開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(1月28日)

開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。

1月14日、21日にも開催された突発イベントでしたが、今回も多くのユーザーから質問が集まりました。翻訳(一部、意訳)して紹介します。1月14日分は以下の記事を御覧ください。

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Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS


Q: ダークムーン・レースのハンターのカードはどれもかなり弱く感じます。今年のハンターにはハイランダーとフェイスしかありませんでした。(※1月21日にあった質問の続き)

A: ハンターについて、調べてみました。まず、強力なデッキタイプがあるクラスは、それ以外のデッキタイプを殺してしまいます。

ハイランダーハンターは、ハースストーン史上最高のデッキの1つと言えるデッキで、(およそ)5つの拡張セットに渡ってTier1デッキとして活躍してきました。そのため他のデッキタイプを生み出すのは、難しいのです。

フェイスハンターとクエストハンターが活躍したこともありましたが、ハイランダーハンターほどの活躍をみせたわけではありません。断末魔ハンターに関しては、強さを感じるデッキを作り損ねたと言えるでしょう。

ハンターとローグは、ライフの回復がない(または非常に限定的)なクラスであり、長所と短所が被る部分があります。他のクラスとの差別化にもなりますが、デッキタイプをコントロールするのが難しいという欠点もあります。

ウォリアーやドルイドのようなクラスは本当に幅広く、トークン/アグロからランプ/コントロールまであります。ハンターやローグは、そのような幅広さを持たず、デッキが似たように感じられてしまいます。

今後、断末魔デッキを作ることはできるでしょう。また、ハイランダーカードがローテーションによりスタンダードから消えれば、楽しく、強力な汎用カードを作るのも簡単になるでしょう。特定のデッキ向けのカードではない強力なカードを今作るのは、困難なのです。


Q: 近い内に別の新クラスをゲームに追加する予定はありますか?

A: 純粋なプレイヤー指標の観点で言えば、デーモンハンターは成功したように思えます。予め言っておきますが、様々な視点があるので”思えます”と言っています。実際に成功したかどうかは、プレイヤーがそのクラスを好きになれたか、それに対して高いマーケティング効果があったか、など、見方によって異なる視点があため、一概には言えません。

しかし全体的に見れば、開発チームは新クラスが良い結果をもたらしたと考えており、恐らく再び追加すると思います。ただ、毎年やりたいとは思っていません。新しいクラスをデスナイトにするかモンクにするか、あるいは何か新しいものにするかについても、議論しています。

作業は1年ほど前倒しで行っていますし、現在開発中の新しいクラスはないので、すぐに皆が期待するようなニュースはありません。新しいクラスを追加するための環境は整えたので、次はもう少し楽に追加できると思います。


Q: botユーザーについてはどう考えていますか?中国コミュニティでは、特にパッチ19.2の報酬レーンアップデート以降、botユーザーへの不満が高まっています。

A: 定期的にbotをBANしていますが、botを作っている人たちは賢く、botをBANすると、それに適応した新しいbotが作られます。

最近、XPを増やすためにローピング(時間制限いっぱいまでプレイ)したり、botを作るプレイヤーの問題を調査しましたが、報酬レーンがリリースされる前と後ではあまり違いがないことがわかりました。ターンにかかる時間は、全てのゲームモードにおいて、これまでとほぼ変わっていません。


Q: 酒場の喧嘩には、今後どんな計画がありますか?今年の酒場の喧嘩は、ほとんどが過去にやったことのあるものでした。

A: 酒場の喧嘩の担当チームは、デュエルや英雄の書、そしてまだあまり話題になっていない全く新しいゲームモードも担当しています。彼らがただ忙しかっただけです。それらのリリースが近づいたら、新しい酒場の喧嘩が出てくるでしょうが、それまでは期待できません。


Q: 過去の拡張セット向けに、実績を追加する予定はありますか?

A: どうでしょう。過去の一人用モードの実績を追加したいと思っていますが、これは最初のリリースに間に合わなかっただけです。ゴブリンVSノームのような拡張セットに、ゲーム性のある実績を追加しても、楽しいものになるかどうかが分かりませんでした。

現在のゲームプレイ実績の一部は、新しいカードを新しい方法で遊ぶ方法を模索するものです。古いカードでも同じことができますが、最近のカードパワーを考えると、ワイルドでゴブリンVSノームやグランド・トーナメントの実績をクリアするのは苦痛となるかもしれません。

そうなると、実績マニアが実績ポイントを得るためだけに遊ぶようになってしまう(私もその1人です)ので、ちょっと難しいかもしれません。


Q: そろそろ、バトルグラウンドのカドガーは削除されますか?

