開発者が「ドラゴン年」に関するユーザーへの疑問に回答 – Hearthstone Developer AMA

開発者が直接プレイヤーの「ドラゴン年」への疑問に回答

Dean Ayala氏(ゲームデザイナー)、Mike Donais氏(ゲームデザイナー)、Giovanni Scarpati氏(ゲームデザイナー)、Ben Thompson氏(クリエイティブ・ディレクター)の4名が「ドラゴン年」に関するユーザーへの疑問に回答する、というイベントが海外の掲示板Redditで実施されました。

そこでの質問と回答を、以下に日本語に訳して掲載します。

ソース:Hearthstone Developer AMA | Year of the Dragon


新年度についての話題

ー 拡張セット発売前に狐のマリンやヴォルカノサウルスなどを追加したことにより、拡張発売前の冷めている期間に楽しむことが出来ましたが、今後もそのような予定はありますか?

Giovanni Scarpati:間違いなくやりますよ!プレイヤーが拡張発売前に楽しんでいたことは知っています。実際に今回の拡張でもその試みを実施します!

Mike Donais:今回は拡張をリリースする1週間前にカードを配布する予定がありますので、プレリリースの週末に楽しむことができます。

 

ー 5つの区画に分けられた一人用の新コンテンツについての質問です。ゴールデンの「Zayle, Shadow Cloak」が獲得できるとのことですが、それは作成したり砕いたりすることが出来るのでしょうか?それとも一人用モードでのみ獲得することができますか?カードパックからは出るのでしょうか?

Giovanni Scarpati:ゴールデンの「Zayle, Shadow Cloak」は作成したり砕くことは出来ず、カードパックにも入っていません。ただ、ノーマルのZayleはE.T.C.(エリート・トーレン・チーフテン)のようなプロモーションカードと同様に作成することが出来ます。

Zayle, Shadow Cloak」は、ドラゴン年発表に使われた画像にあるカード

 

ー Zayleとワンダフル・ウィズバンの違いは何ですか?

Giovanni Scarpati:ほぼワンダフル・ウィズバンと同じですが、Zayle, Shadow Cloakには5つのテーマに沿ったデッキレシピが用意されます。

 

ー ドラゴン年では、伝統的に武器を持たないクラス(メイジ、ウォーロック、ドルイド、プリースト)に武器を実装する計画はありますか?コボルトのセットのレジェンド武器がこれらのクラスでどのように使われたかは開発チームは気に入りましたか?

Dean Ayala:コボルトの武器が各クラスでプレイされたのは好きでしたが、基本的に武器を持たないクラスでの武器の実装はしばらく待つつもりです。

あるクラスが他のクラスができないことを可能にするのは、特徴を生み出せるので一般的にポジティブなことだと思います。特定のテーマに沿って基本的なコンセプトを破ることがあります。コボルトでは宝物と戦利品というテーマがあったので、基本コンセプトを破る意味がありました。通常武器を持たないクラスが武器を持つことに意味がある拡張セットがあれば、再検討するかもしれません。

 

ー 新拡張の新しいキーワードを教えて下さい

Ben Thompson:ヒントをあげたいのですが、2つかそれ以上のものになるかも…

Giovanni Scarpati:誰かこの質問をしていませんでしたか?既に見た気がします。

Mike Donais:この質問には誰も答えない、ということに賭けようと思ってました。

 

ー クエストから約2年、レジェンド武器から約1年が経過しましたが、ハガサがヒーローカードとして再度登場したように、これらが戻ってくる可能性はありますか?

Mike Donais:レジェンド武器、レジェンド呪文、ヒーローカード、クエストは全てポジティブな反応があったため、いつか適切なタイミングで再度登場することもあるでしょう。

カードを再登場させるときには、ブーム博士やハガサのように時期を見極め、それがストーリーなどの背景を上手にサポート出来ているときだと思います。

あなた達が再登場させて欲しいと思う好きなキーワード、カードのサイクル、またはカードのタイプはなんですか?

