターのコスプレが見たいので、コスプレイヤーの方やコスプレイヤーのお友達がいらっしゃいましたら、是非コスプレしてみてください!