ペンギンさん選手:ロビーレジェンド優勝インタビュー(2022年12月)

ペンギンさん選手 優勝インタビュー 見出し

2022年12月3日~12月4日にかけて行われた「ロビーレジェンド:冬至祭」を優勝したペンギンさん選手にインタビューを行いました。優勝した感想、優勝できた理由、バトルグラウンドの魅力などについて伺いました。

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ロビーレジェンド・冬至祭 優勝

ペンギンさん選手優勝の瞬間
ロビーレジェンド冬至祭:優勝決定の瞬間

ー優勝おめでとうございます!優勝した感想をお聞かせ下さい!

ペンギンさん: 優勝した実感はないというか、周りも全員トッププレイヤーでしたし「運に恵まれたな」という感じがします。

今回は目立ったミスも少なく、いつも通りの平常心でプレイできたのが大きかったなと思っています。バトグラは制限時間があって1秒1秒の選択が重要なので、平常心を保つことができたのが良かったです。

ーご自身の振り返り配信の中では、途中で140/140のブリストルバックの騎士を捨ててしまったこともあったようでしたが…?

ペンギンさん: そんなこともありましたね笑。実はあのミスには本番中は気づいていなかったんです。あの時ミスに気が付いていたら、平常心を保てなくなっていたかもしれません。ホガーを使った構成は時間との戦いなので、ミスに動揺していたら回しきれません。

ー今回倍増された優勝賞金の20,000ドル(約260万円)は何に使う予定ですか?

ペンギンさん: 特にこれといった使い途は考えていないんですが、まずは、これまで支えてくれた家族を美味しい食事にでも誘いたいと思います。

インタビューに応じてくれたペンギンさん選手
笑顔でインタビューに応じてくれるペンギンさん選手

ー今大会Day1、Day2共にかなりの良い戦績を残されていました。この環境で高いスコアを出すポイントはなんだと考えていますか?

ペンギンさん: メリハリが大事だと思っています。強い構成や強いクエストを引けたときはガンガン行きますし、逆に弱いクエストや酒場だったときは、最初から3~4位狙いを考えます。

Day2のゲーム2でケルサス+細部に宿る悪魔を選択したときは、どちらも弱い選択肢だったので、6ゴールド目(クエスト選択のターン)から上位は諦めて、序盤は対戦相手にダメージを与えること、終盤は耐えることを考えていました。

それが結果的に2.5位につながりました。今の環境はヒーローというよりクエストの強弱がかなりありますので、6ゴールド目がとても大事です。

Lobby Legend:冬至祭 Day2 結果
Day2では6ゲーム中4ゲームで3位以内入賞、Day1も1位 + 3位 + 6位と好成績

ーペンギンさんは、バトルグラウンドを初期からプレイされていると思いますが、いつからその「メリハリ」を意識していましたか?

ペンギンさん: バトグラをプレイしていて最初の大きな壁だったのがランキングの50位くらいのときでした。その頃はまだバトグラの初期環境で、鍵となるコバルトの守護者の取り合いだったのですが、それが取れなかったときにどうやってプレイするか、という頃から考え出したと思います。プレイの振り返りを見て、鍵となるミニオンが取れなかった場合のプレイを詰めていくことでレートも上がっていきました。

今のバトグラのレートで言うと、10000以上から更にその上のトッププレイヤーを狙うならメリハリというか状況判断が重要だと思います。「1位を取るのが得意だ」とか「耐えるプレイが得意だ」とか、そういうプレイスタイルで考えるのではなく、毎ゲーム毎に柔軟に考えるのが大事だと思っています。

ープレイの振り返りとおっしゃられましたが、どうされているのですか?

ペンギンさん: 最初はスマホでプレイしていたので録画していたこともありました。あとは一試合一試合集中したプレイをして、途中で引っかかったりしたところを試合後まで記憶しておくのが重要だと思っています。

1試合1試合に集中するのが成長の一番の近道と語るペンギン
一試合一試合集中してプレイする成長の一番の近道と語るペンギンさん

ースマホで録画するというのは構築を含めても初めて聞きました。かなり高い意識でバトルグラウンドをプレイされているようですが、過去に別のゲームで競技的なプレイをされていたのでしょうか?

ペンギンさん: 一番やりこんだのは、Wiiのマリオカートです。当時はタイムアタックで世界記録を出すくらいのスキルを持っていました。ゲームに対する熱量みたいなものは、ここで身につけたと思います。

一試合一試合集中してプレイするというのが、成長するための一番の近道だと思います。バトグラも知識や経験ですごい差が付きますから、記憶に刻んでいくのが重要です。練習でも「毎日最低~時間練習する」とかは考えていなくて、やりたい時に集中してやっています。惰性でプレイしても上達は難しいと思います。

ー今回でロビーレジェンド本戦には4回目の出場でした。本戦に複数回出場することで学んだこと・得たことはありますか?