 

ー よりスマートなデッキビルダーについて教えてください

Mike Donais:私達の目標は、プレイヤーがすでに所有しているカードを使って競争力のあるデッキを構築することをより簡単に行える機能を追加することです。これはプレイしたい特定のデッキの全てのカードを所有していないプレイヤーにとっては大きな助けになります。デッキに入れるべきカードを5枚も10枚知っているのならば素晴らしいことですが、彼ら(初心者)はデッキの残りがどうなっているか知ることができないため、その部分をサポートしたいと考えています。

新しいデッキビルダーが機能するためには、プレイされている全てのデッキから情報を集めることが必要です。そして我々は各カードがそのデッキでどのように働いているかを確認します。私達はあなたがどんなカードを所有していて、あなたがすでにどのカードをデッキに入れたかを見て、それら2つの基準に合う最も良い原型を見つけます。そして、あなたが持っているカードで作成可能な最も強いデッキを完成させます。

デッキが特定の原型のうちの1つに収まらない場合は、マナカーブに沿った最も強力なカードを与えます。

 

ー ドラゴン年にはマイエヴ・シャドウソングのような特別なヒーローはいますか?

Giovanni Scarpati:ドラゴン年のローテーション時にはいませんが、年度中にヒーローがいないということになれば、私はとてもショックを受けるでしょう。

 

ー (上の回答を受けて)ウォリアーに女性キャラがいたら嬉しい!

Giovanni Scarpati:わかりました!

 

ー 今年2番目の拡張セット、3番目の拡張セットで予定されている一人用モードは次に実装されるものと同じでしょうか?つまり、全部で15階層ですか?

Giovanni Scarpati:チャプター分けされていることは、私たちにとって喜ばしいことです。来る次の拡張では、より物語を伝えやすいものに変更しています。とはいえ、ある程度の型に合わせる必要はありますが、次の2つの拡張セットは準備中です。

新しい一人用モードがリリースされたらプレイして、フィードバックを送ってください!私たちはしっかり聞いています!

 

ー ドラゴン年になるとワタリガラス年の一人用モードは削除されたり、プレイできなくなったりしますか?

Giovanni Scarpati:ドラゴン年より前にプレイしていた方はそのまま維持され、変化はありません。新規アカウントの場合は、オンラインストアで無料でアンロックできるようになります。

 

ー ドラゴン年のビデオの中でコミュニケーションを向上させるとのコメントが有りましたが、今回のAMAのような交流などを定期的に(例えば月毎)することはできますか?

Ben Thompson:ビデオで述べているように、そうしたいと考えています。頻度は可能な限り適切に感じるようなタイミングで、作業中のものをより頻繁に共有します。私達はプレイヤーにもっと誠実でありたいと思っています。つまり、私達が興奮していることだけでなく、心配していることや行った間違ったことについても共有します。

ハースストーンチームがあなたと関わる機会に興奮していることを私は知っています。そしてあなたはより頻繁な記事やブログ投稿、AMAなどでより広範囲に開発者を見かけるようになるでしょう。

 

ー (上記回答を受けて)これまでのところ最高のニュースの一つです。これまではニュースや最新情報を長い間待っていましたが、最近はかなり改善されたように見えます。私達はあなた達が何に取り組んでいるのかもっと知りたいのです!

Ben Thompson:それを聞くことができて嬉しいです。コミュニティチームとゲームチームは頻度だけでなくコメント、エンゲージメントの適時性も向上させるために緊密に協力しています。

 

ー (上の質問に対して) すべてのコミュニケーションがゲームの最新ニュースの観点である必要はないと思っています。皆さんがミーム(ネット上のネタ)や日常的なものにコメントするのはクールだと思います。誰もがベン・ブロードのウンゴロラップなどを覚えてます。その改善に気づいて、是非それを続けてください。

Ben Thompson:同意です!このような相互作用は私達にとっても楽しいことです!ラップを約束することはできませんが、チーム全体から更なるフィードバックが出せることを期待しています。

 

