開発者Dean Ayalaインタビュー(2020年7月)

中国のカードゲームサイト 营地(Yingdi)に掲載された開発者 Dean Ayala氏のインタビューを翻訳して紹介します。このインタビューはパッチ17.4.1(二連斬のアップデート)の直後に実施されたものです。次の拡張セット前にバランス調整が予定されていることや、偉大なるゼフリス・竜の女王アレクストラーザを採用したデッキの調整などが言及されています。

ソース(中国語):采访Iksar:外域的环境平衡,卡牌设计,和第五波改动

reddit(英語翻訳):Iksar reveals that a balance patch is planned before the next set, hints at changes: Chinese media interview


Q:最初に、パッチ17.2.1について伺います。ハースストーンの歴史の中でも大きなバランスパッチであり、多くのデッキのパワーレベルが変更されました(ズーウォーロックやローグ)。しかし、それと同時に、ほとんど変化のないクラスやデッキもあります。デーモンハンターやウォリアーは、ナーフ後も上位にいますし、パラディンやシャーマンは下位にいます。この変更によって、大きなメタへの影響を期待していましたか?それとも、もう少しデッキ間のパワーを近づけることが目的でしたか?

A:私達のバランスに対する考え方は、時代とともに変化してきました。以前は、大規模な変更は絶対に必要な場合にのみ行っていましたが、今はより頻繁に、小さな変更を行う傾向にあります。これらの変更を行う目的は、新しいデッキに息を吹き込む余地を与えるためにパワーレベルを変更することですが、それを楽しんでいたプレイヤーが他の楽しみを見つけなくてはならないほどカードやデッキをナーフすることではありません。

振り返ってみると、デーモンハンターには多くの変更を加えましたが、ほとんどの部分でバランス調整は目標を達成していたと言えるでしょう。


Q:二連斬のナーフについてです。1枚だけの変更であっても、デーモンハンターに大きな変化をもたらす、と信じている人を多く見かけましたが、他のクラスの変更を望む人の方が多いかもしれません。

開発チームは、デーモンハンターがナーフされることによるバタフライ効果(小さな効果が大きな影響をもたらす)が環境に影響を与えると考えているのか、それとも他のクラスが全て妥当であると考えているのか、どちらが正しいでしょうか?

二連斬の変更

A:二連斬はデーモンハンターの最強カードでしたが、デーモンハンターは様々な強力なツールを持っているため、1つの変更でトップクラスから落ちることはありませんでした。次の拡張セットでは、本当にゆさぶりをかけてくれると期待しています。私達は、別のバランス調整パッチを次の拡張セットの前に行う予定です。それらの主な目的は、小幅な微調整と、次の拡張セットを最高に楽しいものにすることです。


Q:ハイランダーデッキ、ガラクロンドデッキ(特にローグ)、ドルイドなどのデッキはドローによるランダム要素(RNG)があります。これらのデッキは偉大なるゼフリス竜の女王アレクストラーザ這い寄る悪夢ガラクロンド強盗王トグワグルなど、デッキの一部のカードにパワーが集中しすぎていて、これらのカードをドローできるかどうかに帰着してしまうことから、スキルによる恩恵が少ないように感じてしまいます。

偉大なるぜフリス zephrys the great

A:これは、非常に特殊なデッキを構築することを要求するカードを作成することによるデメリットです。他では作れないような面白いデッキを作ってくれ、という要望があったら、それなりの理由が必要になります。重複の無いデッキ(ハイランダーデッキ)では、数枚の高パワーのカードを手に入れることができ、ガラクロンドデッキでは、ゲーム終盤にその恩恵を受けることができます。メタに多種多様なデッキが存在する、という大きなメリットもあります。デメリットは、それらのデッキが適切なタイミングで適切なカードを引いたときに、それだけが勝敗の理由に感じられることです。

