開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(3月18日)

開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。

このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。

<< Dean Ayala氏のQ&A(1月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月21日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月28日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月11日)>>

Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS


Q: ワイルドの奇数ウォリアーbotに、対策はありますか?

A: 私達はbotを監視し、BANしています。しかし、botは非常に賢く、検出されないようにする方法を考え出し、そのサイクルが続いています。

全体的に見ると、1試合あたりの時間や1ターンあたりの時間は、実際にはそれほど大きな変化はありません。データを見る限りでは、いくつかのそうではない事例があるといっても、あまり変わっていないようです。

いずれにしても、私達は常に注意を払っています。


Q: 実現しなかった拡張セットの設定・アイデアはありましたか?

A: はい。酒場の親父が誘拐され、10人のヒーローが協力して彼の失踪を調査し、邪悪な犯人を見つけ出し、酒場の親父を連れ戻すものです。


Q: 凍結シャーマンのアイデアはどこから来たのでしょうか?なぜ、あれほどに多くのカードがあったのでしょうか?そして復活する予定はありますか?

ムウラビ | Moorabi冷凍睡眠 | Cryostasis

A: ゲーム性が十分でないと判断したものの、アーキタイプを再設計するには遅すぎました。最終的に弱体させたところあまりに使いにくいカードになってしまいましたが、弱体化させたのは意図的なものです。

当初(カードのパワーレベルが高いときには)プレイするのはかなり楽しかったのですが、対戦相手には嫌な思いをさせるカードでした。たしか、ムウラビは4/4/4で、冷凍睡眠は1コストだったと思います。


Q: レジェンドミニオンを特定のヒーロー相手に召喚したときの、隠し要素(特別なやりとり)を追加する予定はありますか?

A: はい、本当はもっとやりたいのです。私達は機能を提供することに追われていて、楽しい要素の追加を忘れがちになります。プレイヤーが予想していなかった楽しい瞬間を、もっと演出したいと思っています。


Q: (酒場の喧嘩の)喧嘩ブロックのように、カスタム設定で拡張セットを遊べるようになる可能性はありますか?

A: 所持するカードを別の方法で使うアイデアは好きですが、その可能性は低いです。ワイルド、スタンダード、クラシックに加えて別のモードを作るとしたら、もっと親しみやすくしたいと思います。


Q: 新カードの公開期間がいつからか1週間程度になりました。以前のように2週間ではなく、1週間になったのには理由がありますか?

A: おそらくChrisがよい回答をするでしょう。拡張セットの公開時期と先行販売シーズンの最適な時期は必ずしも一致しません。どちらか一方だけにすることはできないので、結果的に時期がずれることになります。

Chris:私達は公開期間を短くすることで、全体的なエンゲージメントと広告効果が高くなることを発見しました。


Q: 開発チームがとても強いと思っていたけれど、弱かったり目立なかったカードはありましたか?

魔蝕の病霜マルフュリオン | Malfurion the Pestilentドクター・モリガン | Dr_morrigan

A: チームには色んな人がいるので、全員が思っていたものを選ぶのは難しいのですが、私の考えを述べます。

魔蝕の病霜マルフュリオンを7コストにしたら絶対に弱体化が必要になるからやめよう、と思ったことを覚えています。結果的には強力なカードになっていましたが、問題はあるほどではありませんでした。

ドクター・モリガンは、当時のウォーロックのパワーレベルと、ドクター・モリガンを中心にしたいくつかのコンボのために強いと思って用意したのですが、全然使われませんでした。


Q: 中立に動物変身のようなカードを考えていますか?対象を選択できるティンクマスター・オーバースパークのようなものです。

ティンクマスター・オーバースパーク | Tinkmaster Overspark

A: このようなカードはよほどの理由がない限り、積極的に作らないようにしています。動物変身や呪術は、それを持つクラスを特別にします。すべてのクラスが変身させられるようにするのではなく、一部のクラスでもっと沢山変身させられるようにしたいと思っています。


Q: ハースストーンでお気に入りのメカは何ですか?

フェル・リーヴァー | Fel Reaverジリアックス | Zilliax

A: フェルリーバーかジリアックスです。


Q: クラシックフォーマットで最初に遊びたいデッキは何ですか?

A: フリーズメイジです。


Q: 「荒ぶる大地の強者たち」やコアセットは、よりテンポやミッドレンジ中心のゲームプレイに戻し、「コイン+イエティ」が強かった頃のようなスタイルにする意図なのでしょうか?