ー 3つの拡張セットがどのように結び付けられるのかについて、もう少し詳しく教えてください。

Ben Thompson:幾つかの方法で結び付けられます。何よりもまず3つの拡張全てについてストーリーが進んでいきます。そのためキャラクターが3つ全てのセットにまたがって複数登場することを期待できます。三部作は様々なねじれや転換を表現し、あなた達はよりテーマを感じることができます。 これ加えて多くの酒場の喧嘩とゲームイベントをストーリーに結びつける計画があり、私も楽しみにしています。

 

闘技場についての話題

ー 闘技場の禁止カードに関する質問です。

新しいバケットシステムでは、これまで禁止されていたカード(無貌の召喚師など)はどうなりますか?また、クトゥーン関連のカードはどうなりますか?以前はクトゥーンデッキを組めないため混乱を防ぐために禁止されていましたが、クトゥーン関係のカードは中立でかつ闘技場で優秀なカードです。これらを闘技場のドラフトプールに含めることはできますか?

Dean Ayala:これは次の拡張で新しいフォーマットになったときの闘技場の禁止カードのリストです。

クラクシの琥珀織師、闇アラコア、カルトのソーサラー、黄昏の鎚の暗黒治療師、フードの侍祭、クトゥーンの刃、魂の案内人、古代の盾持ち、双皇帝ヴェク=ロア、クトゥーンの門弟、破滅の招き手、クトゥーン、邪悪の誘い手、クトゥーンに選ばれし者、黄昏の鎚の地霊術師、黄昏の鎚の長老、熱狂する信者、スケラムの狂信者、古代の番人、精神支配技師、魔女ハガサ、月を食らうものバク、黒猫、ゲン・グレイメイン、きらめく蛾、昏き牡鹿、ヨドミノヒバナウナギ

無貌の召喚師のようにバランスの理由で禁止されていたカードはドラフトでピック可能になります。
クトゥーン関連のカードは実際にはクトゥーンデッキをドラフトすることはできないため、闘技場とは関係ないテキストを多く含み、混乱を招きます。そのためドラフトプールから除外するのが良いと考えました。

 

ー 闘技場のドラフトは今後もバケットシステムで行われますか?もしそうなら以前のカード(ナクスラーマスなど)のカードはどのように扱われるのでしょうか。闘技場でのパフォーマンスに基づいて行われるのでしょうか。そして拡張があるタイミングで取り除かれて交換された場合、どのように比較されますか?

Dean Ayala:バケットのない以前のカードは、私達が新しいセットを扱うのと同様です。最初はデータではなく人の手によってバケットが設定され、リリース直後からはライブデータ(生のデータ)に基づいてバケットを更新する予定です。それぞれのカードはシーズンごとにバケットを維持しますが、それも各シーズンの新しいデータにも基づいて更新されていきます。

 

ー バケットシステム、特に最上位のバケットは変更されますか?ガジェッツァンと旧神のセットは異常な強さを持つカードというのはありませんでした。それに匹敵するのは変・クリーパーだと思い、ストーンヒルの守護者と同じバケット2を想像します。するとバケット1の上部を埋める中立のカードが不足するでしょう。ドルイドやシャーマンのような特定のクラスでは十分なカードが無いと思います。これらはより小さなシステムに洗練されますか?

Dean Ayala:いくつかのクラスは最上位のバケットのカードがほとんどない、という問題に直面しています。一番上のバケットのカードを増やすことは幾つかの課題があります。そのための優れた解決策はまだありませんが、将来に向けて検討しています。

 

ー バケットシステムの微調整はどのように機能しますか?カードのセットをローテーションさせると、闘技場のフェーズ毎にカードのパワーレベルは異なります。またクラスのパワーレベルは2ヶ月毎に大きく異なります。微調整は各フェーズ毎に取り消され、緊急事態(特定のクラスが異常な勝率になるなど)でのみ行われますか?それとも各フェーズごとに行われますか?

