コミュニティへの回答 – Dean Ayala
ハースストーン初期のころから続く”Value Town”という海外の番組で、開発者のDean Ayala氏がプレイヤーの間での話題について回答しました。
先日のバランス調整の内容についてや、メックトゥーンやDKウーサー、クローンプリーストなど様々なOTKや準OTKが流行る中、ドブネズミのような相手の手札に干渉するカードの登場も示唆しています。他にも基本セット、クラシックセットの弱体化に伴う新しい報酬システム等、様々な内容を語っています。
以下、Dean Ayala氏への質問、回答を抜粋して紹介します。
ソース:Value Town #203 – Blizzard Interview (feat. Iksar and RegisKillbin)
– 冷血はコミュニティは特に問題視してなかったと思う。いつからナーフを考えてた?
単体の話よりも全体の話を。
拡張ごとに新しいアーキタイプが生まれてデッキの創造性があるようにしたい。今すぐ必要なナーフというよりも、ハースストーンというゲームが長く遊べるようにしようとしている。
ローグやパラディンは十分に強いヒーローだと思うし、冷血はずっと使われてきた。2マナでもデッキに入れる価値はある。
– 段取りのナーフや殿堂入りは考えている?
新しいカードを作るときに制限されるかどうかは関連性がある。
段取りは強力だが、ローグの呪文はテンポを取るために使われたりすることが多い。冷血は他のダメージ系の呪文を作りにくくする(安易にダメージ呪文を作るとフェイスローグが生まれてしまう)
– アグロローグ(奇数ローグ)がナーフされたけど強すぎると思う?次で強くなる?
ローグはテンポプレイが強いヒーロー。冷血は2マナでも使われるレベルのカードだと思う。
– 炎の下のトーテムはなぜ対象になった?
動機は冷血と同じで、シャーマンのデッキを作る時の選択肢をもっと増やそうとしてる。
シャーマンのコアとなるコンセプトはトーテムを並べて血の渇きのようなカードで小型ミニオンを有効利用すること。今後もそういうカードを作り続けていく。
シャダウォックみたいに雄叫びのコンセプトも考えた。World of Warcraftではシャーマンは様々な能力を持つため、呪術で除去もできるし回復も持っているのもそういうイメージ踏襲している。(シャーマンのデッキを作るのは)難しい。
– 平等は4マナになったが、奇数パラを考えての4マナ?
パラディンはマーロックパラディンのように、平等が無くても強いデッキが組める。3マナでは不十分だと思った。そもそもの話、とても強力なカードであった。数年先を見据えて(目先の数か月ではなく)4マナにした。
– 狩人の狙いについては?
ハンターのコンセプトに大型ミニオンの除去が得意というものはない(それはローグが得意とするもの)。例えばハンターは回復のカードがないから、といって作るのはコンセプトを考えるとゲームデザインとして難しい。ハンターはフェイスプッシュと獣シナジーが強く、大型除去は特徴じゃないというコンセプトがある。
– エメラルドの呪文石は?
ハンターの最も強いアーキタイプを弱体化させ、他のアーキタイプの可能性を出せるようにした。
もともとエメラルドの呪文石は5マナで12/12が出せるという強力なものだが、そのためには秘策を貼るという受け身の行動が必須になっている。が、ワンダリングモンスターが強力であるので、想定したものとは違ってしまった。
(6マナになって)発動が遅くなれば対応できるクラスは増える。秘策ハンターは強いままであるとは思う。
– 基本やクラシックがナーフされて入門者や低資産デッキの作成が厳しいと思うが、それについてはどう考える?
確かに基本やクラシックがナーフされるとデッキに拡張のカードが必要になる。(新しいカードがデッキ使われるというのは)私達の狙いでもある。
ただし、ゲーム内イベントで特別なクエストやパックを配布したり、バンドルを発売してプレイヤーがパックを手に入りやすい工夫を行っている。明確には決まっていないが、クエストをクリアしたり、ゲームプレイをすることでパックのような何かを得られる特別な報酬システムを作りたいと思っている。
– ゲン・グレイメインと月を食らうものバクによってカード作成に制限はあると感じているか?
カードを作るのは難しい。例えば、パラディンは奇数も偶数も強い。
来年のゲンとバクについては何度も議論している。来年はとてもとても楽しいものになり、新しくてかっこいいものが追加され、ゲンやバクとは異なった戦術が登場する。
ゲンとバクの弱体化も考えているが、それは根本的な解決にならない。奇数ウォリアーのヒーローパワーを3装甲にしたり奇数パラのヒロパが2/2にしたりも考えました。でもその場合、偶数シャーマンのヒーローパワーはどうするべきか。全ての可能性を考え、個別に対応するのはとても難しい。
– ゲンとバクをその年の最後の拡張に収録することは考えなかった?
YESでもありNOでもある。ドラコニッド諜報員はドラゴンプリーストで非常に強力なカードだったが、活躍が短く強力なカードを実装すると決めている年の最後の拡張セットに収録した。
奇数ウォリアーや奇数パラディンは非常に強力だろうと想定されたため、パラディンに奇数のテンポカードを作成しなかったり、ウォリアーのアップグレードしたヒーローパワーを装甲にする、みたいなことを考えていた。ただ、偶数パラディンや偶数シャーマンがこれほど強くなるとは考えていなかった。
今後パラディンに強いカードを作ることも考えている。でもそれは、コントロール向けの重いカードになりそう。なぜなら、奇数パラも偶数パラもテンポプレイが強いデッキだから。
– OTKデッキが流行ってるけど?コミュニティはあまり好きじゃないみたい。
例えばメックトゥーンプリやメックトゥーンウォーロックのように、何分も戦って最後にこれまで見てないカードだけで終わりになるのはネガティブな面だと思う。
– OTKを阻害できるカードはウォーロックにはあるけど足りていると思う?
ドブネズミみたいなカードが1,2枚必要だと思う。近い将来実装するかもしれない。
– バーンズについてはどう思う?
泥棒ローグやクエストメイジ、ビッグプリーストがいい例だと思うが、そこまで(勝率が)驚異的なデッキではないのに多くのプレイヤーが使っている。プレイヤーはそれが楽しいから使っているのだと思う。
ナーガのときもそうだったが(※)、機能すると恐ろしく強いがそこまで勝率が高いわけではない。
それらを使うプレイヤーはそれが好きで楽しくて使っている、そんなプレイヤーの楽しさを奪うことはしたくないと思っている。ワイルドの一つのコンセプトはプレイヤーが遊びたいデッキで遊べること。
バーンズを無くしたとしてもそのアーキタイプで遊ぶプレイヤーが同じように戦えて楽しめるのならそれは良いこと。ゲンとバクとバーンズはバランス調整を検討しているカードの代表。ただ、今すぐに言えることはない。でも、何かしらの考えを持っているということは伝えたい。
ゲームをもっと面白くするのが私達のゴール。フィードバックはいつでも待っているので、twitterでもredditでも、どうして欲しいかメッセージを下さい。
※ナーガの海の魔女についての参考リンク