2018アメリカ地域秋季プレイオフ大会レポート(著:bloodyface 訳:heidrun)
2018アメリカ地域秋季プレイオフ大会レポート(著:bloodyface 訳:heidrun)
原題:Tournament Report – Americas Fall Playoffs – Top 4!
2018年度アメリカ地域秋季プレイオフ大会にてTop4の成績を残し、10月に行われる秋季選手権への出場を決めたbloodyface選手が、redditへ大会レポートを投稿していました。
このレポートをheidrunさんが翻訳してくださり、またbloodyface選手からの掲載許可も得られたため、当サイトに掲載いたします。
選手権出場を決めた上位プレイヤーが、どのような気持ちで戦いに望み、試合を行っていたかの貴重なレポートとなっています。
みなさんこんにちはbloodyfaceです。アメリカ秋季プレイオフでの体験の全てをみなさんにお話したいと思います。
まずはじめに来歴について。私はハースストーンがリリースされて以来、競技レベルでプレイしたりしなかったりしてきました。あと少しで選手権に行けた、ということも何度かあります。ただ最近、私は情熱を傾けているハースストーンの競技シーンと配信に専念するため、ソフトウェア開発者としてのフルタイムの職を辞めました。狂気の沙汰と思われるかもしれませんが、私にはコンピューター科学の学位がありますし、ハースストーンが上手くいかなければ別の仕事を見つけられる自信はあります。とにかく、レポートに移りましょう!
(自身が出場する)アメリカ地域プレイオフに備えるためドリームハックモントリオール(ツアーストップ)、並びに他2地域のプレイオフの結果を観察しました。EUとAPAC(アジア太平洋地域)では明らかにアグロが過剰で、それによってウォリアーとプリーストを含むコントロール構成が良い結果を残していました。Noblordと相談した後、アメリカでは複数の人が「グッドスタッフ」や遅い構成を持ち込むだろうと突き止めました。このこととコントロール構成が良い結果を残してきた事実を総合して、私はアンチコントロール構成を持ち込むことに決めました。ウォリアーへの安定したカウンターであり、アグロマッチアップにもある程度勝つことができるからです。
最終的なラインナップはクエストローグ、断末魔ハンター、偶数ウォーロック、マリゴスドルイドになりました。すべて自信があるデッキたちですが、より重要なのは私が好きでプレイしていて楽しいデッキということです。トーナメントまでの期間はクエストローグの練習に時間を費やしました。クエストローグ対アグロのマッチアップに熟練する必要があると分かっていたからです。今振り返ると偶数ウォーロックをもっと練習しておけばよかったと思います。提出したデッキリストも改善の余地がありましたし、最も多くのミスプレイがあったのもこのデッキでした。
会場への遠征(※)ついては、元々フェアファックス会場を予定していましたが、テキサス州オースティンに変更しました。フェアファックス会場の安定性に不安があったのと、私はジョージア州アトランタ在住なのでハリケーンフローレンスの影響でフライトに心配があったからです。これは結果的にすばらしい判断でした。テキサス会場の運営の方々はとても暖かく、食事やスナックそして高性能なPCを提供してくれました。
※アメリカ地域及びEU地域では、ブリザードが指定したいくつかの会場から選ぶ必要がある。ブリザードが全てを管理しているわけではないため、クオリティには差が出る。
ラウンド1 – Amnesiac選手 (奇数パラディン、奇数ローグ、トークンドルイド、秘策ハンター)
いきなり不利構成と組まされました。とはいえ秘策ハンターを除き私のデッキはすべて奇数パラディンに有利なので悪くないと感じました。私は奇数ローグ、相手は予想通り偶数ウォーロックをBANしました。このマッチは配信されたので、もし見たければVOD(ビデオ)が利用可能です。と言っても語るべきほどのことはありません。私は初手もドローも、ものすごく幸運に恵まれて3-0することができました。
(https://www.twitch.tv/videos/310409890 1:30:00辺り)
ラウンド2 – Sniped Again選手 (テンポメイジ、奇数ローグ、ズー、秘策ハンター)
この構成をとても恐れていました。Sniped Again選手はトークンドルイドの枠をテンポメイジに置き換えており、これが私のクエストローグにとって厄介でした。私はテンポメイジをBANし、マッチでは相手が並のドローをしているのに対し、私はまた上振れてドロー運に助けられました。自分の構成がアグロに対して極端に不利だとは思いませんが(おそらく40-60でしょう)アグロ構成に2回連続で勝てたのはかなりの強運でした!
