【開発者コメント】Gamescom 2018 にてThijsの質問に回答

【開発者コメント】Gamescon 2018にてThijsの質問に回答

Gamescon 2018の会場でのThijsの配信に、開発者のDean Ayala “Iksar”氏が参加し、Thijsやチャットのコメントに回答しました。redditにて紹介されていた主要な部分を翻訳して紹介します。また、Thijsの配信のアーカイヴから全編を視聴できます。

【メタ】

クエストローグと偏ったマッチアップ

Ayala: クエストローグはとてもポピュラーです。Gamesconに来る前にデータを調べたところ、とてもとてもポピュラーなデッキになっていました。

デッキの性質(コンボ、アグロ、コントロール)は必然的に偏ったマッチアップに繋がります。古いデッキですがコントールウォリアーVSフリーズメイジのような90-10のマッチアップがたくさんあるのは、多くの人が欲しがるものではないでしょう。

統計的に、ほとんどのマッチアップは70-30を超えていません(30はとても低いですが、勝つことは不可能ではありません)プレイヤーによるミスが少ないハイレベルな対戦では、マッチアップはより偏っています。

含み笑う発明家

Thijs: このカードがこんなに強く、こんなにプレイされると予想していましたか?

Ayala: ここまで強いとは考えられていなかったかもしれませんが、メカメカ大作戦のカードの中で最強候補の1枚だと知っていました。私達は、中立の手に入れやすい挑発ミニオンをわざと強力に作成します。過去のヘドロゲッパータールクリーパーのように、です。中盤での挑発ミニオンのプレイは、ミニオン同士のぶつけ合いやゲームプランの変更により、ゲームをより面白くします。それでも、どこかに境界線はあります。このカードは非常にポピュラーなので、データとフィードバックを確認しています。

 

ワイルドのバランス

視聴者: ワイルドのバランスは見ていますか?最高サイコメロンは強すぎます。

Ayala: ワイルドのバランスは見ています。私が個人的に心配していたのは(必ずしもパワーレベルによるものではなく)グリンダ・クロウスキンメカワーパーのコンボでした。

私達は、ワイルドがどうあるべきかについて沢山考えています。現在のワイルドには全てのカードがあり、さながらスタンダードの強化版のようです。ワイルドは最終的には3ターン目に100/100のミニオンでOTKを決める環境になるべきでしょうか?そういうのが好きな人もいるのは分かっていって、そういう人は大きく異なるモードを好みます。しかし私達が進めている方向とは異なります。何が正解であるかはわかりません。

スタンダードとワイルドの2つのモードを持つことのポイントは、それらを大きく違うモードにすることです。そのため、ワイルドのカードをナーフして、スタンダードのようにするのは、その方向とは異なります。しかし、ナーガの海の魔女のように対戦相手が楽しめないカードもありました。全てが強力、というのがワイルドなので、ワイルドにおいて壊れるというのは難しいことです。

ナーガの海の魔女について

カードのバランス調整について - 2018年5月

【開発者コメント】ワイルド環境のナーガの海の魔女について

マッチメイキング(レジェンド上位によるカウンター)

Ayala: これは内部的にも外部的にも最も議論の余地のある項目です。多くのプレイヤーがホントにホントに嫌っています。多くの最も記憶に残るストーリーは、何度も同じプレイヤーと連戦しフレンドになることです。このようなストーリーを多く聞き、ポジティブなフィードバックをしています。私達が多く議論してきたことですが、まだ何が正解であるかわかりません。

ドルイドについて

Ayala: 人々は常にデータを見ています(HS ReplayVSで)。そしてそれらのデータがドルイドが最もポピュラーでなく、そして最も強いわけではないということを示しています。

いくつかのカードは、まだかなりのストレスを与えます。拡がりゆく虫害は既に一度ナーフしていますが、対戦相手に使われると非常にストレスを感じます。挑発ドルイド(現在はそうでもないかもしれませんが)も対戦相手になるとストレスを与える存在です。ただ、ほとんどの場合はそれがあまりに強力でない限り、クラスが異なる勝ちのプランを持っているのは(環境として)とても良いことです。

メカメカ大作戦リリース前に、人々はドルイドについて多くのことを心配していましたが、それら全てが強力だとは限りませんでした。最高サイコメロンはワイルドでは非常に強力ですが、スタンダードではそうでもありません。私達は以前、ドルイドのカードをいくつかナーフしましたが(木立の番人など)多くのクラシックカードは現在でも強力です。

Thijs: 究極の浸蝕については今も注目していますか?

