開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(2月18日)
開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。
このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。
<< 開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(1月14日)>>
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<< 開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(2月11日)>>
▼Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS
Q: 実績ポイントは今いくつですか?
A: Zeddyがいじめてくるので言いたくありません。
Q: 現在ランク戦のマッチングは内部レートとランクを参照していると思いますが、ランクは見る必要があるでしょうか?(MMRが高い場合、)月初にランク戦を1週間プレイしないと、マッチングに3~5分かかってしまいます。
A: 月初のマッチングはMMR(内部レート)だけで行われています。バグ以外でマッチングに時間がかかる理由はないはずです。
Q: (上記質問に追加で)これは毎月7日~10日頃に、ボーナススター11個プレイヤーがよく話している話題です。
Q: (上記質問に追加で)私が月の後半にレジェンドを目指す時、マッチング時間が長くなります。恐らくですが、私の地域は特に悪化しています。
A: ありがとうございます。詳しく調べてみます。
Q: なぜ「ごめん」の感情表現を消してしまったのですか?
A: Ben Brodeが削除してしまったのです。私の責任ではありません。(正直な話、知りません。こうやってBen Brodeのせいにするのが楽しいだけです)
Ben Brode:失礼しました。(※アンドゥインの「ごめん」)
Q: 「ごめん」の感情表現を削除したのが、プレイヤーの気持ちを考えてのことなら、なぜペン投げ野郎のボイスは「よお!負け犬!(Hey, loser!)」なのでしょうか?ゲームデザインでは、ボイスをどれだけ考慮していますか?
A: カードのデザインにはカードのボイスも含まれており、色々考えています。
私は、そのキャラクターしか言わないようなボイスが大好きです。プレイヤーがそのボイスを聞いた時に、すぐにそのカードが想像できるように作成しています。また、どんなミニオンでも言いそうな、一般的なセリフは避けるようにしています。
限られた開発時間の中で的確なボイスを見つけるのは難しいのですが、努力しています。いつも走り回って、手札に戻っていくノームが「負け犬!」と言う遊び心は、面白いと思っています。
Q: フレンド欄のバグを修正する予定はありますか?フレンド戦を申し込もうとすると、フレンドが消えたり、別の場所に移動してしまいます。
A: 調べてみます。チームは既に取り組んでいるかもしれませんが、私はそのチームとあまり密接にやりとりをしていません。Sarahが知っているかもしれません。
Sarah:バグ報告ありがとうございます。また、バグが発生していることにお詫びします。このバグについて確認します。
Q: プレイテスト時に”見逃された”強いデッキはありましたか?ほうき型の聖典パラディンや、トートランメイジの強さは知っていましたか?それともコミュニティが開発陣を驚かせましたか?
A: トートランメイジや、Dogが使っていた石牙のイノシシデッキ(獣ハンター)のプレイテストはあまりしていませんでした。これらのデッキに共通するテーマは、全体で見るとそれほど強力ではないにもかかわらず、人気が出るほど派手なコンボがある、ということです。
Q: BlizzConlineには興奮していますか?
A: とても興奮しています!直接、皆さんとお会いできないのが残念ですが、それでもショーを楽しみにしています。皆さんの反応や、会社の仲間が取り組んでいる様子を見るのは、いつでも楽しいです。
Q: ハンターは、ドローやカード生成が苦手なクラスでありつづけるべきだと思っていますか?ハンター以外のクラスは、ほとんど低コストで大量のドローやカード生成が可能です。
A: 全てのクラスが、ある程度カードドローを持っているはずです。ハンターが「常に手札がいっぱい」なクラスになる予定はなく、回復が得意なクラスになる予定もありません。ハンターの強みは、テンポプレイや攻撃的な戦術です。
そして、私達はそのハンターのデザインに概ね満足しています。ハンターは他のクラスよりも、しっかりとクラスの特徴を表現できていると思います。
Q: redditのr/customhearthstone(オリジナルカード作成スレッド)が、カード公開できるようになるには何が必要ですか?
A: Chrisに聞いてみて下さい。私からも言ってみます。
Chris:<3
Q: 現在のOTKデッキは、予想されていた、または、意図されていたものですか?