Dean Ayala:最初のシーズンでは、全てのカードの基本レートが決まります。今後は毎シーズンのレートをリセットするかは未定です。前述したように、初期のライブデータに基づいてバケットの更新と微調整を迅速に行うことを目指しています。

 

ー 各闘技場フェーズで使用できる拡張セットはいつ発表されるのでしょうか?

Dean Ayala:正確なスケジュールはありませんが、2~4週間前になると思います。将来のフォーマットがどうなるか幾つかプランはありますが、まだ確定していません。

 

ー リーダーボードは将来どのようになりますか?闘技場の各フェーズが約2ヶ月なので、毎月の発表ではなく2ヶ月間で最高で連続した30(ないし40)の挑戦の成績になる可能性はありますか?

Dean Ayala:闘技場シーズンごとに30回連続して同じルールでリーダーボードを1枚作成することを考えています。つまり、約2ヶ月に1回ということになります。

 

ー デュアルクラスなどの闘技場イベントはどのようになりますか?今年は時をかける酒場やワイルドフェストがありました。今後2ヶ月に1回闘技場のメタが変わるのであれば、それを体験する時間が減るためこれらのイベントは行われるのでしょうか。

Dean Ayala:私達はまだデュアルクラス闘技場のようなイベントを計画しています。ただ、今後はフォーマットが2ヶ月毎に変化するため、数多くの闘技場イベントを行うということはないでしょう。

 

ー 闘技場のセットは今後スタンダードではなくなるので、栄誉の殿堂のカードが闘技場で使えることはありますか?ほとんどの栄誉の殿堂カードは構築デッキにおけるシナジーのために栄誉の殿堂入りしていると思います。

Dean Ayala:厳密に言えば栄誉の殿堂はそれで独立したカードセットとして扱っています。次のフォーマットには含まれていませんが、ある時点のフォーマットで闘技場のプールに含めることも可能です。

 

ー (新しい闘技場のフォーマットで)発見はどのように機能するのでしょうか?これまではスタンダード、ワイルドに従っていましたが、個々のセットからしかカードを引き出すことはできないのでしょうか?闘技場に登場しないカードだけを発見しないようにするには実装が非常に難しいと思いますがどうなるのでしょうか。

Dean Ayala:これに関しては非常に興奮しています!発見とランダムなカード効果は闘技場でドラフト可能なセットのカードからのみ引き出されます。我々には元々このような技術はありませんでしたが天才的なエンジニアのおかげで、解決することができました!ありがとう天才エンジニア達!

 

ー 闘技場のフェーズが切り替わるときに、まだ終わっていない闘技場のデッキは自動でリタイアされるのでしょうか?

Dean Ayala:はい、新しいフェーズが始まるときに進行中のデッキがある場合、リタイアとなり闘技場チケットを受け取ることになります。

 

ー 闘技場の一番上のバケットにカードが2枚しかない場合にシステムがどうなるかが心配です。それらが下のバケットのピックとして表示される可能性のあるバケットに入れていますか。

Dean Ayala:私達はカードが2種類しかないバケットがないように注意し、そのような事態がないようにします!

 

ゲームシステムについての話題

ー 多くのプレイヤーがゲーム内の全てを達成し、毎月レジェンドに達成する以外でやることがないように感じています。これに対してなにか計画はありますか?

Dean Ayala:私達の一つの目標は中長期的な目標を作成することです。500勝以上の報酬について議論しましたが、プレイヤーがどのような達成事項を望むのかが気になっています。特定のマイルストーンとその報酬が必要であればその案をぜひ教えてください。1000勝や継続的なレベリングの報酬システム、週間や月間の報酬のシステムを試みることもできます。少なくともこれらの内どれかをリリースする可能性があります。

また、AMA(今回のような質問)に関する問題にも対処したいと思いました。私達が取り組むものは多くの時間を費やしてますが、プレイヤーはそれがいつリリースされるのかを知りたがっています。何かをアナウンスする準備が整ったらビデオやブログを作成し、全世界に同時に公開している今のフォーマットはそれほどうまくいっていません。AMAが私達が考えていることについて話し合うことができる場所になれば、プレイヤーは私達の考えを知ることができ、私達はプレイヤーからフィードバックを貰うことが出来ます。