Ayala: そうでもありません。10マナでの非常に強力な動きです。私達がコントロールゲームでの10マナの動きを考えると、頽廃させしものン=ゾスのように25/25の価値のある、しかも全て断末魔を持つミニオンを召喚することがあります。ドルイドは他のカードによって早く10マナまで辿り着くことができます。

Thijs: はい、それは5~6ターン目にプレイされます。

Ayala: 人々は究極の浸蝕について語りますが、野生の繁茂滋養のようなカードを見る必要があるかもしれません。

APM プリースト(Dogの実験台を使用したコンボプリースト

Ayala: 開発チームはこのデッキがあることを知っていましたが、これがあまり良くないことも知っていました。これがポピュラーになったのは配信者(Dog)の影響だったので、このデッキがポピュラーになるのを予測するのは難しかったです。しばらくの間5~10%の人気がありましたが、それほど強力ではなく、しかもとてもプレイが難しいデッキです。

 

【カードデザイン】

デスナイトとヒーローカード

Ayala: 私は、多くのプレイヤーがヒーローカードに賛同すると考えています。ヒーローカードのコンセプトが良く、そしてファンタジーを成すからです。私は、これらはゲームを大きく変化させるため、スタンダードの環境に変化を生み出すのも喜んでいます。DKジェイナ、DKグルダン、DKレクサーは無限のリソースを生み出します。

あなた達は魔女ハガサ狂気の天才ドクター・ブームが無限のリソースを生み出しすぎる、と主張できるかもしれませんが、DKレクサーほどではありません。ヒーローカードは環境にインパクトを与えることができると考えていますが、無限のリソースを生み出す効果は、今私達が考えている方向ではありません。

Thijs: シャーマンとウォリアーが新しいヒーローカードを得たのは、DKカードが弱かったからですか?

Ayala: いいえ、そうではありません。

クリスタル加工師ケンゴー

Ayala: クリスタル加工師ケンゴーは直前まで1/3でしたが、最後に1/2になりました。

Thijs: コントロールパラディンにおいては非常に強力で、必ず採用されますが、コントロールパラディン自体が現状あまり強くないですね。

魂箱

Ayala: 当初のデザインでは「手札の全てのミニオンの攻撃力とコストを入れ替える」というものでした。しかし、召喚のポータル時計仕掛けの自動人形があまりにも強くなるため実装に至りませんでした。

RNG(ランダム要素)

Ayala: 私達は、ランダム要素がゲーム序盤に大きい影響を与えないようにしています。一方、シルバーヴァンガードのようなカードが、レイトゲームにはあります。私達がランダムなダメージのカードを作る時、そのダメージはミニオンに与えるようにして、よりコントロールできます。

DKレクサーは非常に多くの人にとって楽しいカードですが、技術的には(2階層の発見になっているため)最もランダムなカードの1つです。しかし、このカードと対戦している人はストレスを感じているでしょうか?

カードデザインの進捗・内部のテスト

Ayala: 2019年の8月分は初期設計段階、2019年の4月分は最終設計段階です。私達はバランスを考え、カードを見直して、セットがリリースされる数週間前まで調整しています。

最終設計では、プレイテストの最終段階に近づくにつれて、新しいデッキを最良のデッキの手がかりにしてうまくいくかどうか確認します。

私達が微調整するとき、時間のスケール調整ができ、ChakkiやRealzは通常4倍速でプレイしています。あまりいいゲーム環境ではありませんが、兎に角多くのゲーム数をこなすことが必要なのです。

 

【その他】

パズル研究所

Ayala: 私達は長い間パズル研究所をやりたいと思っていました。グランドトーナメントの時にパズルを作成しましたが、実施する場所が難しかったです。例えば凍てつく玉座の騎士団でリッチキングの出してくるパズルに答えるのは筋が通っているでしょうか。ドクター・ブームの研究所でパズルに答えるのはピッタリです。もし、ポジティブなフィードバックを得ることができれば、またパズルを実装することができます。

それは、必ずしも一人用モードである必要はなく、酒場の喧嘩のようなものかもしれません。

イリダン・ストームレイジ

Thijs: イリダンのようなWoWの象徴的なキャラクターの再録はありますか?

Ayala: 現在の活動ではバーニングリジョンは関わっていませんが、しかし将来的には関係するでしょう。イリダン、バーニングリジョン、そして悪魔達は大きなエリアです。間違いなくそのときのセットの一部になり、いつか新しいイリダンを見ることになるでしょう。

ワンダフル・ウィズバン

Ayala: ワンダフル・ウィズバンは当初「ゲーム開始時:あなたのデッキを他の人と置き換える」というものでした。誰かがランク戦でプレイしているデッキを引っ張ってくる、というものです。しかしそれは恐らく、はじめたばかりのメイジのデッキを多く引っ張ってきて楽しいものではないだろう、ということになりました。

最後に

Ayala: 毎日redditを読んでいます。時にいい気分になるし、時によくないこともありますが、毎日読んでいます。フィードバックを残してください!