A: OTKデーモンハンターは認識していましたが、それほど強いものではありませんでした。現在のOTKデーモンハンターは強すぎず、また、OTKデーモンハンターが好きなプレイヤーは、好んで使用しています。丁度よいバランスだと思います。
アルーラパラディンに関しても、全く考えていなかったわけではありませんでしたが、予想よりも強かったのは間違いありません。
Q: ヒーロースキン画面で「禁止」のタグが出ていたバグ(?)があったのですが、何だったのでしょう?
A: それについてはよく分かりませんが、私達がこのタグを使うのは、強力すぎるカードなどを、特定のフォーマットで禁止する時です。構築プレイでは使いませんが、酒場の喧嘩やデュエルで使用されています。
Q: BlizzConlineでは、ハースストーンのビッグニュースはいくつ発表されますか?
A: いくつかありますが、ネタバレはしません!
Q: 作ろうとしたけれど、ゲームデザインやプログラミングの問題で実装が難しく、全く違うものになってしまったことはありましたか?
A: いつものことです。あえてわかりにくく言いますが、自分のデッキを破壊し、手札を3つのボタンを持つ乗り物に変身させるカードを作りたかったのですが、だめでした。
Q: ハースストーンのランク戦はBo1(1本先取)で行われますが、サイドボードを入れたBo3(2本先取)を実装する予定はありますか?
A: 私の考えでは、サイドボード制は、ほとんどプレイヤーにとって複雑さが増すだけで、メリットはないでしょう。私はBo3のアイデアが好きですし、もっと競技よりのモードを実装していたなら、あり得たかもしれません。トーナメントモードについて話をしていた頃の話です。
今の所予定はありませんが、クライアント外ではなく、クライアント内でesports関連のシステムを実装したいと思っています。もしこれが実現したらBo1だけではなく、別のフォーマットも考えたいと思います。
Q: Warcraft 1のキャラクターがハースストーンに登場する可能性はありますか?
A: ハースストーンの拡張セットのテーマについて、ブレインストーミングをしているときに、Warcraft 1、2、3の話は、ほぼ毎回出てきます。私はWarcraft関連の本を沢山読んでおり、素晴らしいストーリーやキャラクターがあるのは知っています。
これらが実現するのは時間の問題でしょう。楽しいアイデアは沢山ありますが、全てを実現することはできません。
Q: ゲームのプレイ時間の長さについて考えたことはありますか?
A: 一般的には、短いほうがいいと思います。20分以上続くゲームのほとんどは、大量の除去、カード生成、回復によるものです。今後はそれらを制限しようとしています。
Q: 今までカードデザインを行っていた中で、最も変なカードは何でしたか?
A: 名前は忘れましたが「雄叫び:残りのゲーム中、あなたのカードのすべての数字に1を加える」でしょうか。他には、以下のものがあります。
魔力の矢(コスト2)「合計4ダメージを敵にランダムに振り分ける。」
軽業(コスト4)「カードを2枚引く。 このターン中にそれら 両方を使用した場合 もう3枚引く。」
イセリアル改造屋(コスト2、攻撃3、体力2)「雄叫び:ミニオン1体に2ダメージを与え、呪文ダメージ+2を与える」
これは本当にぶっ壊れていたカードで、実装するのは不可能でした。軽業は当初2枚ではなく3枚引いていたのですが、どんなものかは、ご想像頂けるでしょう。
Q: 凍てつく玉座の騎士団で登場したヒーローカードには、とても興奮しました。また別のタイプのカードを作る予定はありますか?
A: そうしたいと思っています!今、チームの色々のメンバーと新しいカードタイプがどれだけ楽しいものになるか話していたところです。
私はMTGの英雄譚(Saga)が大好きです。私達は、このような新しいものを探求したいと思っていますが、実装するにはゲームデザインや背景なども考えなければなりません。
Q: 報酬レーンの50レベルで最も選ばれたヒーローは誰でしたか?
A: 覚えていないので、確認しなければなりません。私は、とてもハンサムなイリダンを選びました。
Q: バトルグラウンドで。対戦相手の状態をもっと詳しく見られるようにしようと考えたことはありますか?
A: 元々考えていましたが、リアルタイムで全てのボードを確認するのには技術的に限界があったので、リリース時にはやりませんでした。
また、全ての盤面を常に観察することに大きなメリットがあるとは思えませんでした。確かにそこには戦略性がありますが、それがゲームをより楽しくするとは思えません。他のゲームをやっていて好きだったのは、決着のついた試合を見たり、他のプレイヤーのコスチュームを見たりすることですね。正直なところ、戦略性よりもそれらの方が好きなのです。
Q: 暴走ブラックウィングやドラゴンモーの密猟者など、闘技場で禁止されているカードを、発見プールからも削除することは検討していますか?
