【灰に舞う降魔の狩人】事前カード評価結果発表! スタンダード編
目次
概要
採点方法
評価結果
Alutemu / 蒼汁 / あれっくす / Ombre / おやつ / glory / Masaru / posesi / Tansoku / Tredsred
概要
6年の歴史をもつハースストーンに、満を持して登場した新クラス「デーモンハンター」が追加された”灰に舞う降魔の狩人”。今拡張セットが解禁される直前、10名の有名プレイヤーに注目すべき10枚のカードを選んでもらい、それぞれ評価をしてもらいました。
今回は、それらのカードが事前評価通りの結果となったか、プレイヤー毎に検証し採点を行います。
なお、採点結果を見る前に、各プレイヤーの事前評価とそのコメントを見ておくと、採点結果がより楽しめます。
採点方法
得点はHSReplayのデータを活用し、カード採用率を元に算出しています。採用率が高く、様々なデッキで使われたり、特定クラスのデッキで中心的な役割をしたカードは満点の10点としています。
クラスカードであれば採用率が30%を超えるもの、中立カードであれば採用率が20%を超えるカードが10点満点となります。(中立カードは全クラスを対象とした採用率で計算しているため、20%としています)
総合得点の計算方法は少々複雑になっています。気になる方は下記の矢印をクリックしてください。
Alutemu
マスターズツアー・アジア太平洋で準優勝を記録し、日本が誇るグランドマスターの強さを世界に見せつけたAlutemuさんの総合得点は、100点満点中71点。
脳天直撃ガールをピックアップした唯一のプレイヤーで、その他にもアルドラキ・ウォーブレードやグレイハート族の賢者、沼ビームなどの注目度がそれほど高くなかったカードを挙げており、強豪プレイヤーならではの鑑識眼が光った。
なお、盤面にミニオンを残さない新しいスペルブレイカーだ、との声も聞かれ、本人が「令和のジリアックス」と評したマイエヴ・シャドウソングがは今一つ活躍しなかった。また盲目の監視者も、大会では定番化したもののランク戦では使われず。
ビーストマスター・レオロックスについてはクエストハンターの一部ファンデッキとして使われたが、ネタデッキの域を出ず0点評価となった。グランドマスターが声を大にして10点満点と言い放ったレジェンドカードが0点となった事実には、審議の余地が大いにある。
蒼汁
星になった男。日本ハースストーン界トップ実況者の評価は常人には理解し難く、点数計算が困難な事から総合得点は☆とせざるを得なかった。
水鏡のトーテム像や極低温、大物気取りのオークを挙げていたのが大きな特徴。残念ながら大物気取りのオークはそれほど使われなかったが、極低温はカジノメイジやスペルメイジの活躍もあり、環境後半で採用率を大きく伸ばした。
水鏡のトーテム像は十分なポテンシャルを持っていたため、シャーマンに新しい可能性をもたらした。残念ながら環境デッキとまではいかなかったが、このカードがあったお陰で、シャーマンが遊べるレベルのヒーローになれたといっても過言ではない。
Blizzardよりカード公開を任された頂点捕食者ジクソールは、ハイランダーハンターの活躍により採用率が劇的に伸び、10点満点を記録。
なお、水鏡のトーテム像を10点としたときの総合得点は69点。コイルファングの将軍や大物気取りのオークが期待を大きく裏切った。
あれっくす
大会で勝利する度に界隈で物議をかもす謎デッキビルダーのカード鑑識眼は高く、100点満点中83点を記録。
魔力喚起と再起の2枚は他の評価者と被らず、あれっくすさんが唯一挙げて高得点を獲得したカード。分かりやすく強いことが書かれているが、事前評価を行ったドラゴン大決戦の環境からは、実際に使われるかどうかの想像が難しく、高く評価した点は見事と言える。
全体的には、沼ビームやスパイミストレスなどを含め、一般的には評価の別れたカードで得点を稼いでいる印象がある。
一方、コイルファングの将軍の予想が外れ、錆鉄器の略奪者も「こいつジリアックスでーす!!!」(事前評価:あれっくすの項参照)とはならず、総合得点を下げた。
Ombre
HSReplayや海外の大会などの、ありとあらゆる情報収集を行うOmbreさんの総合得点は、100点満点中83点。
グルダンの髑髏、悪魔変身、ケイン・サンフューリー、アルドラキ・ウォーブレードなど、バランス調整されたOPカードを多数挙げていたのが特徴。頂点捕食者ジクソールや過剰繁殖といった、ランク戦でも大会でも嫌ほど目にしたカードが目立ち、「奇をてらう」ことはせず「王道を狙う」という性格が垣間見える。
バランス調整が入ったカードなどの大当たりカードは多いものの、モクナサルのライオンが予想を外れたほか、他のプレイヤー同様にマイエヴ・シャドウソングも予想と大きく乖離する結果となった。
おやつ
三大欲求の中にハースストーンが入っているのではないかと疑われるほど、ハースストーンをこよなく愛すおやつさんの総合得点は、100点満点中78点。