ラウンド3 – Cheese選手 (メックトゥーンウォリアー、メックトゥーンウォーロック、OTKパラディン、シャダウォックシャーマン)
この構成に対しては極めて有利でした。私がアンチズー、アンチトークンドルイド構成を持ち込むのを嫌った理由の一部もここにあります。もし私のようなアンチコントロール構成に当たった場合、実質的に勝つことが不可能なマッチがあるからです。3-0で瞬殺しました。
ラウンド4 – Seiger選手 (挑発ドルイド、断末魔ハンター、クエストローグ、偶数ウォーロック)
これはほぼ完全なミラーマッチでした。お互いの構成の弱点は偶数ウォーロックでしたが、もしミラーマッチにもつれ込んだ場合生贄の契約を持つ私にわずかに分があると感じていました。実際には相手の断末魔ハンターに対していくつか有利がつき、勝ちを拾いました。私がタイミングよくリッチキングから破滅の契約を持ってきた次のターンに相手が横に並べたこともあり、なんとか偶数ウォーロックで勝ち切ることができました。ただ言っておきたいのは、私は偶数ウォーロック対断末魔ハンターの相性はそれほど悪くないと考えています。なぜなら待ち伏せのガイストを出せさえすれば、相手はこちらの大型ミニオンを除去することが難しくなるからです。その後は相手が死線の追跡者レクサーで押し返す前に相手を倒すだけです。
ラウンド5 – JustSaiyan選手 (ズー、奇数ローグ、トークンドルイド、秘策ハンター)
Saiyan選手は基本的にTempo Storm構成を持ち込んでおり、奇数パラディンをズーに入れ替えていました。これはマッチアップの相性を全く違ったものにしていました。奇数パラディンのように私の構成に不利なデッキを抜き、全てに有利なズーと入れ替えることで、とても困難なものになっていました。ズー対ドルイドの第1ゲームは相手が1ターン目炎のインプ、2ターン目ケレセス公爵を出してきたものの、5ターン目までパスしてコインから”Spreading Plague/拡がりゆく虫害”、次のターンに星の雨から魔力の暴帝を2体を並べることで勝ち切ることができました。第2ゲームもかろうじて断末魔ハンターで勝つことができました。しかし残りの3ゲームではSaiyan選手の速攻の前に私のクエストローグはなすすべなく倒されました。また、なんと1ターン目コボルトの司書、ヴードゥーの呪術医、ハッピーグール2体というゲームもありました!(ここでのマッチは負ける)
ラウンド6 – Ryder選手 (挑発ウォリアー、ビッグドルイド、断末魔ハンター、偶数ウォーロック)
これは私にとってやや有利な構成でした。相手はクエストローグ+断末魔ハンターをセットで持ち込んでいたないため、私は相手の断末魔ハンターをBANできた一方、相手は私のハンターをBANすることを強いられてクエストローグがフリーになりました。第1ゲームは偶数ウォーロックで相手のビッグドルイドにファティーグまでねばり、勝利しました。ここでもタイミングよく破滅の契約を手に入れた一方、相手はゲーム終盤までハドロノックス+自然への回帰の動きをしてきませんでした。次の勝利はクエストローグ対挑発ウォリアーで、これは予想通りでした。最後にドルイドミラーで勝ち、マッチに勝利することが出来ました。理屈の上ではやや不利ですが、マリゴスドルイドはどんなデッキにも勝てる強い武器を持っているのです!
