開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(2月4日)

開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。

このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。

<< 開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(1月14日)>>
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<< 開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(1月28日)>>

Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS


Q: レジェンド上位帯のMMR(内部レート)が、変ではありませんか?1月末に、1500~2000位フィニッシュしてから、3日目で30位になったプレイヤーがいます。

A: それは不可能なことではありません。1500位フィニッシュを達成したプレイヤーが、3日目に50位以内に入るのは、通常のゲーム回数の範囲内に収まっています。


Q: ダークムーン・フェアの実績の経験値がなくなるのは何故でしょうか?

A: 理由を説明する前に、私達は目標としている報酬の総量があります。私達がどこかで報酬を減らした分は、他のどこかで、報酬が増えます。

私達は、新しい拡張が来たときに、効率的にレベルアップするために古い実績を達成しなければならない、というゲームデザインが好きではありません。そこで私達が出した結論は、実績マニアでない限り、現在の拡張セットの実績だけを求めれば済むようにすることでした。


Q: (開発チームメンバーから)もっと優しくしてくれない?

A: 作業にもどれ!まだ5:25だ!


Q: この質問企画をはじめようとしたきっかけは、何ですか?これまでの成果に満足していますか?

A: 自分の立場が違えば、もっと早くから行っていたと思います。今は仕事の幅が広がり、以前よりも様々な質問に回答しやすくなりました。

ただ、毎週というのはやりすぎかもしれません。毎週同様の情報がたくさん流れてくると、まとめをチェックする気が失せてしまいます。理想は、誰が見ても価値のある情報を提供できることです。

Twitterは私にとって便利ですが、誰にとっても便利というわけではありません。また、質問を選ぶのも難しいです。もっと良いプラットフォームがあるかもしれませんが、今はこれで十分です。ただ、今後は隔週にするかもしれません。


Q: ハースストーンのサウンドデザインは、どのように変化してきましたか?どうやって新しいエフェクトを作っていますか?

A: 私はこれに関して正しく答えられませんが、私が言えるのは、素晴らしいサウンドチームに恵まれている、ということです。何年にも渡り、チームの中で最も優れている人達が揃っています。その大きな要因は、Andy Brockという男の存在です。チームの中で私よりも長く働いている唯一の人物で、彼はハースストーンに8年間携わっています。


Q: 今後の基本セット、クラシックセットの再編について、何か情報はありますか?ここでリークしてくれてもいいですよ。

A: いくつかの新しいカード、いくつかの古いカード、いくつかの再調整されるカードがあるでしょう。リークはそうですね、バーンズは復活させないことに決めました。


Q: コインから呪文特性を消し、他の特性を持つカードにすることは考えていますか?(魔法活性やガジェッツァンの競売人を起動しなくする)

コイン The Coin

A: 見た目もプレイも呪文のように見えますし、それが最も直感的だと思います。後攻になるということは、歴史的にかなり悪いポジションになるのです。


Q: 犬をテーマにした拡張セットはいつですか?

A: ご存知かどうかわかりませんが、実際にファンの方から「犬が大好き!」「犬の拡張が出たら素晴らしい!」というお手紙を頂いたことがあります。その手紙の最後には「多くの犬関連のカードを楽しみにしています」とあり、その後、長い間ネタになっていました。


Q: カジュアルプレイヤーと、競技プレイヤーの両方のために、どのようにゲームデザインを行っていますか?

A: 難しいことですが、多くのプレイヤーを抱えるゲームにとって、それらはとても重要です。プレイヤーが辿るべき道を強制するのではなく、プレイヤーのために選択肢を作ることに集中しなければなりません。

素晴らしい競技性のあるゲームを作れば、競技プレイヤーが参加してくれるでしょうが、競技性に重きを据えて、すべての人にそれを強制すると、競技性に興味を持たないプレイヤーが離れてしまいます。

ハースストーンのシングルプレイヤーコンテンツや、バトルグラウンド用のクエストは、その一つの例です。特定のコンテンツが好きではないプレイヤーに「報酬があるからやったほうが良いよ」というのは、一線を越えてしまうことになります。


Q: 元競技プレイヤーがチームに入るのは、どのような効果がありますか?