 

ー Battle.netのクライアントがリージョン毎に処理されていることに関して教えてください。

各プレイヤーがリージョン毎にカードコレクションを所持しているのが不思議です。

私がアメリカで作ったカードでヨーロッパの友達と遊ぶことはできず、開発者が炉端の集いで確立しようとした「友だちと遊ぶ」というテーマに矛盾します。オーバーウォッチのようにリージョン間で共有されるプレイヤー情報のゲームもあるため技術的な問題ではないと思います。リージョン毎のカードコレクションを統合する可能性はありますか?

Mike Donais:ハースストーンが最初に開発された時、ワールドワイドコレクションのための技術は存在しなかったため、このようになっています。多くのプレイヤーは1つのリージョンでしかプレイしないため、彼らにとっては素晴らしいことです。

これを変更することは大変な作業であるため、カードセットや現在の機能に関する作業よりも優先順位は低いものとなっています。

 

ー カードや装飾が報酬としてもらえるような、難しい実績システムを導入する予定はありますか?

Mike Donais:私達は、多くの実績システムと実績の進捗を追跡するシステムというアイデアを気に入っています。今年の最初の拡張で追加されるソロモードにこれらを追加することが出来ました。ヒーローパワーと開始デッキをプレイを通じてアンロックさせていく、というシステムが今回は楽しめます。うまく行けば、将来これ以上のシステムを導入することができるでしょう。

 

ー 協力モードのような新しいモードに関する計画はありますか?

Dean Ayala:今年は新しいゲームモードではない計画がたくさんあります。現在私達がフォーカスしているのは、最新の闘技場のアップデートのように既存のゲームモードが新鮮で面白いものに感じられるようにすることです。正直に言えば、次のハースストーンの新しいゲームモードは考えていません。2v2のような協力モードについてはかなり話しています。そのモードがハースストーンにどう落とし込まれるのか、設計とエンジニアリングのプロトタイプ作成にもしばらく時間を費やしました。ただ、私達はそれについて今は取り組んでいません。アイデアは念頭にありますが、まだ設計の初期段階です。
新たしいものに関しては、2019年には既存システムをいくつか改良することに集中している一方で新拡張のタイムラインを通じてメタを楽しい方法で揺さぶるためにいくつかのユニークなイベントも行います。リリースが近づくにつれてこれらのイベントに関する詳細情報は公表します。

 

ー ハースストーンのベータ版からローンチ、及び他のオンラインカードゲームのデイリークエストや報酬を見てきましたが、これらに変化はあるでしょうか?
3勝で10ゴールドというのは不十分に感じます。ハースストーンは常に基本とクラシックに加え最大6セットが存在しています。もはや1日に1パックを得るのに苦労しているようでは戦えません。
同様に魔素がどのように管理されているのか教えて下さい。魔素の還元率はとても悪いものに思えます。現在の4:1(または5:1)から2:1に変更しても、プレイヤーはパックを購入する必要があるという状態を維持しながら、プレイヤーの苦痛と不満を解消できます。

Dean Ayala:別の投稿の回答でも述べましたが、私達が取り組みたいことはより価値のある中長期的目標をプレイヤーに提供することです。デイリークエストは毎日の報酬を生み出す、という目標をプレイヤーに与えます。しかし、週、月、年を通じてプレイヤーが目標にするものは実装されていません。

私達が議論しているアプローチの一つに、シングルプレイヤー、ランク戦、闘技場、酒場の喧嘩などプレイヤーが望むとおりにゲームをプレイすることでより多くの報酬を感じることができるように現在の報酬システムを統合することです。今では報酬が多くの場所に分散しており、3勝で10Gという報酬などがやりがいのないものに感じられるようになっているのだと思います。プレイヤーが楽しめるデッキを作る過程に十分な報酬を提供することが、常に私達の目標となっていました。私達はあなた達が楽しいデッキを作るということを望んでいます。なぜなら、楽しい時を過ごしているプレイヤーは長期に渡ってこだわりを持つようになるからです。