A: コアセットは、ゲームのコアなメカニズムをプレイヤーに教えることを目的にしているので、拡張セットに比べてクレイジーなものはあまりありません。

拡張セットには、より奇抜なものもあります。とはいえ、私たちはカード生成カードを減らしたいと思っています。そのため、これまでよりデッキに採用されているカードによって勝利が決まります。

クラシックフォーマットに比べれば、まだまだ多くのカード生成カードがありますが、ここ1、2年はかなりその数を減らしています。


Q: 新しいデーモンハンターのカードのように効果を追跡するのが困難なカードについて、どのような効果が残っているか、新しいユーザーインターフェースがどうなるのか教えて下さい。

炎の秘印 | Sigil of Flame

A: 私達はこのようなカードはできるだけ少なくしています。これは私達が最も気にかけているものの一つです。基本的に、ハースストーンの盤面は一目で理解できるようにしたいと考えています。炎の秘印のようなカードは、その妨げになりますし、沢山のトリガー効果もその妨げになります。

デザインの最終段階では、このようなカードを作りすぎていないかどうかを確認しており、ゲームプレイ空間の全てのピースをすぐに理解できないようなカードはほとんど除いています。

私達は常に新しいことに挑戦していますが、明らかにネガティブなカードは正しく特定できたと思います。プレイヤーがその効果を追跡しなければならないようなカードは、それだけの価値がなければなりません。価値がある、というのは色々な意味があります。

例えば、私達が楽しいと思うアーキタイプを可能にするもので、そのデザインを除いてしまったら、そのアーキタイプが崩壊してしまうもの。あるいは、リリースに向けたセットにピッタリのカードである、などです。


Q: 酒場パス実装直後に怒った騒動について、プレイヤーに対してのアナウンスがあれほど時間がかかったのは何故でしょうか?(海外、特にredditで炎上していた)

A: 本当に大問題になった時、チーム全体を代表して発言できる人がいないことが挙げられます。酒場パスのケースでは、どうすべきかについて全員が一致していませんでした。

この件に関しては、「信頼してください、取り組んでいます」と時間をかけて手を尽くしましたが(実際に取り組んでいました)、それが裏目に出たようです。プレイヤーからの信頼を失ったと感じており、私達は本当の詳細やメッセージを伝えたかったのです。

報酬システムは多くのチーム(デザイン、ビジネス)に影響を与えるため、何をすべきか正確に一致させる必要がありましたし、その調整には時間がかかります。調整ができたとしても第二、第三の意見がありました。

振り返ってみると違うやり方があったと思うことはたくさんありますが、最終的にはプレイヤーが満足できるシステムになったと思います。これは時間をかけて改善されていき、もうすぐ別の改善も公表されます。


Q: 古いゲームボードに、まだ発見されていない秘密のギミックはありますか?

A: 秘密のギミックはもっと出てくるでしょう。私が言ってしまったらそれは秘密ではなくなります。


Q: 以前、リプレイ機能の実装は非常に手間がかかると言っていましたね。サードパーティが提供しているツールと比較して、クライアントでの実装が難しい理由をおしえてください。

A: これはTwitterで説明できることではありませんし、私の得意分野でもありません。細かい仕事がたくさんあるのです。リプレイを機能させる前に、リプレイがどこに存在するか、どこまで遡るか、時間経過をシミュレートするか、それともただリプレイを再生するだけか、全体のユーザーインターフェースをどうするか、などです。

そして、あなたがサードパーティの運営の人にどうやって実現しているか聞いてみれば、それが簡単なものではないことを知るでしょう。


Q: 勝利数の多いクラスと、勝利数が多い理由を教えてください。

Dean Ayala ヒーロー別勝利数
Dean Ayala氏のヒーロー別勝利数

A: パラディンが多いです。謎めいた挑戦者と奇数パラディンを沢山プレイしました。


Q: 拡張セットでサポートするアーキタイプはどのようにして決まりますか?