A: 私達が採用するのは、プレイヤーではなくデザイナーです。彼らの経歴を見ると独特の視点を持っていることがわかりますが、元競技プレイヤーが採用されたのは、全員が高いゲームデザインの素質を持っていたからです。


Q: 弱体化を求めるプレイヤーの意見が、全て正しいとは思っていません。今までで、一番大きな誤解はなんでしたか?

最高サイコメロン | Juicy Psychmelon

A: 最高サイコメロン滑空は、カード公開時にパワーレベルを警戒する声が多かったカードですが、実装後には弱~中程度のパワーだと分かった例だと思います。翡翠ドルイドも、実際には中程度のパワーレベルだったにも関わらず、無限のリソースだと多くの反発を受けました。


Q: 新しい報酬システムに不満の声が沢山集まりましたが、多くのプレイヤーは、新しい報酬システムが優れていることに気づいていると思います。それについてどう思いますか?

A: このシステムに対する最初の不満の声の大きさには驚きました。ハースストーンを遊びつくしたと感じているプレイヤーには、報酬システムが特に重要なのだと学びました。

新しいシステムを詳しく理解していない方には、新しいシステムの方が優れていると一目で分からなければ、ポジティブに捉えてはくれないでしょう。

プレイヤーがどのような報酬の受け取り方を学ぶため、後にイベントや他の方法で配る報酬を取っておいたのですが、それがどのような結果をもたらすかを失念していたように思います。意思決定の多くを任されている私に、ほとんどの責任があります。今回のケースでは、開発者とプレイヤーにとって双方が得する報酬システムだったので、炎上してしまったのは残念です。

今回の炎上は、実際に問題があったのか、コミュニケーションの問題だったのかは分かりません。経験値による報酬システムが100%正しいものだったと言える自信もありません。システムをより複雑にしますし、疑問も残ります。

でも、今は良い報酬システムになっていると思います。次の拡張では、更に改善されるでしょう。私達がどんな変更を加えても、誤解を招く余地はほとんどなく、ポジテイブなものになるでしょう。

詳細を知らないプレイヤーを責めているように聞こえるかもしれませんが、そうではなく、うまく伝えられなかった私達の責任だと思っています。プレイヤーは中身を理解するためにエクセルのシートを見る必要はなく、直観的に分かりやすい仕組みになっているべきです。


Q: フレンドリストには何人のフレンドがいますか?

A: 誰かを追加するときは、誰かを削除しなければならない程度にはいます。200人より1~2人少ないくらいです。


Q: デザイナーに転職するのはどんな感じでしたか?何か新しいスキルを身に着けなければなりませんでしたか?

A: 10年前に採用されたデザイナーのほとんどは、スキルに応じて適宜採用されていたと思います。最近は皆、デザイナーのスキルを学ぶため、学校に通っています。私はWorld of Warcraftのゲームデザイナーに応募していたのですが、Mike Donaisがプレイテストのパートナーを必要としていたとき、たまたまハースストーンの南北アメリカサーバーで、ランキング1位だったのです。


Q: カーミットのGIFには特別な理由がありますか?(Ayala氏がツイッターでよく使っている、カエルのGIF)

カーミット

A: カーミットには親近感が持てます。彼の周りでおかしなことをしようとしている人たちを、まとめようとしています。


Q: 0マナ1/1の海賊はいつ登場しますか?

A: 時間の問題です…


Q: 英雄の書で出てくるジェイナやシルヴァナスのポートレートは素晴らしいと思います。それらや、他のソロアドベンチャーのポートレートが、ヒーロスキンになる可能性はありますか?

A: 私達はヒーロースキンにもできるポートレートを作るために、UIなどの費用について話し合ってきました。

購入可能なスキンになるかは、今のところ未定ですが、プレイヤーに気に入ってもらえるでしょうし、プレイヤーが自分のお金やゴールドを使う方法を見出すことにも賛成です。 もし、プレイヤーがゴールドを溜め込んでいるとしたら、購入するのが難しいか、購入する価値があるものがない、ということになります。

ですので、ゴールドを使いたいものが増えれば、それはそれで良いことだと思います。


Q: 以前公開していた、各クラスの強さ/弱さのアイデンティティーについて、どう考えていますか?私は、既にそれらが失われていると思います。

A: クラスの強さと弱さを常に固定しておくのは、難しいことです。あるクラスでは、カードが制限されていると感じるかもしれませんが、制限を取り払ってしまうと、全てのクラスが一緒になってしまいます。

ハンターとローグは、ある意味では最高の特徴を持っていますが、最も制限されているクラスでもあります。


Q: あなたが考える完璧なメタとはなんですか?すべてのクラスが勝率49~51%のことですか?それとも何かしらの順番で優位性がある方が良いですか?

