【開発者コメント】天下一ヴドゥ祭に関するインタビュー

Blizzcon2018にて、Hearthstone Top Decksが開発者のPeter WhalenとLiv Breedenにインタビューを行いました。インタビュー記事を翻訳して紹介します。(一部省略・意訳を含みます)

原文:INTERVIEW WITH HEARTHSTONE GAME DESIGNERS LIV BREEDEN & PETER WHALEN AT BLIZZCON – DISCUSSING RASTAKHAN’S RUMBLE!


ー 昨年から各セットに2種類のレジェンドカードが収録されています。デスナイトやレジェンド武器などです。今回の天下一ヴドゥ祭では全てのクラスにロアと伝説のチャンピオンがいます。それらのデザインについて教えて下さい。

Liv:私達は拡張ごとに新しいことをしようとします。チームで活動するとき、誰もが見上げるチャンピオンがいて、視覚的、機能的に集中させるロアもいます。これらがチームを光に導きます。このようなデザインです。

Peter:大魔境ウンゴロから各クラスに2枚ずつのレジェンドカードを収録しています。クエスト、デスナイト、武器です。森の中にたくさんのクリーチャーがいるウィッチウッドではそのような特別なカードはなく、2種類のレジェンダリミニオンが収録されました。

私達は拡張にとって正しいことをします。今回では、ヴドゥ祭に出場するチームの雰囲気がとても重要です。あなたが一直線に並んだチームを見て、私の好きなチームは?私のチャンピオンは?精霊は?となるのがこの拡張においてとても重要です。だからこそこのようなデザインです。

 

ー ハースストーンから一度離れてしまったプレイヤーをどのように引き戻そうとしていますか?この拡張は彼らを引き戻すことができるでしょうか?

Peter:素晴らしいことがたくさんあります。これはラスタカンで行われる大騒ぎです。World of Warcraft(WoW)をプレイしていて、トロルを愛しているプレイヤーにとってはたまらないでしょう。WoWプレイヤーでなくても、あなたは殴り合いを好むチームが気に入るかもしれません、ヴードゥーや神秘的な魔法が好きかもしれません。無実のものを生贄にするのが好きかもしれません。それならあなたにはウォーロックのハイリーク・バッツがピッタリです。

全てのチームが異なるアピールポイントを持ち、好みの異なるプレイヤー達にアピールします。大きくて強いのが好きならウォリアーのアカリ・ライノスもいます。光のチャンピオンとトラのロア・シャヴァーラを持つパラディンのチームもいます。

私達は多くのプレイヤーが天下一ヴドゥ祭に参加するために戻ってくるのを楽しみにしています。

ー ハースストーンの開発者は、相手の手札を捨てるようなカードについては非常に慎重になると常に言っています…

Peter:あとはデッキの半分を破壊したり

 

ー それです。相手のデッキを全て破壊する第一使徒リンは、達成に非常に時間がかかるため理解できますし、あまりにひどいカードというわけではありません。しかし、虚無の契約は8マナですぐに発動できます。これは問題にならないのでしょうか?

Liv:虚無の契約は特定の一部のプレイヤーに訴えるカードです。このカードは8ターン目まで待つ必要がある上に、8ターン目にプレイする必要があります。誰もがデッキに採用するカードにはならないでしょう。それをやる人は、本当にそれがやりたい人です。ズーのプレイヤーはこのカードをプレイしないでしょう。これは特定のタイプのプレイヤー向けのカードです。

Peter:あなたが相手のデッキを破壊するためにノーム・フェラトゥをプレイするのが好きなプレイヤーなら、このカードはあなたのためのカードです。そういう方を満足させるカードです。

適度にこのようなカードがあるのは素晴らしいことです。このようなタイプのカードを作るのには非常に注意が必要です。ウォーロックは非常に邪悪なクラスですので、このようなカードはぴったりです。

ー 拡張の設計のサイクルについて教えて下さい

Liv:最初のデザインから最終的なデザインになるまで16週間を費やします。その間にロアが誰か、チャンピオンが誰かを決定します。チームの雰囲気やサウンド、アートなども決めていきます。

Peter:そして得られた135枚のカードを洗練させます。ロアを調整し、よりクールなものにします。精霊によりロアがより機能するようにします。同時にカードアートに取り組んでいる外部のアーティストによりゴールデンのアニメーションも作っていきます。

そして今、最終的なデザインが完成し始めています。すべての音声も録音しています。まだアニメーションは完璧ではありませんが、かなりクールだと思います。ロアは全て素晴らしいアニメーションを持っており、トラのロア・シャヴァーラはトラの幽霊がロアのものとして盤面に飛び乗る素晴らしいアニメーションです。私は全てのロアのアニメーションが大好きで、これまでの中で最高だと思います。

Liv:カードをプレイした時にクラッシュしないように時間をかけました。

Peter:たしかに。カードを実装するときにはきちんと動くように動作テストをします。この段階でエンジニアがそれらをクリアさせ設計のサイクルは終わりに向かいます。そして、PRチームが作業を開始し、どのように公開するか、Blizzconのプラン、などを考えていきます。

今はここにいますが、1ヶ月後にはリリースされます。プレイヤー達は素晴らしいものに出会うことができるでしょう。

基本的には、チームごとに約16週間のサイクルで様々な人達が1年を通じて働いています。

 

ー もしかしたら非常に強力になるであろう攻撃力0のカード(精霊)のデザインについて教えて下さい

Liv:もちろん!私達はそれらについてたくさん検討しました。最初は高い体力を検討していました。現在の精霊はとてもクールです。(1ターンの隠れ身を持つため)1~2ターン盤面に居るのを期待できるからです。あなたが考えるコンボをプレイできます。次のターンに全ての手札を使って素晴らしいコンボができるかもしれません。

Peter:ブラン・ブロンズビアードがいたことを思い出してください!とんでもないでしょう!

