アーティスト・スポットライト – Jorge
突撃!探検同盟のカード公開で、多くの有名プレイヤーがJorgeさん(@jorge_junjun)のシャドーボックスを手にしていたのはご存知でしょうか。シャドーボックスとはシャドーアートとも呼ばれる、1枚の絵を複数切り貼りして重ね、立体感を出す技法で作成したペーパークラフトです。
今年1月からハースストーンのカードをモチーフとしたシャドーボックスを作成し始め、遂には公式から作成を依頼されるまでに至った、Jorgeさんへのインタビューを掲載します。
※この記事はHearthpwnに掲載された記事の翻訳(一部加筆・修正)となります。
今回のアーティスト・スポットライトでは、JorgeことJun Yamamoto氏のシャドーボックス作品と今回彼が公式にカードを製作することに至った背景などを紹介したいと思う。
「突撃!探検同盟」のリリースに先立ってコミュニティから次々とカードが公開されたが、そのうちいくつかの動画ではストリーマーが通常の「デジタル」カードではなく、実物の「立体カード」を使って動画を公開したことに気がついた人もいるだろう。これらのカードは二次元のカードを三次元の立体カードに作り変えるシャドーボックスと呼ばれるアートによるものだ。 今回紹介するJorgeはこのアートを実践する一人だ。
横浜在住の彼は、普段はサラリーマンとして仕事をしながら家庭を支える三児の父親だ。ほとんどの読者と同様、自由時間にゲームをするのがささやかな楽しみだ。ブリザードのゲームに関して質問したところ、「初めてブリザードのゲームをプレイしたのは、ディアブロですね。ディアブロは一応全シリーズプレイしました。もちろん、ハースストーンは大好きで、PC版のリリース時からプレイしています。」ということだ。
「ただ問題は、最近はシャドーボックスの製作が楽しすぎて、ハースストーンをやる時間がほとんどないことですね。デイリークエストを消化するのが精一杯です」
アーティストと呼ばれることについては、初めての経験であり、まだなかなか馴染めないようだ。
「アーティストと呼ばれるのは正直変な感じですね。柄ではないし、ただの少し手先が器用な普通の父親です。自分でモノを作るのは結構好きなので、これまで子供の勉強机や庭のウッドデッキ、ダイニングのベンチを作ったりはしました。」 随分と控えめではあるが、その作品を一目見れば、彼が間違いなく「アーティスト」であることは誰の目にも明らかだろう。
Q. なぜ「シャドーボックス」を製作するようになったのですか?
Princeさん(@Prince33hs)が製作されたジリアックスのシャドーボックス作品を見たことがきっかけです。そのインパクトがあまりに強烈で、すぐに自分でも作ってみたい!と思い、その方に作り方などを詳しく教えて頂きました。それが始まりですね。
それから次々に作品を作り続け、これまでに(カードバックを除くと)約20の作品を作りました。
🤖ジリアックス🤖
今回はレジンを使って肩の砲台と電磁砲的な武器のクリスタル、各ステータスのパーツを作ってみました😎
せっかくなんで光らようと思い試行錯誤。
初めて光らせたにしては満足いく出来になりました✨
#ハースストーン
#Hearthstone
#シャドーボックス pic.twitter.com/3a2cekmfay— Prince.hs (@Prince33hs) 2019年1月25日
Q. 具体的にどうやってカードを製作しているのですか?
基本的にはインクジェットプリンタで厚手の写真用光沢紙を使用して作ります。カードをプリンタで印刷し、切ったり、曲げたり、重ねたりしながら立体感を出していきます。道具はアートナイフやピンセット、モデラー(金属製のヘラ)などを使う程度で、特に特殊なものはありません。大抵100均かアマゾンで買ってます。一部のパーツなどにはレジンを使用して、より見栄えを良くすることもあります。
一番のキモはレイヤーの構成をどうするかですね。レイヤーの数を増やせばカードの枚数や階層が厚くなり、立体表現の奥行きも深まりますが、一方で製作時間や難易度もアップします。
通常は1つの作品を完成させるのに7〜8時間を費やします。時間はイラストの難易度やレイヤーの階層数によっても変わります。自分の場合、イラスト以外の部分(フレームや装飾部分)にもイラスト部分と同じくらいの時間をかけて作成しています。最終的な完成度に大きく影響するからです。
Q. 一番のお気に入りの作品は何ですか?
真っ先に思い浮かぶのは「システム改竄(Hack the System)」ですね。 Trump氏(@TrumpSC )により公開されたカードです。
自分で作るなら絶対選ばないような、難しいイラストのカードでした。ブリザードからカード情報をもらった時に一目見て「難しい」と思ったので、製作は一番最後にすることにし、他の6作品を作りながら、どうやったら一番うまくできるかを考えていました。
Q. どういう経緯でブリザードから公式製作依頼を受けることになったのでしょうか?世界中のアーティスト達が、同じようなチャンスを心待ちにしていると思います。
作品をいくつか製作した後、Redditにアカウントを作って投稿してみたんです。そうしたら、たまたまブリザードのある担当者がそれをみてコンタクトしてきました。最初はその方の個人的な製作打診かと思っていたので、何を言ってるのかな???という感じだったんですが、ブリザード社として公式製作を打診してきていると理解した時には鳥肌が立ちました。
さらに、「オフィスの全員が君の作品凄いって言ってるぞ!」と言われた時の感動は今でも忘れられません。」
この時の感動は、誰しも容易に想像できることだろう。こうしてブリザードの公式依頼により、「突撃!探検同盟」の新カード7枚を製作することとなったわけだ。
シャドーボックスを作成されている過程を動画で公開されています。是非見てみて下さい。