Zayle(新しい一人用モードでの報酬で獲得できる、ワンダフル・ウィズバンのようなカード)のようなカードはプレイヤーがゲームを初めてプレイしたときに役立ちます。また、2019年の中期的なスケジュールでもいくつかのイベントや報酬を予定しています。長期的な目標というのは、私が先に述べたものです。私達の既存のシステムのいくつかを統合して、あなた達がプレイしたい方法でプレイできるようにし、プレイヤーに中期的、長期的な目標を適切に与えるシステムを作成します。

 

ー 自動スケルチ(感情表現オフ)機能を実装することはできるでしょうか?デッキのレンタル機能やヒーローがミラーだった場合の挨拶、ジェイナのポートレートの変更を行ってきた開発チームならこれはできると思います。

Mike Donais:他の場所でも議論されてきたことですが、私は世界中のゲームデザイナーが感じるものと異なるので言及したいと思います。

ゲームデザインの観点から、感情表現は他の人間のプレイヤーと対戦していると感じることが出来るツールですが、スケルチはそれを失くしてしまいます。エモート(感情表現)は、対戦相手からの良いプレーまたは嘲りさえもが、あなたの心に残り感情的な瞬間を生み出します。とはいえ、長所と短所はあります。議論の余地がある興味深いトピックだと考えています。

 

ー モバイルのパフォーマンスを向上させるために取り組んでいることについて教えてください。ファイルサイズを減らすことや、アプリの起動からプレイまでの時間を短縮することに取り組んでいますか?

Ben Thompson:モバイルのパフォーマンス向上については模索し続けています。最近は維持したい品質のレベルをキープしながら容量を節約するために、画像ファイルのサイズを最適化しました。現在は音楽を最適化している最中です。

 

ー 私は装飾品が好きです。ヒーローのポートレートやカードバック以外に実装する予定はありますか?例えばゲームボードの角(枠)、感情表現、BGMなどです。

Ben Thompson:挙げてくれたものの多くは間違いなく議論されています。あなた達がどのような追加の装飾品に興奮しているか興味があります。チームもこのようなアイデアをもっと聞きたいと思うので、気軽に投稿してください。特に興味があるのはどれでしょう?

このスレッドには素晴らしいアイデアが結集されています。これからもフィードバックを続けてください。アートチーム、デザインチームにこれらを持ち帰るのが楽しみです。

ー 以前のシーズンのカードバックをゲットできるようになりますか?

Ben Thompson:所持していない全てのカードバックやカードをコレクションに加え、例外なく皆が確実に笑顔になる方法を知っています!私を信じて下さい!

 

ー 新しい協力モードは考えていますか?

Giovanni Scarpati:今年は新しいゲームモードとは別の予定がたくさんあります。今私たちが考えていることは、既存のゲームモードが闘技場のアップデートのように、新鮮でエキサイティングなものになるというものです。はっきりというと、ハースストーンの次のゲームモードは考えていません。2vs2のモードについては検討したことがあり、設計、エンジニアリング、プロトタイプの作成まで行い、多くの時間を費やしました。ただ先に述べた通り今はそのモードには取り組んでいません。他にもいくつか野心的な構想はありますが、それらは初期段階にあります。

新しいものについては、2019年は既存システムを改良しつつ、いくつかのユニークなイベントも計画しています。これらのイベントについては、リリースが近くなった時に公表します。

 

カードについての話題

ー 一年間継続させることもできるのに、なぜ一つのセットでしか機能しないメカニズムを作るのですか?トレントドルイドや凍結シャーマンなどがその例です。

Mike Donais:私達はこれらを組み合わせています。急襲、生命奪取、発見のように年間を通じて実装されるメカニズムもあります。ときには1つの拡張のみのときもあります。凍結はいい例で、ミニオンを凍結させられるのはあまり楽しくなく、この手のデッキがティア1になるのは危険です。過去に皆さんがメイジで体験したとおりです。