A: 時間の経過とともに、自然と変化するメタよりも、広い幅のデッキがある方が良いと考えています。

理想としては、明確に強力なデッキタイプがあり、それに対する構築が生まれ、新しいデッキが環境を支配するにつれ、次第に人気が落ちることです。

多くのプレイヤーは、強いデッキを知り、それをプレイしたいと思っています。どんなデッキも戦える環境になってしまうと、どのデッキで遊ぶかの決断ができなくなります。特に魔素やゴールドといった貴重な資産をやりくりして、プレイしなければならないとしたら、尚更です。


Q: こんなバナナ!や、おおヨグよ!などのプレイヤーを混乱させるカードに対する、コミュニティの反応はどうですか?

こんなバナナ! | Shenanigansおおヨグよ! | Oh My Yogg

A: 私はプレイヤーを混乱させるカードが好きですが、それが最も強力、というのは好きではありません。混乱させるカードを受け入れてもらうには、マイナーである必要があります。

混乱させることが好きなプレイヤーには選択肢があり、それが嫌いなプレイヤーには定期的に対面することがない、という状態が目標です。 混乱させるカードが好きな人達は、その手のカードを愛しています。それが、このゲームをプレイする彼らの理由です。私もそういうプレイヤーなので、理解しています。


Q: 今回の拡張セットのリリースタイミングが、1ヶ月前倒しになったのは、たまたまだったのでしょうか?それとも、ハースストーンのスケジュール計画を変更したのでしょうか?

A: 在宅ワークの問題もあり、それについては、まだ考え中です。

3月のリリースに十分な用意ができていれば、3月にリリースすると思いますが、品質が低下し、チームへの影響があれば、リリースは4月以降になります。


Q: コインスキンはいいですね。コイン以外にも、他のカードにスキンを実装する予定はありますか?

A: チームでそのことについて検討しました。

恐らく、限定した範囲でスキンの実装を行うと思います。沢山スキンを作りすぎると、ビジュアルが異なるスキンを、ただ延々と眺めることになり、またそれは皆が嫌がるでしょう。

実装するスキンが特別で、ユニークなものであれば、沢山実装することもできるでしょう。ただ、それをやろうとすると、スキンの実装がずぅぅぅぅぅぅっと、遅くなります。


Q: Ender’s Gameは読み終えましたか?

A: 今200ページくらいです。とても楽しいのですが、忙しくて進みません。


Q: ランク戦の進捗システムには、どのくらい満足していますか?これを、見直したことはありますか?

A: データを見る限り、以前よりもプレイヤーの動向が、かなり改善されています。WoWのアリーナシステムをモデルにしており、私たちはかなり満足しています。プレイヤーが時間をかけてランクを上げている様子がうかがえ、とても気に入っています。


Q: デザインチームに採用したいと思うハースストーンのキャラクターは誰ですか?

A: エリーズは責任感がありそうで、ドクター・ブームは開発(主に爆弾)に興味があり、クリエイティブな仕事をしてくれるでしょう。ボブも、一緒に仕事をするには心強いですね。


Q: 新しいメカニズムが、拡張セットを超えて継続したり、拡張セット内で完結したりするのは、どうやって決めていますか?

A: スタンダードは、既にキーワードの数が限界に近くなっていると思います。あまりにも数が多いと、キーワードである意味がなくなります。

長期にわたって使われるキーワードは、デザインの余地が大きく、複雑でない必要があります。

発見は、比較的高い複雑さを持っているにも関わらず、ゲームに多くの深みを加えています。生命奪取はデザインの余地はありませんが、デーモンハンターやウォーロックのようなクラスの特徴を際立たせるのに、役に立っています。


Q: 2人 vs 2人のような、マルチプレイヤーモードの計画はありますか?

