開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(4月17日)

開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。

このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。

<< Dean Ayala氏のQ&A(1月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月21日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月28日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月3日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月10日)>>

Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS


Q: ハースストーンにおける”パワーナイン”(※)は、どのカードだと思いますか?

回廊漁り蟲/Corridor Creeper

A: 難しいですね。パワーナインレベルのぶっ壊れカードは全てナーフしますし、ナーフされていないものは私達が適切だと判断したカードです。私は当時のMTGをプレイしていませんでしたが、タイムウォーク(追加ターンを得る呪文)が2マナとはどういうことだったのでしょうか!?

ナーフ前のカードで考えると、このあたりでしょうか。

練気リロイ・ジェンキンスウォーソングの武将飢えたハゲタカ海賊パッチーズ回廊漁り蟲墓掘り人月を食らうものバク

※パワーナイン:MTGの初期にあった、非常に強力な9枚のカードの総称


Q: メガバンドル特典のヒーロースキンを決める基準はありますか?

A: プレイヤーが興味を持ちそうなキャラクターで、かつその拡張版のテーマに合ったものを作りたいと思っています。


Q: 番所のナーフは勝率に基づいたものでしょうか?それとも感情に基づいたものでしょうか?「攻撃できない」類のミニオンとして、ほとんど価値を感じなくなってしまいました。

遠方の番所 変更モアシャンの番所 変更

A: ほとんどが感情に基づくものです。ナーフの影響が大きいことはわかっていましたが、タール・クリーパーヘドロ・ゲッパーのように定期的に採用されるカードにはしたくありませんでした。縁の下の力持ちであったり、適切なデッキに採用されるのは嬉しいですが、一般的なデッキに採用されるのは好ましくありません。


Q: ドクター・ブームの計略については様々な憶測があります。元々装甲を得るデザインだったのでしょうか、それとも他の意図があったのか、または爆弾に関連したものだったのでしょうか。

ドクター・ブームの計略 | Dr.Booms Scheme

A: 正直、昔のことなので記憶が定かではありません。ドクター・ブームの計略は、元々はシャーマンのハガサの計略(全てのミニオンに1ダメージ。毎ターンアップグレード)と同じ効果だったと思います。ただ、最終デザインの段階でウォリアーの範囲除去とデッキ切れ(ファティーグ狙い)戦術に懸念が出ました。一方、シャーマンは範囲除去に苦労していたので、この全体除去の計略をシャーマンに渡し、ウォリアーのカードを再設計しました。

確か2マナと3マナでテストを行っていましたが、コントロールデッキの中では縁の下の力持ちになるけれど、それ以外ではただの失速するカードになるように、最終的には意図的にカードを弱くしました。もっと時間があればデザインを変え続けたと思いますが、コンボデッキのために、コンボ達成までの時間稼になるカードでも良いと思いました。

振り返ってみると、4マナは重すぎました。3マナあるいは2マナにバフすることも出来ましたが大量の装甲を獲得して時間稼ぎができる世界では、実際には何ができたでしょうか?

このように、最終段階でデザイン変更をすることはメリットとデメリットがありますが、それはそれで価値があると思います。”無限”に何かを得るというアイデアが気に入っていたのも、このようなカードが存在していた理由の一つです。

トグワグルの計略は違いますが、他のほとんどの計略には上限がありました。ハガサの計略であれば過剰なダメージになりますし、ラファームの計略は最大7体のインプしか召喚できません。上限のないものがあると、それが極端な値になったとき、素晴らしいゲーム体験を作ることが出来ます。

私達はこのコンセプトに惚れ込んでいたと思いますが、ゲームプレイ上の面では(=コストが重すぎる点)あまりにもマイナスだったので、実際に機能するデザインではありませんでした。


Q: カード裏面デザインやヒーロースキンに関するデータが気になります。どれが人気なのか把握していますか?

A: 私達はクールさとビジネス上の理由から装飾アイテムについてもデータを追っています。プレイヤーが購入する装飾アイテムは、将来にも同じようなものが出てくる可能性が高いからです。例えば三国志ヒーロースキンは、信じられないほどよく売れました。


Q: ハースストーンよりも前のゲームで、好きなゲームはなんですか?

A: World of Warcraft、エバークエスト、Halo、ポケットモンスター赤/緑、スーパーマリオ64、ストリートファイター2、鉄拳、Gears of Warです。


Q: もしBlizzardがハースストーンのアニメを作るとしたら主人公は誰ですか?