カドガー | Khadgar

A: かもしれません。まだいくつかの解決策を探しているところで、数週間の内に詳細がわかるでしょう。


Q: 実績をカジュアルモードや酒場の喧嘩で達成できるようになりませんか?

A: これについては何度も議論しましたが、最終的には実績マニアを傷つけることになると思います。

戦えるデッキを作る、という考え方が完全になくなってしまうと、勝とうとしていないプレイヤーや離席プレイヤーに当たるまで、何度でも降参することができます。もしフレンド戦で達成できるようになれば、パスを繰り返して実績を達成して、すぐにゲームを辞めてしまうでしょう。

そのどちらも楽しいとは思えません。ランク戦で実績を集めなければならないという欠点は、これら2つの欠点よりは、小さなことだと思いました。


Q: ハースストーンの開発チームは、モードの増加に対応して、拡大しているのでしょうか?また、これだけのプレイ方法があるとプレイヤー人口が分断されてしまうという懸念はありませんか?

A: プレイヤー人口が分断されることに関しては気にしていません。普通はマッチメイキングの時間などが気になるのですが、ハースストーンは十分に多くのプレイヤーを抱えたゲームなので、あまり気になりません。

ただ、コミュニティの話題が分断されないよう、それぞれのモードが注目されてほしい思っていいるので、拡張セットとバトルグラウンドの大型アップデートを、同時にリリースしないようにしています。

ライブサービスのゲームを作っていると、何をやっても結局プレイヤーは疲れてしまい、別のことをしたくなる瞬間が来ます。その時に、別のゲームに移るのではなく、別のゲームモードに移ってほしいと思っています。


Q: デッキスロットを増やして下さい。ワイルドとスタンダード両方をプレイしているプレイヤーには少なすぎます。

A: 真面目に考えるべき疑問があります。デッキスロットはいくつあれば十分でしょうか?そして、この機能を望むユーザーの何%いるかわかったとして、何%いれば追加するのに十分でしょうか?

回答という意味では、いくつかの関連する情報を共有したいと思っていますが、まだ準備ができていません。今後の公式が行うコミュニケーションの中で、この話題にもう少し焦点を当てたいと思います。


Q: 他のカードゲームの特徴的なメカニズムを追加しようとしたことはありますか?

A: 他のゲームからインスピレーションを得ないことは不可能です。私達はほとんど皆、他のゲームやカードゲームをプレイして生きてきました。


Q: リリース前に修正してよかった、と思うカードは何ですか?

ツーデンランス | Livewire Lance

A: デザインで言えば、デスナイトカードです。これはかなり終盤まで、自分をデスナイトに変身させる腐敗カードを自分のデッキに混ぜるというカードになっていました。

詳細は覚えていませんが、どのクラスも同じようなデスナイトになる、つまらないカードでした。最終デザインの段階でヒーローカードを作ったのですが、全く新しいタイプのカードを一から作るには遅すぎました。賛否両論はありましたが、最終的には良いメカニズムの一つになりました。

バランスに関して最近でいえば、バランスデザインの最終日までツーデン・ランスが2コストだったことです。それが非常に強いカードだということは分かっていましたが、それでも出したいと思ってました。しかし、最後の最後に3コストにしました。結局3コストで良い結果となりましたし、もし2コストのままだったら大変なことになっていたでしょう。


Q: 今の拡張セットのシーズンが終了した場合、経験値を得られる実績はどうなりますか?

A: 現在の拡張セットのシーズンが終了すると、それらの実績から経験値は得られなくなります。そして、新しい拡張セットで経験値を得られる実績が、新しく登場します。


Q: 今までの仕事で最も興奮したのはどんなときでしたか?

A: DreamQuestGameをプレイして、Peter Whalenをチームに引き込んだことです。私の最大の功績です。


Q: マック&チーズ(アメリカの家庭料理)はフォークで食べますか?スプーンですか?

A: マック&チーズは好きじゃないので食べません。


Q:テストや調整をしても、うまくいかなかったメカニズムや、機能はありましたか?

A: これはほとんどのメカニズムにあてはまることで、通常、テストをした3~10個の内、1~2個がテストをクリアします。

最近の例で言えば、チャンピオンというコンセプトがありました。それらは、攻撃力、体力、能力を持っている戦場にいる司令塔で、ミニヒーローのようなものです。チャンピオンは毎ターン能力を使いますが、ヒーローのように直接攻撃はせず、フレイムストライクなどの影響を受けませんでした。

チャンピオンには大いに期待し、興奮していましたが、能力面やビジュアル面で、リリースに耐える十分な自信がありませんでした。今後、改めて検討するかもしれません。


Q: 昔のカードを再録する可能性はありますか?