私達は常に特殊な構築デッキ用のパワーカードを作りますが、それらのカードだけがプレイされるようなデッキは、あるべきではありません。ハイランダーデッキが強力なメタにおいては、この問題はより頻繁に発生する傾向にあります。もし、次の拡張セットにおいても偉大なるゼフリス、竜の女王アレクストラーザが環境のトップにいるのであれば、新鮮味を出すために、それらのデッキのパワーレベルを変更を加えることになるでしょう。


Q:発見したりカードを生み出すカードが多すぎます(ドラゴンの悪の手先が典型的な例)。そして、ランダム・発見のプールが広くなりすぎると、スキルによる恩恵が少なくなります。

ドラゴンの悪の手先 Draconic-Lackey

A:ランダム性とカード生成は、毎ゲームをより変化に富んだものにするためのツールです。発見のメカニズムは、ハースストーンの中核となる部分であり、他の同種のゲームと一線を画していると思います。とはいえ、プレイヤーが新しいリソースを生み出すために持っているツールは、これまでにないほど多いと思います。全てのクラスがデッキ外からリソースを生成しだすと、プリーストやメイジのようなリソース生成に特化したクラスが特別ではないと感じられるようになります。

これだけ多くのランダムなリソースを生み出している原因の一部は、これらのリソースを生成するカードが、ここ数回の拡張で最も強力なものになっていることにあります。

今後の拡張セット、特に来年の拡張セットでは、特にリソース生成に特化していないクラスでは、ランダムに生成されるリソースが少なくなるのではないかと予期しています。


Q:メイジとヨグ・サロンのパズル・ボックスについてはどう考えますか?

ヨグ・サロンのパズル・ボックス puzzlebox_of_yogg_saron

A:ヨグ・サロンのパズル・ボックスについては、それ自体のパワーレベルは適切かもしれませんが、ドラゴンキャスターが絡んだ場合は状況が異なります。今後のパッチで対処することになるでしょう。


Q:マナコストを低減させるカード(主に0コストにするカード)のデザインについてです。デーモンハンターのグルダンの髑髏異端者アルトルイス、ドルイドの多くの呪文、ローグの這い寄る悪夢ガラクロンドやワンダーワンド、ウォーロックのクエスト達成後のヒーローパワー、竜の女王アレクストラーザ、メイジのドラゴンキャスターもそうですし、二連斬もそうでした。長い間、0コストのカードが危険なデザインのカードであることを知りながら、今回のローテーションでは、少し押し付け過ぎではないでしょうか?

グルダンの髑髏 Skull of Guldan

A:通常、カードのコストを0にするカードは、特定の方法でデッキを構築したときの報酬です。私達はそれらのカードを強力なものにしたいと考えているので、プレイヤーは様々な方法でデッキを構築したいと思っています。ドラゴンキャスターの場合は、ドラゴンキャスターがなければ入っていないようなカードを採用することになります。

ローグの這い寄る悪夢ガラクロンドの場合、0マナのカードを手に入れることができますが、それは祈願カードを大量にデッキにいれたからに他なりません。0マナのカードを持つことによる問題の一つは、それが本当に大きな、予想外のスウィングターンをもたらす可能性があるということです。最大祈願のガラクロンドをプレイしたターンのローグは、おそらく最大の咎人でしょう。

ガラクロンドから引いたカードのコストが1であれば、ガラクロンドをプレイしたターンと、その低コストのカードをプレイするターンに間が生じるため、明らかにパワーが劣ります。これは、私達が最近話している変更内容で、1度に大量のカードが使われることがなくなることで、プレイヤーはそれに備えることができます。

グルダンの髑髏については、グルダンの髑髏そのものはテンポカードではないので、引いたカードが0コストになることはそこまで大きな問題ではないと思っています。対戦相手がグルダンの髑髏をプレイした後、そのターンにカードをプレイするか、手札に温存して後でビッグターンを狙うかのどちらかになります。手札に温存している場合は、対戦相手はそれに対応する時間が与えられるため、健全なゲームプレイであると考えています。