ペンギンさん: やっぱりランク戦とは全然違いますよね。初めて出場したときに感じました。プレイを考える時も、ランク戦とロビーレジェンドでは分けて考えています。

ロビーレジェンドでは、全体の構成の成長速度がかなり早いんです。ランク戦だと最上位プレイヤーは8人中1人か2人なので、じっくり育てて1位を狙うプレイが出来るのですが、ロビーレジェンドでは難しくなります。少しでも遅れそうだったら中間順位を狙えるようにプレイしています。

ーロビーレジェンドに向けた特別な練習方法はありますか?

ペンギンさん: 僕はあまり大会には出ないんですが、ランク戦をプレイするときもロビーレジェンドを想定してプレイしています。特にクエスト環境になって、ランク戦で勝てるプレイとロビーレジェンドで勝つためのプレイは全く違うと考えていますね。

ーペンギンさんにお聞きするのは野暮な質問かもしれませんが、クエスト環境は難しいと思われますか?どんな環境と感じられていますか。

ペンギンさん: 難しいですね笑。基本的には達成条件をみてクエストを選んでいくんですが、クエスト達成が難しいけど効果が強いクエストを選ぶこともあり、今でもとても悩みます。

結構自信がある環境なんですが、それでも「間違えたな」と反省するところはありますので、まだまだ練度を高めることができると思います。それだけ奥が深い環境だと思っていて、僕は好きですね。

ただ1つ嫌な点があって、クエスト選択の比重が大きすぎると思っています。大体バトグラは一試合30分くらいかかりますが、クエストが全部弱い選択肢だったりしたときに、その状態で30分プレイし続けるのは…この点は嫌ですね。

ーヒーロー選択もある意味クエストのような運要素だと思うのですが、嫌に感じる違いは何でしょう?

ヒーローの選択も似ていますが、ヒーロー格差よりもクエストの格差の方が大きいかなと思っています。クエストのおかげで弱いヒーローも戦えるようになりましたしね。

ただ、装甲無しヒーローで、ヒーローパワーもクエスト進行にあまり影響しないヒーローはかなり厳しいですね。コックのクッキーやゲイルウィングは比較的人気のあるヒーローだと思いますが、僕はあまり取らないですね。

ークエストといえば、優勝を決めた最終戦ではクエスト報酬「メダリオン」を選択されていました。「刻み刈り獲らん」もマーロック構成と相性が良さそうでしたが、どんなことを考えていましたか?

ペンギンさん: 「メダリオン」は15体召喚で達成、「刻み刈り獲らん」は4ターン攻撃力の低い順に並べて達成でした。やはり、達成が難しすぎるというのが「刻み刈り獲らん」を選ばなかった要因です。最低でも4ターンかかりますからね。しかも攻撃力の低い状態で戦う必要があるので、自分のライフが守れないだろうと考えていました。

「メダリオン」の条件も結構厳しかったですが、このクエスト報酬はフラァグルと相性が良いんです。例えば、辛抱強い斥候の売り買いで盤面をバフしつつ、ヒーローパワーを発動させてマーロックを獲得できたりします。達成条件だけでなく、多分「刻み刈り獲らん」と大差ないバフの量を得られたんじゃないかと思います。

加えて「刻み刈り獲らん」は、ブラン・ブロンズビアードがいないとあまり強くないんですよね。もちろんフラァグルと相性の良いクエスト報酬なんですが、実際には「メダリオン」でも期待できる効果はほとんど変わらないと思います。

最終戦:メダリオンを選択
最終戦のクエスト選択:ミニオン15体召喚のメダリオンを選択

ー最終戦は同じくチェックをかけているSara選手がゴールデンノミを使ったエレメンタル構成、Vigo選手はゴールデンバロンを使ったカエル構成をしており、誰が勝つかわからないゲームでした。どのタイミングで優勝を確信しましたか?