ウェブスピナー | Webspinner

A: 再録については何度も話し合っています。再録は良いことだと思いますし、いつかやるかもしれません。大魔境ウンゴロのときに、ウェブスピナーを再録するつもりだったのですが、開発段階の50~75%のところでその予定を変更しました。

いつも、ほんの少しの調整で、同じようなことができる気がして、新しいカードを作ってしまいます。ただ、いつかは、そうならない時が来るでしょうし、その際は再録もあるでしょう。


Q: 再録することで、カードのアイデアをとっておく、という考えはありますか?

A: 「カードのアイデアが尽きる」というのは、ハースストーンの将来を心配しようリストには含まれていません。やればやるほど、新しいものや違うものをデザインするスペースがあることに気づきます。

再録にはいくつかのメリットがありますが、私達がまだ行っていない新しいルールや技術的な要件を見つけ出す可能性を奪ってしまいます。


Q: 開発チームが意図していたもので、プレイヤーが見つけなかった、強力なデッキタイプはありますか?

A: 正直なところ、今はそのようなことは起こりません。よくあるケースとして、強いデッキだと分かっていてもつまらないデッキがあって、そのすぐ隣に楽しげなデッキがある、というケースです。そのようなことが起きると、そのつまらないデッキは、とても強かったとしても、長い間使用率が低くなります。

ハイランダーハンターと偶数パラディンはこのカテゴリに入っていましたし、奇数ローグは、ワイルドでこのカテゴリに当てはまります。プレイテスト中にプレイヤーが見つけなかった何かを発見することは、もうほとんどありません。


Q: 「カードパック引換券」を、今後提供する可能性はありますか?いくつかのカードセットの中から、プレイヤーが得られるカードパックを選ぶシステムは、良いと思います。

A: 多くのプレイヤーから同意を得られないシステムについての回答は、難しいです。

私たちが価値のあるものと考えているのは、「ゴールド」です。ゴールドは、「カードパック引換券」として最も優れた選択性を持っています。

私が酒場の喧嘩や特別なクエストで、特定のパックを付与しているのは、プレイヤーに余計な意思決定のプロセスを与えないためです。

ほとんどのプレイヤーは、どのカードを作成したらよいのか、どのカードパックを入手したらよいのかを考えこみ、結局資産を貯めこんでしまいます。これはゲームデザイン的に、かなり酷いものとなります。

私は、ゴールド以外の報酬を与える際に、できる限りプレイヤーの意思決定プロセスを削除したいと考えています。そうすることで、プレイヤーは、インターネットで正解を調べる手間が必要なくなり、ゲームを純粋に楽しめるようになります。


Q: ダークムーン・レースのカードで、どれが一番過小評価されていると思いますか?

A: 正直なところ、私は最新セットに関して十分な回答が出来ません。この質問には、Chakkiが素晴らしい回答をしてくれるでしょう。 彼ならば、30%の確率で正確な回答を行い、70%の確率でレベルの高いネタを提供してくれるので、どちらに転んでも”素晴らしい回答”となります。


Q: 最近、情報が出てからリリースされるまでの速度が速く感じます。これは、何を目的としているのでしょう?

A: とても良い質問ですね。私はそれらを管理するチームと深く関わっていませんが、私自身が知りたいことでもあるので、確認してみます!


Q: シャーマンのヒーローパワーは、唯一ランダム性をもっており、また、4種類召喚したあとは使えないという制限は、直観的ではありません。それらについて、変更を考えたことはありますか?

A: 私たちは、それらの特殊性を否定的に捉えていませんが、議論したことはあります。

クラシックセットの変更について議論する中で、各クラスのパワーや、何がどう強いか、弱いかを既に調べています。

これについては今後の大型アップデートで詳しく話しますが、現時点で公開できることはありません。


Q: (ダークムーン・レースのカード公開が、リリース直前に行われたことに対して)もっと早く公開していたら、コミュニティが農夫OTKを見つけられ、開発者はヒステリーを事前に変更していたでしょう。直前のカード公開により問題が発生するのは、必然だと断言できます。

A: 何か問題がある可能性があり、それを変更する必要があったとしても、時にはあえて無視してもよいと思っています。

ゲーム性の粗さの部分を全て削ってしまうと、面白味の欠けるゲームになってしまいます。この考えは、基本的にはプラスに働きます。これは、単なる盤面上の問題ではなく、この粗さによって、面白いコンボが生まれるきっかけを、皆に提供できるのです。

今回のヒステリー(農夫OTK)の件は、シャドウボクサー並みのクソ仕様だったので変更しましたが、先に述べた粗さを削らないというリスクをとって、失敗した例です。


元となるDean Ayala氏のツイート