他のプレイヤーも挙げているカードが多く、良い意味で分かりやすいカードを評価していると言える。詠唱者の循環はやや攻めたピックアップとなったが、結果的には、度重なるバランス調整によりスペルメイジ等のファンデッキが活躍したことで、10点満点評価となった。スパイミストレスも今では当たり前のように使われているカードだが、このカードを選んだのはおやつさんとあれっくすさんの2人だけ。
群れの戦術は、今参加者10名の中で唯一取り上げていたカード。10点満点中3点の評価だが、実際の効果は強力で、活躍したカードであることは間違いない。デッキ構成や相性の研究が進むにつれ、ハンターの秘策そのものが使われなくなり、残念ながら姿を消してしまった。このカードへの注目は、点数とは別に評価したい。
glory
2020年のグランドマスターズ・シーズン1で大活躍し、世界大会への進出権を獲得、名実ともに日本一のハースストーンプレイヤーとなったgloryさんが獲得した点数は、100点満点中78点。
汚い手とセセックのヴェールウィーヴァーを唯一上げ、それぞれ10点満点を獲得。どちらも非常に強く、スタンダードのローテーションまで活躍するであろう2枚を挙げたのは流石というところ。その他にも刃拳のカーガスが7点、詠唱者の循環が10点、クズ拾いの工夫が10点等、比較的個性的な評価で点数を大きく稼いだ。
残念だったのは、同じくグランドマスターのAlutemuさんがピックアップした盲目の監視者や、カンレザード・エボンロック、他のプレイヤード同様に見誤ってしまったマイエヴ・シャドウソングの存在。盲目の監視者はグランドマスターズでは定番カードとして扱われていたため、ある意味では正解だったかもしれない。カンレザード・エボンロックは強くもなく、弱くもなくという微妙な位置に落ち着いた。
Masaru
「強いカードを10枚教えて下さい」と言ったにもかかわらず、何故か5点評価のカードをいくつか持ってきたMasaruさんの得点は、100点満点中58点。
予想を大きく外すカードが多かったものの、圧倒的に強く現在も第一線で使われているアンバーウィングをチョイスし10点満点を獲得。早くにバランス調整のメスが入った憤怒のプリーステスの選択も光った。
惜しむらくは、ロケット改造屋とテロン・ゴアフィーンドを選んだところ。改造屋は確かに活躍したが、急襲を付与するロケットではなく、聖なる盾を付与するガーディアンのほう。また、テロン・ゴアフィーンドも、圧倒的Tier1デッキとなった卵型のテンポウォリアー(エッグウォリアー)で活躍したが、それ以外の活躍の場が無かった。
なお、大胞師ムッシフンは大会でもランク戦でもまず見かけないのだが、何故かそこそこの採用率があり、5点を獲得。Masaruさんの独特なカードチョイスと相まって異彩を放っている。
posesi
2020年からグランドマスターズ入りを果たしたposesiさんの得点は、100点満点中83点。他のグランドマスター2人が70点台となる中、唯一80点台を記録した。
高得点を獲得したカードの中には、今では誰もがその強さを認める天文術師ソラリアンが入っている。転生後の効果にランダム性が含まれるためか、他のプレイヤーは挙げなかったカード。ふたを開けてみれば、ハイランダー含む様々なデッキで採用されるただ強いカードの1枚だった。
片や「元のミニオンも強いし、転生先もローグなら引いてこれそう。」という謎のコメントで評したアカマは、ガラクロンドローグの新しいカード候補とはなれず。確かにローグなら引けるのだが、デーモンハンターやテンポウォリアーの前に、6/6/5隠れ身ミニオンが付いてこられる余地はなかった。
Tansoku
ハースストーン界人気No.1のYoutuberは、100点満点中76点を獲得。前回の「ドラゴン大決戦カード評価」での大健闘とは打って変わり、スコアを大きく落とした。
バランス調整を受けたカードの選択枚数は、1位タイの4枚。影宝石商ハナーを挙げたのはTansokuさんのみ。悪党同盟の悪漢が3マナでありながら1/5というステータスでバランス調整されたことを考えれば、至極妥当な結果とも言える。
残念だった点は、テロン・ゴアフィーンドの評価。間違いなく今後も使われるであろうカードであり、テンポウォリアーで目下大活躍中だが、それ以上の活躍がなく低評価となってしまった。改造ヤマアラシがほぼ使われず0点なのも、総合得点を下げる結果に。
Tredsred
今回の事前評価から参加したTredsredさんは、100点満点中93点を獲得し、見事総合得点1位の座に輝いた。
採用率10点満点のカードを9枚選んだほか、バランス調整を受けたカードも最も多い4枚となった。特に注目したいのが、マイエヴ・シャドウソングとグレイハート族の賢者を除く8枚のデッキ採用率。これら8枚のカードは採用率が全て80%を超えており、紛うことなきデッキの主軸となるキーカードになった。非常に高い採用率(採用率)を誇るカードをこれだけ当てられたのは、高い賞賛に値する。
また、既に当たり前のようにプリーストに採用されている魂の鏡を挙げたのは、Tredsredさんだけ。
Tredsredさんが唯一評価を外したカードは、マイエヴ・シャドウソング。このカードは他のプレイヤーも期待を裏切られており、灰に舞う降魔の狩人の拡張セットで最も過大評価されたカードとなった。