トレントやエレメンタルやドラゴンなどの構築タイプがあるときは、それらを実装してどのようになるかを確認してから、パワーレベルを上げるために徐々にカードを追加します。ドラゴンプリーストがその例で、何年にも渡って戦えるデッキで強力なカードが出る度に変化します。
将来的には2つの異なる年にカードが依存するデッキを増やして、ローテーションが起こるとデッキが変わり、一部のカードが新しいカードに入れ替わるようにしたいと考えています。

 

ー 開発者の皆さんが知っていると思いますが、独自に作成したハースストーンのカードがインターネット上で公開されています。これらのカスタムカードがカード開発に影響するを与えることはありますか?そのものをコピーすることはないでしょうが、デザイン段階で少なからず影響を与えるのかどうかが知りたいのです。

Giovanni Scarpati:私はコミュニティが作成したカスタムカードを毎週チェックしています。プレイヤー作成のカードや、プレイヤーが望んでいることを確認するのはとても楽しいことです。
因みに私は、ハースストーンチームに参加する前に自分で沢山のカスタムカードを投稿していました。そのうちのいくつかはゲーム内で実装済みです。

 

ー キング・トグワグルは私の大好きなカードです。ローテーションするカードの中であなたの好きなカードを教えてください!

Dean Ayala:おそらくファイアフライです。単なるお気に入りではなく、私にとって最高のカードです。

Mike Donais:アーファスがいなくなると寂しいです。良い犬でした 🙁

 

ー ワイルドセットをスタンダードに戻す計画はありますか?それとも、前進あるのみ(過去は振り返らない)でしょうか?

スタンダードに古いセットを戻すと、二度とプレイしないであろうということを期待してカードを砕いたプレイヤーが怒ることは容易に想像できます。ただ、去年の酒場の喧嘩にあったゴブリンvsノーム(GvG)とメカメカ大作戦の混合フォーマットのようなものを考えているのか確認したいのです。

Giovanni Scarpati:酒場の喧嘩ではセットを混ぜることがうまく機能していて、新しい闘技場のシステムでこれと同じ変化が起こるであろうと想像するととても興奮します。恐らく、ハースストーンチームは今後このような実験をすることになるでしょう。

 

ー なぜ最近はマーロックの新カードが少ないのですか?

Mike Donais:私はマーロックが大好きで今後数回の拡張ではマーロックが追加されることを期待しています。Sludge Slurperは素晴らしいサウンドを生み出していますよ!

 

ー (上の質問の回答の)Sludge Slurperとはなんですか?

Mike Donais:Sludge Slurperは、Sludge Slurperです。私はマーロックのことを忘れていません!
(訳者注:新拡張に出る新しいマーロックのカードのこと?)

 

その他の話題

ー (ゲームデザイナーの)Dean、Mike、Giovanniの3名に聞きたいのですが、ゲームデザインの職歴をどのように重ねましたか?また、ハースストーンチームに入る前後で学んだ重要なことがあれば教えて下さい。
もう一つ、あなた達のお気に入りカードを教えて下さい。3名が拡張セットのデザインを担当しているかは分かりませんが、好きなデザインがあれば教えてもらえると嬉しいです。

Giovanni Scarpati:私はゲームデザインをはじめるまでにゲーム開発の様々な面を勉強しました。まず初めに行ったのは、大学でのゲームデザインの勉強です。その数年後には3D モデリングに携わり、いくつかをAAAゲーム(超大型タイトル)に実装し、インディーゲームで政策とデザインを数年間担当していました。ブリザードに入る前の2年間にはパーティーゲームに携わっていました。

ゲームデザイナーになるための道はとてもオープンであり、人によって異なると思います。ただ、以下の2点はとても有効なものと考えています。

1.沢山のゲームをプレイし、それらを深く分析してください。様々な要素を見つけて自分のものとし、修正ポイントを見つけより良いものに仕上げて下さい。
2.ゲームデザイナーの仕事以外のスキルを身に着けて下さい。スクリプトの作成方法、FX(エフェクトや音響などのゲーム内効果)を学ぶことでチーム内で柔軟に行動することができます。

私が最も好きなカードの1枚は、アージェントの従騎士です。様々な相乗効果やプレイスタイルが望めるシンプルなカードが好きです。

 

ー 全体的なゲームデザインについて、ワタリガラス年からドラゴン年にかけて得た学びにはどんなものがありますか?