A: 良い質問ですね。

おそらく新しいキャラクターになるでしょう。都会の孤児で、酒場の親父が宿屋の床掃除の仕事を与えます。カードを集めるお金はありませんが、酒場の客がプレイするのを熱心に見て、ゲームを学びます。やがて孤児の才能に目をつけた裕福な支援者が現れます。孤児は宿屋の客を全員を倒し、ストームウィンドやオーグリマーの大都会にいるハースストーンプレイヤーにも対抗できるプレイヤーとして期待されます。

裕福な支援者の援助を受けながら、ハースストーンに挑む小さな町の子供の物語です。ハースストーンはアゼロスの中で人気を博し、子供は有名になり、アゼロスのチャンピオンシップを何度も制覇することになります。


Q: カード裏面やコインを選べるように、ゲームボードを選べるようになる予定はありますか?

A: 実は昨日、この件についてブレーンストーミングをしていましたが、幾つかの課題があります。選んだボードを相手に見せられるのが理想ですが、そのためにはボードを分割する必要があるかもしれません。

ただ、ハースストーンのボードは一方の角度からしか使えないようになっています。ボードを反転させても、綺麗に表示されません。つまり、自分にしか見えないカスタムボードを作ったり、共通の盤面に全く異なるスタイルのボードを2つ置くという、技術的にもアート的にも難しい挑戦が待っています。

どうするかは決まっていませんが、バトルグラウンドでのみ、このアイデアを実装するかもしれません。まだ、議論の余地はありますが、良いアイデアだと思っています。


Q: バトルグラウンドから他のオートバトラーに移植したいメカニズムはなんでしょう?また、他のオートバトラーからバトルグラウンドに移植したいメカニズムやユニットはありますか。

A: バトルグラウンドは他のオートバトラーに比べて、理解しやすいのが特徴です。「Xユニットのアビリティ/ダメージとYユニットのアビリティ/ダメージ」よりも、「5/5と1/1」の方が簡単に理解できます。

他のオートバトラーを初めてプレイすると、バトルグラウンドよりも迷うことが多くなります。そのため、もっととっつきやすければいいのにな、と思います。

一方、他のオートバトラーでは、他のプレイヤーとパーティをしているような感覚を味わえます。バトルグラウンドは8人で遊ぶゲームですが、8人でプレイしている感覚はあまり得られません。


Q: 新しいパッチはとても気に入っています。スペルメイジが少し落ち着いた今、メタには満足していますか?

A: まだ評価段階です。パラディンは依然として非常に強力で、フェイスハンターはメタに左右されます。パラディンが強いのが悪いわけではありませんが、他のクラスとの差を注視しています。まだ他に良い選択肢があるかなどを確認しています。


Q: 闘技場、デュエル、バトルグラウンドに、特別なカードバックや、コイン、スキン、ダイヤモンドカードなどの報酬を追加する予定はありますか?

A: はい、あります。私達は装飾品の開発ラインを大幅に増強しており、かなり前から取り組んでいます。質問にある内容の報酬も考えていますが、まだお話できることはありません。


Q: 今後のバランス調整でバフは期待できますか?

A: 来週それについて話し合う予定です。ナーフ後の環境を観察し、その結果メタがどうなるか見て、それに応じてカードを変更したいと考えています。具体的な日にちはまだ決まっていませんが、1ヶ月以内にやりたいと考えています。


Q: ハースストーンに登場すべきと感じながらも、まだ機会がないWoWのキャラクターは誰ですか?

Chen

A: 7年で大体のことはやりました。パンダリアはやりたいですね。Taran Zhu、Chen Stormstout、Liliなどのキャラクターを登場させたいです。いつかモンクをやりたくなったらどうしようと思ってずっと我慢していましたが、随分時間が経っているので、先にパンダリアを登場させてしまうかもしれません。今の所、具体的な予定はありませんが。


Q: ハースストーンをコンソール機で発売する話はあったのでしょうか?

A: 話し合ったことはありましたが、真剣に考えたことはありませんでした。プレイステーション、マイクロソフト、任天堂の各プラットフォームでパッチ毎にアップデートするには膨大な作業が必要です。また、コントローラーのゲーム性にあわせて、全く新しい入力方法を用意しなければなりません。


Q: 好きな競技プレイヤーは誰ですか?