A: これまでに少なくとも、3回は検討を行いました。障害となっているのは、ほとんどがUI(ユーザーインターフェイス)と、ゲームフローに関する疑問です。同時に行動する、同時ターンのようなものも考えましたが、これだ、というアイディアには繋がりませんでした。何か考えられる余地はあると思います。


Q: カードをデザインするとき、どの程度ワイルドへの影響を考えますか?例えば、秘策メイジをスタンダードに用意しようとしたとき、ワイルドのことは考えましたか?ついでに、1年でどの程度ワイルド環境がどの程度変化するかについても、聞けると嬉しいです。

A: 開発チームは、基本的なワイルドの環境を知っているため、1枚のカードがどんな影響を与えるかについて、何度も議論することはありません。ワイルドのために何枚ものカードを変更することはありませんが、カードデザインに影響を与えることはあります。

1年以内にワイルドで大きな環境の変化が訪れる可能性は、非常に高いでしょう。過去2~3年のワイルドの変化の推移を見ると、10~12ヶ月間ずっと変化が無い、ということはほとんどありません。


Q: 英雄の書でみたような、ヒーローそのものをレジェンドカードにする予定はありますか?

A: ヒーローカードは実装していますが、ミニオンとして実装するのはどうでしょうか。ミニオンとしてカードを実装するなら、特別な理由がほしいですね。


Q: 新しい拡張セットの開発を始める時、最初にどれくらいキーワードやメカニズムを考えますか?

A: 難しい質問ですが、およそ5~30個くらいでしょうか。開発チームは、沢山のメカニズムやコンセプトを考えますが、実際に実装されてプレイテストされるのは、5~6個だけです。

ほとんどの場合、私達は最初のアイデアから少しづつ調整を加えていきますが、最初に実現しようとしたコンセプトは維持したまま開発を進めます。


Q: 私はヒーローカードが大好きなのですが、ヒーローカードの復活は考えていますか?

ズルジン | Zuljin

A: もちろんです。ヒーローカードは素晴らしいカードですが、スタンダード環境に沢山のヒーローカードが存在するのは、望んでいません。彼らには一旦休んでもらい、復活させるタイミングを探りたいと思います。


Q: 長期間ハンターのカードの質が悪いのは、クラシックセットが優秀すぎるからでしょうか?ハンターは、ワイルドでは活躍できていません。

A: ハンターのゲームプランはかなりシンプルなもので、ワイルド環境に合わせ、多数のカードから様々なアーキタイプが生まれるようにはできていません。


Q: 開発チームは、来年のカードセットで、どの程度ランダム生成カードを抑えようとしていますか?デッキ外リソースで戦うのは、楽しくありません。

A: 基本的に、今後は1枚のカードから多くのリソースが得られることはありません。コントロール同士のマッチアップでは、お互いに大きな爆弾を抱えた状態で戦うようなものが理想です。1枚の無限リソースカードと29枚の除去カードでの対戦は、とてもつまらないでしょう。


Q: ヒーローカードを今年の拡張セットで作らなかったのは、意図したものですか?ヒーローカードを作らなかったのは、何故ですか?

A: 一旦休息期間としていますが、ヒーローカードはまた作成します。私たちにとってヒーローカードは重要な存在なので、メタの一角を担ってもらいたいと考えています。とはいえ、あまり強すぎることは無いよう、調整するつもりです。


Q: ウォーロックのヒーローパワーが、新しくなる可能性はありますか?

A: 詳しく覚えていませんが、ワンナイト・イン・カラザンの頃か、もっと前にその可能性は無くなったと思います。当時は、ウォーロックが有利になってしまうため、低コストで中程度の強さを持つ中立カードが作りづらい、という懸念がありました。

Q: レジェンド・オブ・ルーンテラのレベルアップのようなアニメーションを作ろうと思ったことはありますか?

A: 私はあのスタイルが大好きですが、欠点もあります。ハースストーンのアニメーションは、既に長い方ですし、レジェンド・オブ・ルーンテラでも、アニメーションは特定のカードに限られています。

私たちは、将来のゲーム体験に視覚効果を追加しようと考えており、表面上の視覚効果のためだけに、大掛かりなアニメーションを用意しようとは考えていません。中途半端なものを導入して、本当に必要なものが導入できなくなってしまうという、最悪の状況に陥らないよう気を付けています。



元となるDean Ayala氏のツイート