A: そうすることもできますが、どうするのがが正しいかは分かりません。誰もが1~3枚の暴走ブラックウィングを持っていて、闘技場の環境が「誰が最も多く暴走ブラックウィングを取得出来たでしょう」状態になったら、皆がイライラするでしょう。
一方で、強力なカードを全て取り除くことが目的ではありません。強力なカードは面白い要素にもなります。まれに発見できることで、ゲームの面白さが損なわれるのではなく、面白さにプラスに働くのです。
もちろん、大量のカード生成や、特定のカードを発見するカードがあるときは、問題になると思います。ドラゴン大決戦の時は、ドラゴンを発見するカードが多く存在していたため、より多く発見できたプレイヤーが勝利すると感じられていました。暴走ブラックウィングは、そういったカードではないと思っています。
Q: ダークムーン・フェアの実績は、次の拡張セットのシーズンになっても経験値が貰えますか?
A: いいえ、その際には新しい実績になります。
Q: 空飛ぶほうきのデザインについて詳しく教えて下さい。
A: こんなにも広く使われていて、驚いています。猟犬使いショーが、似たようなカードだったかもしれません。特定の状況でしか使えない1/1/1のミニオンは特殊で、ある程度強くデザインする必要があります。
空飛ぶほうきは、ミニオンを軸にしたデッキに入れることで、デッキのパワーを”押し付けやすくする”カードでしょう。また、ビッグ/コントロールデッキでも役に立ちます。
バランス調整会議でも議題になりました。パワーレベルがかなり高く、意図していたよりも多くのデッキに採用されています。いくつかのデッキに採用されるレベルであれば楽しさを生み出しますが、全てのデッキに採用されるのは面白くありません。
Q: デーモンハンター独自のリソースとして、「fury(怒り)」を追加しようとしていたと聞きました。まだ実装される可能性はありますか?
A: 新しいリソースを追加するアイデアは素晴らしいものでした。問題は、全てのデッキが新しいリソースを使えないことです。もし新しいリソースを使ったUI(ユーザーインターフェース)を作るのであれば、毎ゲーム利用されるものにしたいですね。
デーモンハンターは、全てのデッキがfuryを使用するわけではありませんでした。毎回使われるわけではない特別なユーザーインターフェースの実装のために、デーモンハンターのリリースを何ヶ月も遅らせるのは現実的ではありませんでした。
ただ、それでも本当に面白いアイディアだったので、実装のためになにか良い方法がないか検討してみたいと思います。
Q: 実績には「~を~回する」というものが沢山あります。一方で、おおヨグよ!のような難しい実績もあります。これらのバランスはどう考えていますか?
A: 実績のゲームデザインは新しく、少し制限されています。ハースストーンの初期の頃は、カードデザインが非常に限られていましたが、時間が経つに連れツールが増え、様々なことができるようになりました。実績についても同じことが言えるでしょう。
おおヨグよ!の実績の難しさはそれほど問題ではありませんが、プレイヤーの意思決定に依らないという点では、ほとんどの実績でやろうとしていることに少し反しています。超難解な実績もあると思いますが、実績を達成するための素晴らしいデッキを構築すれば、そうしていないプレイヤーによりも簡単に達成できる、という方向に傾いていくと思います。
Q: 在宅ワークによる課題を克服するために、チームでどんな解決を図りましたか?
A: 私は、チームがメンバーそれぞれを重視できるように動くかすのが好きです。異なるグループは異なる要望を持っています。
中には空き時間にslackで一日中会話をしている人もいます。ときにはチェックインのために毎日2~3回スタンバイをすることもありますし、1回のチェックインで済む人もいます。
私は現在14人のデザイナーを管理していますが、最大の課題は、全てのプロジェクトと人を把握しておくことだと思います。皆が仕事場で話している会話により、どれだけの情報が得られていたかが、今は痛いほど分かります。在宅ワークにより、そのコミュニケーションが全て失われてしまっています。
Q: 30枚よりも多いデッキサイズや、異なるデッキ構築の制限を用いたフォーマットを考えたことはありますか?MTGのEDHの成功を見ていると、その可能性に興味が湧いてきます。
A: いつも考えています。私は、2対2やEDHのアイデアが大好きです。カードデザインの幅が増しすまし、既存の開発プロセスを大いに活用できるからです。
1対1対1対1のハースストーンを試して、どんなゲーム性なのか見てみたいと思っています。ユーザーインターフェースは大きな課題ですが、楽しさを見出すことが最も重要です。EDHには、面白さを増す可能性を秘めており、ハースストーンに合ったメカニズムを見つけることができると思います。
Q: キーワードの数を制限しているのは何故ですか?