A: Surrender選手が好きです。非常に才能のあるプレイヤーです。


Q: ナーフは軽い感じで頻繁に行うのが良いと思うのですが、今回のパラディンに関しては特に軽いように感じました。パラディンの勝率を他のヒーローと並べるためには、もう少し踏み込んだ調整が必要だと思いますがどうでしょう?

A: 様子を見ます。月曜日に話し合いますが、変更を加える前に時間を与えたかったのです。もしパラディンの勝率が54%以上で、苦手なマッチアップが少ないなら、再度調整を考えるでしょう。その結果、パラディンが最高のクラスになるのであれば、それはそれで構いませんが、他の全ての候補が消えるようにはしたくありません。


Q: 何故ミニセットを導入しようと思ったのですか?

A:とても単純な理由です。4か月の拡張サイクルが長すぎたので、2か月のサイクルを作りたいと思っていました。カードの強化やワイルドカードの復活を試したところ、そこそこうまくいったので、今度はミニセットを試してみました。これがとても好評だったので、定番化させたのです。


Q: 週末だけ、酒場パスの経験値を2倍にしてみようと思いませんか?

A: 当初はそのようなイベントを色々考えていましたが、すべて中止し、報酬レーンに直接組み込むことにしました。報酬レーンからイベント分の報酬を抜き、「これからそんなイベントがいっぱいあるから期待してね」とアナウンスしても、それが伝わらなかったからです。(※)

※報酬レーン実装当初、イベント等で経験値が貰えるとアナウンスしていたものの、報酬レーン上の目に見える報酬が従来より少なかったため炎上した。


Q: Warld of Warcraftからは、どの程度アイディアを輸入していますか?トートランはWarld of Warcraftよりも早かったようですが、Shadowlands(※) の新種族などはいつ見られるのでしょうか。

A: 新拡張にはいくつかShadowlandsから得たアイディアを取り入れています。トートランはハースストーンの開発チームが生み出し、その後Warld of Warcraftに登場しました。新しいWarld of Warcraftのコンテンツだけでなく、古いものからもアイディアを取り入れています。

※Warld of Warcraftの最新拡張


Q: ランク戦にランクだけでなく、MMR(内部レート)も表示してもらえませんか。1試合ごとにMMRの変動が見られれば便利ですし、レジェンド2位と1位の差が分からないのは馬鹿げています。

A: MMRの表示は検討したことがありますし、今後実装する可能性も否定しません。

ただ、それによって多くのプレイヤーが喜ぶとは思えません。特に、MMRでは具体的な数字が表示されますが、直観的ではありません。例えば、バトルグラウンドではMMRが表示されていますが、多くのプレイヤーは勝利したときよりも多くのポイントを敗北で失うと、マッチメイキングの問題やバグなどを疑いだします。

また、MMRはシーズンごとに正規化されており、その数値を追うとさらに混乱することになるでしょう。MMRが2.0で100位になるシーズンもありますが、MMRが3.1で10000位になるシーズンもありえるため、大きな混乱を招くことになります。


Q: お気に入りのヒーロースキンは何ですか?

ン=ゾス

A: ン=ゾスです。ただ、本当に好きなスキンは現在MrJackArtが作成しており、コンセプト段階にあります。公開できる日をとても楽しみにしています。


Q: フィールド呪文など、継続的に効果を発揮する呪文を検討したことはありますか?

A: 何度も検討しました。それらには新しい体験があるでしょうが、ビジュアルやUI、相手の干渉方法も考えなければなりません。今までいくつもの失敗例がありますが、いつかそのようなメカニズムにたどり着けると思います。


Q: ゴールデンアップグレードボタンについて進捗はありますか?今年か来年くらいには実装されますか?

A: 作業中です。リリース日はまだ決まっていません。


Q: 奇数、偶数カードの選択肢が広がることで、ゲン・グレイメイン月を食らうものバクが強くなることをどう感じていますか?

ゲン・グレイメイン | Genn Greymane月を食らうものバク | Baku the Mooneater

A: 確かにバクとゲンは強くなっていますが、それはワイルドの全てのデッキに言えることです。実際に時間の経過とともにワイルド環境は悪化すると予想しており、最後にはひどいコンボデッキだけが生き残るでしょう。


元となるDean Ayala氏のツイート