私達は、プレイヤーがこの方向性でデッキを構築してほしかったのです。多くの人はこのようなことが好きだからです。人気のあるクエストは、コレクションを通常のデッキ構築とは異なる観点で見せ、試させます。精霊はクエストやスペルストーンの一種の進化系です。精霊は、相手に次のターンすごいことになることを教えます。相手はSI7:諜報員を恐れるかもしれませんし、巨大なホッピング・ホッパーを恐れるかもしれません。あなたが狙っていることがなんであれ、相手はそれに対して準備することができます。しかし、その引き換えにあなたが素晴らしいコンボをプレイすることができます!

Liv:ときにはブラフに使うこともあるでしょう。精霊を投げ捨てることで、相手の反応を見ることもできます。

Peter:メタゲームとしては、精霊に対応するために地獄の炎マルチショットヴォイド・リッパーなどが活躍するようになるでしょう。

Liv:精霊はデッキ構築において素晴らしいカードになります。しかし、多くのプレイヤーが悩むことも知っています。リリース日に、私達はプレイヤーにランダムなレジェンドカードとそれに対応する精霊カードをプレゼントします。ゲットした3枚のカードで素敵なデッキを作ることができます。

Peter:ワンダフル・ウィズバンもアップデートします!天下一ヴドゥ祭のカードをたくさん使ったデッキがあります。デッキレシピが更新されると、ウィズバンも更新されます。

ー パラディンは過去に訓戒というカードを手に入れました。シャダウォックやマリゴスのようなコンボデッキ相手がいる環境で、これらが流行らない理由はありますか?

Peter:物事は混じり合っています。時には機能するカードになります。ドブネズミがいい例です。ドブネズミはかなりのランダム性がありますが、コンボデッキ相手に非常に有効な方法でした。訓戒はクラスを別のように感じさせるカードの例です。アイス・ブロックはダメージコンボを恐れているときに救ってくれるカードの例です。その後レノ・ジャクソンにより完全回復が可能です。

私達は、様々なクラスがコンボカードとやりとりする様々な方法を模索しています。時にはコンボデッキを混乱させるカードが多くあることもありますが、殆どの場合多くは見ないでしょう。今現在は強力なコンボカードとやりとりする方法はありません。

ー まだ16枚のカードしか公開されていませんが、既に3~4種類のハンドバフカードがあります。自分のデッキミニオン全てをバフするプリーストの怪力乱心があります。自分のデッキに戻るパラディンの不老不死の大祭司があります。以前の拡張でメインだったメカニズムがゆっくり時間をかけて戻ってきています。以前の拡張引っ張ってきたものについて教えて下さい。

Peter:ハンドバフは楽しいメカニズムです。まだプレイしていないカードとやり取りするというクールな方法です。現在の盤面には影響せず、後のミニオンを巨大化するためゲームが少し遅くなります。

不老不死の大祭司怪力乱心もかなり遅いカードです。手札をバフするわけでもなく、これから手札に入るカードを強化します。コウモリの精霊はそれらのカードをプレイすれば即時にテンポを与えますので、少し遅いカードです。

正直これらのカードが公開されたのは偶然です。天下一ヴドゥ祭にこれらハンドバフのカードが大量にあるわけではありません。

Liv:しかしデザイナーにとってお気に入りのメカニズムというのがあります。私はメカメカ大作戦のハンドバフが大好きだったのでもう一度やってみようとなりました。こうすると以前の拡張ではあまり強くなかったクラステーマを強化するのに役立ちます。多分プレイヤーは新しいカードを持って古いデッキに再挑戦するでしょう。それはとてもエキサイティングです。

 

ー ズルジンがヒーローカードである理由はありますか?死線の追跡者レクサーの人気に関係があるのでしょうか?

Liv:いや、ズルジンは本当に素晴らしいと思います。彼は多くの人に知られているトロルの1人です。Warcraft ⅡからHeroes of the Stormのプレイヤーまで知っているキャラクターです。

Peter:この拡張の主人公になるべき人のリストを作ったとき、ズル人は基本的に一番上にいました。では、ズルジンはどのクラスだろうか?私はハンターが良いと思いました。彼は自然です。そして多くの斧を投げます。ハンターにぴったりです。彼は機械的で冷静です。ハンターをプレイする人にとって興味深いものになるでしょう。

 

ー プレイテスト中にどんなバランスの問題が起きていますか?

Peter:ハ!

トラのロア・シャヴァーラは当初30マナで9/7でした。プレイテスト中に誰かが聖なる怒りを使用した結果、シャヴァーラは25マナになりました。聖なる怒りは引いたカードのコスト分のダメージを与えるため、それによって30ダメージを受け負けた人がいたのです。

Liv:呪術司マラクラスは?

Peter:ああ…

Liv:最初のマラクラスはコインも自分自身も手札に加えました。

Peter:それにより、マラクラス、コイン、魔力の矢を無限に繰り返したり、マラクラス、コイン、フロストノヴァを永遠に繰り返したりできました。私達はそれを望んではいません。本当です!