A: 過去にPeter Whalenが素晴らしい回答をしてくれています。
Peter Whalen:キーワードはカードを覚えるのを簡単にしてくれるなどのメリットもあります。一方でキーワードは新規参入の障壁になるというデメリットもあります。キーワードを全部覚えないと遊べないと感じさせたり、またキーワードを使った会話は新規プレイヤーには難しく聞こえます。
Q: 自宅からBlizzConlineを行うことにどんな課題がありますか?注意すべきことはありますか?
A: スタッフは私に 9×9の背景用の幕をくれました。私の部屋にかろうじて入るサイズです。仕事部屋に入るたびに、それに寄り添うようにしなければなりません。それ以外は愛犬と妻と一緒に家にいることができるので幸せです。
Q: 新しいゲームモードを取り入れて、チュートリアルを作り直そうと考えたことはありますか?
A: はい、考えています。今の所予定はありませんが、考えるべきことはたくさんあります。
データを通じて、チュートリアルの後に一般的なプレイはバトルグラウンドを遊ぶことが分かりました。今のチュートリアルは構築戦向けのもので、バトルグラウンドプレイヤーに作られていません。
私達は、新規プレイヤーの目的がバトルグラウンドであるならば、それを邪魔すべきではありません。アカウントのセットアップから、チュートリアルを変更する方法もあります。
Q: 好きなアニメはなんですか?
A: 鋼の錬金術師、HUNTERXHUNTER、ナルトです。
Q: 好きなゲームはなんですか?
A: 今はリーグ・オブ・レジェンドです。6ヶ月ほど遊んでいます。LoL以外だとWoW、Stardew Valley、原神です。
Q: ドラゴンが環境に復活する予定はありますか?もっとドラゴンが見たいです。
A: 少し前にやったばかりですが、ドラゴンは戻ってくるでしょうし、恐竜も戻ってくるでしょう。皆が大好きなテーマです。
Q: 影なる姿がコアセットに戻って来るということは、今後はシャドウプリースト(影プリースト)のサポートカードに期待できるのでしょうか?
A: はい
Q: 2021年に、ローグに新しいスキンが追加される可能性はありますか?。
A: あるでしょうね 🙂
Q: スキンなどの装飾アイテムを使って、収益化をしなかった理由はありますか?スキン、コイン、カード背面デザイン、代替アートなど、様々なアイテムを販売することもできると思います。いわゆるガチャ商法などで効果が実証されているのに、なぜこうしないのか不思議に思っています。
A: 装飾アイテムを作るプロセスを確立できいないので、多くの仕事をこなさなければなりまんせんが、最近は、今まで以上に多くの装飾アイテムを販売しています。また、効果が実証されている、というのは正確ではないと思います。
ガチャについては(少なくとも私がプレイしたほとんどのガチャでは)、ほとんどが強さに基づく商法です。原神はその最近の例ですね。そのゲームが世界で最も人気のあるゲームでない限り、装飾アイテムがライブゲームの維持に役立つほど十分に売れる、ということはほぼありません。
例外はありますが、そのゲームが装飾アイテムに適しているだけです。三人称視点の3Dゲーム(TPS)は、プレイヤーがカスタマイズに沢山の時間を費やしたキャラクターを見ることになるので、装飾アイテムの販売に最適です。FPSや戦略的なゲームでは、カスタマイズに説得力を持たせるのが難しいです。
Q: 好きな獣はなんですか?
A: ミーシャです。
元となるDean Ayala氏のツイート
Ask me a question about Hearthstone and I will try my best to answer. More likely I can answer your question if it relates to game design in some way, but can give other questions a shot.
5:30PM – 6:30PST pic.twitter.com/VBlt63Z7dZ— August Dean Ayala (@IksarHS) February 18, 2021