ペンギンさん: 最後の最後まで確信していなかったです。正直なところ、1位を取れるとは思っていなかったんです。今の環境には大暴走リロイやマンティッド女王がいて、大型のマーロックと1:1以上の交換をしてきます。フラァグルはマーロックは集められても、献身の英雄を集めることは難しいので、2位くらいかな、と思っていました。

配信台には映っていませんでしたが、中盤までにウレメンタルや辛抱強い斥候を使った「メダリオン」のバフが活かせたのが良かったですね。ただ、対戦相手の中には、「自動巻き上げ機」で大暴走リロイに蘇りをつけていたり、「シオターのパラソル」でバロン・リーヴェンデアに隠れ身をつけたカエル構成がいて、この2人が残っていたら1位は厳しかった。でも、他のプレイヤーが倒してくれました笑

ゴールデンノミを持っていたのSara選手も脅威だったのですが、ギリギリ僕のマーロックがサイズが上回っている状態で当たれたのも良かったですね。色んな意味で噛み合っていました。今回はたまたま僕に運が傾いたのかなと思います。

ー非常に個人的な質問なのですが、そういえば手袋をしてプレイしていましたよね?何か理由があるのでしょうか?あまりプライベートなことならお答えいただかなくて結構ですが、よかったら教えて下さい。

ペンギンさん: 実は僕は緊張したりすると、手汗がすごく出る体質なんです。マウスの操作くらいならほとんど問題ないんですが、万が一手元が滑ってしまってミスすることがないよう、念のため手袋をしてプレイしています。僕の手袋は気になってる方も結構いるみたいなので、記事に掲載してもらって大丈夫です笑

ー好きなヒーローや好きなクエストがあれば教えて下さい。

ペンギンさん: 好き嫌いをしない、というのをモットーにしてプレイしています。好き嫌いではなく、その都度最適なヒーローやクエストを選択しています。

ただ、思い入れがあるヒーローであればマイエヴですね。最初期は酒場の枠を1つ埋めてしまうヒーローパワーでしたが、途中からリニューアルされました。それでも周りはあまり高い評価をしていなかったようですが、うまく使いこなせてかなり勝たせてもらったので。

バディ環境は各ヒーローのやることが決まっていましたが、クエスト環境は各ヒーローでアドリブ力が求められるようになっています。そういう意味でトグワグルもやれることが多く、クエストとも噛み合いますから結構気に入っています。

強いと思っているクエストは「帳簿の改竄」です。軽い条件の「帳簿の改竄」が引ければ、ミニオンの売り買いで勝てるので、引けたら嬉しいなとは思います。

ペンギンさん選手とハースストーン

バトルグラウンドはいつ頃からプレイしていますか?始めたきっかけは何でしょうか?

ペンギンさん: 実は最初期からはプレイしていなくて、リリース後3ヶ月くらいして始めました。なんとなくはじめて、やっていたらレートがどんどんあがったので楽しくて続けていきましたね。レートで自分の上達度が可視化されているのが嬉しかったんです。

自分は幸運なことに、レートが上がっていく途中で躓くことがあまりなかったんですが、一試合一試合の結果で考えるのではなく、長い目で見てレートを上げていくという点が好きですね。

バトグラは運要素が強いゲームだと思いますが、それは気に入っています。1ゲーム単位での運負け・運勝ちというのは違うかなって思っていて、長い目で見た時に勝っているかが重要だと思うんです。確かに1ゲーム単位でみると運要素は大きいのですが、実力があれば試行回数を重ねることで差が出るはずですから。

僕は麻雀もやっていたのですが、似ているところがあると思います。麻雀は4人で対戦するゲームなので、4戦中3回は負けてしまう。勝てる時にしっかりトップを取る、勝てないときはできるだけ負けを小さくするというのが大事なんです。

ーバトルグラウンドの魅力はなんだと思いますか?

ペンギンさん: 誰でも勝てるというところです。運要素が強いゲームなので、ちょっと知識をつければ最上位のプレイヤーにも勝てる、というのが魅力だと思います。そういう点で成功体験を味わえるところが良いですね。

ー失礼ですが、強い側のペンギンさんが「運が良ければ強い人にも勝てる」というのは面白いですね笑

実力一辺倒のゲームよりも、運が絡むゲームのほうが好きなんです笑

運が絡むけど、長期的に見ると成長が実感できる点がバトグラの魅力だと思います。適度に勝てて、適度に負ける、バトグラはそういうバランスがとれていると思います。僕はバトグラが多少実力重視に傾いても、運重視に傾いても、傾きすぎなければ楽しめると思っています。

新要素が追加されている限り、どんなプレイヤーも楽しめるんじゃないでしょうか。

ー「一試合一試合大事にする」「運要素が楽しい」等々、ためになる楽しいお話を有難う御座いました。最後に、応援してくれた方、応援してくれている方へメッセージがあればお願いします!

ペンギンさん: 配信観てくださったり、応援してくださったりしてくれている方のおかげで競技的にプレイするモチベーションを維持できています。そういう方々のおかげで今の自分があると思いますので、引き続き応援して頂けると嬉しいです。本当に感謝しています!