A: まず最初に、最近行ったことを確認して、既に得意なアーキタイプを繰り返さないようにし、もう少しで成功しそうだったけれどまだ成功していないアーキタイプをサポートするようにします。

そして、新しいことをするときは、その拡張セットのテーマと、そのクラスが得意とする一般的な戦略から始めます。

例えば、ドラゴンの拡張セットのときに新しい呪文タイプを導入するとしたら、ウォリアーに注目して「ドラゴンファイア・アーマー」のようなカードを作れるかどうか、そしてそれがどんな意味を持つか検討するかもしれません。つまり、ドラゴンが手札にあるときには、そのカードは炎をまとう鎧になるのです。そして、火炎の呪文を作ることができるので「火炎の呪文を唱えた時、~~する」というカードを作ります。すると火炎ウォリアーの誕生です。

15秒で考えた雑な例ですが、多くはキャラクターや設定からインスピレーションを得て、クラスの得意・不得意の範囲内に収まるようにしています。


Q: 石牙のイノシシ、ブルーギル・ウォリアーが突撃を維持することによる、クエストローグの心配はありませんか?

A: あまりありません。目的の一つは古いデッキが戦いに戻ってきて、互いにバランスを取ることです。また、本当に問題があっても、最近は対応がとても早くなっています。


Q: どんどんモードが増えることにより、一部のモードのプレイヤーが減る不安はありませんか?また、限られたスタッフの数で全てのモードの開発・バランス調整を行うことは難しくありませんか?

A: はい、最も大きなコストの一つはアップキープ・コストです。常にメンテナンスが必要なものを作れば作るほど、次以降のものの開発に使える時間が減っていきます。そうなるとチームの規模がどんどん小さくなり効率が悪くなります。

幸いなことに、ハースストーンは非常に成功したゲームであり、プレイヤーの人口についてはそれほど問題はなく、多くのプレイヤーが居ます。また、このゲームはほとんどが1vs1の対戦なので、大人数のプレイヤーから公平な対戦相手を探す必要もあまりない、というメリットがあります。バトルグラウンドは例外ですが、人気がありプレイヤーが多いため、公平な試合が可能です。


Q: 多くの熱心なプレイヤーが望む変更であっても、大多数のプレイヤーにとっては悪い変更もあります。ハースストーンをプレイしている”サイレント・マジョリティ(発言なしの多数派)”が本当に望んでいることを知ることはできるのでしょうか?

A: ゲームデータ、消費者インタビューやアンケートなど膨大なデータがあり、そして純粋なデザイナーとしての直感もあります。

例えば、60%のプレイヤーが最初の挑戦で失敗しているのに、ミッションが簡単だ、と不満が挙がることもあります。

ときには、「チケッタスウォーロックと対戦するのは嫌だ」という意見から、変更すべきかを考えます。

また、地域性もあります。東洋(中国、日本、韓国など)では、ゲームに対する重要性が、英語圏とは考え方が大きく異なる場合があります。


Q: Queen Azsharaをレジェンドにしたナーガの拡張セットの計画はありますか?

A: ネタバレはしませんが、このテーマは最近のミーティングで何度も取り上げていることは認めます。。。


Q: 運命の支配者ヨグ=サロンの車輪の各パーセンテージは調整しましたか?

ヨグ=サロンの車輪

A: いいえ。


Q: これまでの中で最強のカードはなんですか?または、TOP 5は?

兵役招集 | Muster for Battle(初期)海賊パッチーズ | Patches the Pirate

A: 最強、というのは現在と発売当時の両方の意味があるので語るのは難しいです。が、考えてみましょう。

弱体化されなかったカードとしては、兵役招集でしょう。データは正気とは思えない数値を示し、当時のカードの中ではるかに優れていました。

弱体化前のカードとしては、海賊パッチーズが最強のカードだった可能性があります。ただ、カードがどのように機能するかということだけで、本当の数字を教えてくれる信頼性の高いデータはまだありません。

私達は通常「調整済みドローウィンレート(Adjusted draw-win rate)」と呼ばれる統計値でカードをランク付けします。これは基本的にゲームでプレイされたカードの枚数、プレイされたデッキの勝率、カードが引かれたときに勝率をどれだけ変化させるかを考慮した数値を意味します。海賊パッチーズは明らかに引きたくないカードですが、他のカードと直接比較できるような指標はありませんでした。かなり失敗しましたが、正直後悔はしていません。

もし私がTOP 5を選ぶのなら…

1:回廊漁り蟲、2:墓掘り人、3:海賊パッチーズ、4:拡がりゆく虫害、5:リロイ・ジェンキンス

他の候補としては…

イカリゲン・グレイメイン月を食らうものバク飢えたハゲタカリロイ・ジェンキンス含み笑う発明家

イカリはデータ上では非常に高い数値を示しましたが、数値が示すほど話題にはなりませんでした。


元となるDean Ayala氏のツイート