Mike Donais:重要な学びの1つは、新しい拡張はメタに大きな影響を与えるはずであるということでした。私達はゲームが1年にわたって進化し続けるのを見たいのです。新しい拡張がより大きな影響を与えるように、いくつかのクラシックカードを変更して実現したものもあります。今後もより大きな影響を持つ新しいカードを作り続けるでしょう。

もう一つの学びは、拡張リリースの間に特別な何かを行うことが重要だということです。私達は今年、そして将来さまざまな方法で実施したいと考えています。すでに述べた一つのこととして、闘技場が2ヶ月毎に変わるというものがあります。また、拡張の1ヶ月後にシングルプレイヤーアドベンチャーをリリースするということも行います。それだけでは終わりません。

 

ー ゲームデザインについての質問です。ドラゴン年のリリースにあたり、ワタリガラス年で学んだことはありますか?

Giovanni Scarpati:一人用モードでの観点で話をしようと思いますが、去年実装した一人用モードからは沢山のことを学びました。

怪物狩りはダンジョン攻略形式でストーリーをよりよく伝える方法、特別なヒーローを採用する価値について多くの学びを与えてくれました。新しいヒーローパワーや強力なヒーローパワーがゲームスタイルやゲームの進行にどのような影響を与えるかなどについても教えてくれました。

パズル研究所はスタンダードなゲームプレイを基にしていましたが、ハースストーンの新しい側面を見せてくれました。次に来る新しい一人用モードで似たようなアイディアが見られるでしょう。

喧嘩祭ではどれだけの規模の対決ができるか、プレイヤーの選択やトラッキングの価値を見出すことが出来ました。コミュニティからのフィードバックに迅速に対応できたことも満足しています。

 

ー Rival Sons(アメリカのロックバンド)のTシャツを着ていますね。私は誰であれRival Sonsのファンを愛しています。

Ben Thompson:新しいアルバムは最高です!次に彼らがロサンゼルスに来たら3度目の対面になります・・待ちきれない!

 

ー ヒーローとはヒーローカードを指しますか?それともルナーラやメディヴを指しますか?

Giovanni Scarpati:私はヒーローといえばルナーラのほうを指すものとしています。ハガサやドクター・ブームは「ヒーローカード」と呼びます。

 

ー ノズドルムについてはどれほど考慮していますか?ランダムに生成されたミニオンからの奇妙で非戦略的なやりとりで何十万ドルものお金が決定されることになる心配はありませんか? 運動機能に影響を与える障害を持つ人としては、ランダムなノズドルムの登場は私にとって最悪のハースストーンの経験です。私はターンをプレイするのに90秒は必要としません。前もってプレイすることを計画しています。しかし、答えを持っていても突然のノズドルムには対応できません。

Ben Thompson:この懸念を提案してくれてありがとうございます。チームに持ち帰りたいと思います。このトピックについては考察したいと思います。

 

ー WoW(World of Warcraft)にはいくつかのトリビュートとポップカルチャーがありました。The Prodigy(音楽グループ)を聴いて育った誰かとしては、キース(メンバー)が亡くなったニュースを聞くのは悲痛でした。将来はFlint Firestarter(楽曲)のオマージュを(ハースストーン内で)見るかもしれません。

Ben Thompson:私自身音楽ファンとして、キースのニュースで悲しみに包まれました。私達はゲーム内のあちこちに幾つかを追加しました。具体的にはプリンス(歌手)が亡くなった時期に、カラザンのゲームボードの左上隅の石炭プレートを繰り返しクリックするとパープルレイン(プリンスの楽曲名)がランダムに呼び出されるようにしました。このように敬意を表することができるのは素晴らしいことです。