この時点で5-1で最高のタイブレイカーだったので、もし次のマッチを落としてもtop8は確実だろうと感じていました。
ラウンド7 – Tincho選手 (奇数ローグ、ズー、秘策ハンター、トークンドルイド)
これはSaiyan選手が持ち込んだのと同じ構成だったので不安に感じました。私は再び奇数ローグをBANしましたがこれはミスでした。マリゴスドルイドはズーに苦戦する一方、実は奇数ローグにはそこそこ勝てるからです。Tincho選手がtop8に残るにはこの1勝が必要なのは分かっていましたが、top8から不利なマッチアップを排除するためにも勝ちたいところでした。しかし残念ながら相手の高速アグロに叩き潰されました。
Top 8!(2勝すればロサンゼルスでの選手権に出場)
ラウンド1 – Tinchoとのリマッチ!
私はズーをBANするべきだったという結論に至り、相手は再び偶数ウォーロックをBANしたので、すばらしい効果を発揮しました!しかも開幕からマリゴスドルイドで奇数ローグに勝ち、続いて断末魔ハンターでもとてもラッキーなドローをして奇数ローグを倒しました。気がつくと不利構成に対して2-0になっていました。しかしSaiyan選手にも同じ状況から負けたので、油断はできません。第3ゲーム、Tincho選手は奇数ローグで私のクエストローグ相手に、楽に勝利。そして最終ゲーム、含み笑う発明家、グレイシャル・シャード、ゴルゴン・ゾーラが並んだ盤面でソニア・シャドウダンサーを出すことができ、その後は殺しの命令2枚を警戒しつつ、獰猛なスケイルハイドでクエスト達成し、クエストローグで勝利を収めました。
ラウンド2 – pelletire選手 (挑発ドルイド、キューブロック、断末魔ハンター、クエストローグ)
基本的にはミラーマッチでしたが、わたしのデッキは全てキューブロックに有利なので勝てる見込みはあると感じました。第1ゲームはとんでもない試合でした!私はキングクラッシュを肉食キューブで食べた後、3ターン連続で断末魔を発動させることに成功し、Pelletire選手もハドロノックスと肉食キューブを連打して応戦しました。もしまだ見ていないなら是非見てください!(https://www.twitch.tv/videos/310881501 3:40:00辺りから)
ウィッチウッドのグリズリーを並べて相手のハドロノックスを遅らせることができたので、最終的に勝者は私になりました。
第2ゲームは私の偶数ウォーロック対断末魔ハンターで、おそらく最も多くミスを犯したゲームでもあります。デッキを扱い慣れていないのは明らかで、ミスプレイがいくつもありました。間違いなく今大会で最低のパフォーマンスでした。
残りのゲームではドローにも恵まれ山の巨人2枚、ドルイドミラーでは初手世界樹の小枝、滋養、マリゴスのおかげでプレッシャーをかけ続けられ、主導権をにぎったまま勝ちを確実なものにすることができました!
このようにして私は秋季チャンピオンシップへ進出しました!その瞬間はなんだか現実感がありませんでした。まだハースストーンが頭から抜け切っていなかったのです。ここまで来れたことは私にとって大きな意味があります。賞金のおかげでフルタイムで配信を続けることができますし、チャンピオンシップへ進出したことで次の目標ができました。全身全霊をかけて努力すると約束します。ワールドチャンピオンシップに進出する以上の喜びはないですから。(もちろん優勝することを除いて!)
ここまで読んでくれてありがとうございます。Pojoで書いていたトーナメントレポートで定番のprops and slopsの時間です!
Props(良かったこと):
・(もちろん)勝てたこと!
・テキサスの運営者が暖かかったこと
・ガールフレンドが応援してくれたこと
Slops(悪かったこと):
Cowboys選手とFibonacci選手の間でバグにより再戦があったこと。こういうことが起こるたび、巻き込まれた全ての人が不愉快な思いをします。勝っていた側はズルされたと感じるし、負けていた側は不公平なアドバンテージを得たと感じます。こうしたエラーをなくすようにBlizzardがソフトウェアを劇的に改善することを願うばかりです。
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