マスターズツアー・オンライン:マドリード 観戦ガイド

マスターズツアー・オンライン:マドリード 観戦ガイド

マスターズツアー・オンライン:マドリードが開催されます。開催期間は10月23日(金)~10月26日(月)(日本時間)。この大会は、マスターズ予選、ランク戦予選などを通過した選手のみが参加できる公式の国際大会です。総勢約320名の選手が参加し、その中には約20名の日本人選手も含まれています。

目次


開催概要
見どころ
注目デッキ
海外の注目選手
参加する日本人選手
マスターズツアーとは
その他、参考情報

開催概要


  • 会場:オンライン
  • 大会日程(いずれも日本時間)
    • Day1(スイス1~5ラウンド – 3勝以上した選手がDay2へ進出)
      10月23日 午後10時00分 – 翌午前10時00分
    • Day2(スイス6~9ラウンド TOP8決定)
      10月24日 午後10時00分 – 翌午後1時00分
    • Day3(TOP8 プレイオフ)
      10月25日 午後10時00分 – 翌午前10時00分
  • 配信
  • 賞金総額:25万ドル
  • 形式:4デッキ使用、1デッキ禁止、5戦3本先取、コンクエスト
  • 対戦表(※)
    Battlefy: Masters Tour Online: Madrid
  • デッキリスト
    YAYtears: Masters Tour Online: Madrid

※配信は遅延(ディレイ)があるため、対戦表を見ることで結果が分かってしまう場合があります。

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見どころ


マスターズツアー・オンライン:マドリードは、2020年最後となる6つ目のマスターズツアーです。

大会で採用される拡張セットは、前回のマスターズツアー・オンライン:モントリオールと同様ですが、大会後に実施されたパッチ18.4のアップデートにより守護獣ドルイドが大幅にパワーダウンしているほか、コントロールデッキに強いトートランメイジは消滅しました。

ほぼ同環境で行われた前回大会では、大人気デッキだった爆弾ウォリアーをターゲットにした構成がTop16に食い込むなど、非常に特殊な構成が活躍したということもあり、今大会でもその活躍が見られるか非常に興味深いところです。

そして、極めつけは大会当日の10月23日に、魔力換気転生ソラリアンへ適用されるアップデート。守護獣ドルイド以上に「持ち込み得」と言われたサイクロンメイジがパワーダウンすることで、どのような変化が起こるのかに注目が集まります。

このメイジへのバランス変更については、多くの競技プレイヤーがそれほど大勢に影響はないだろうと予想しています。ですから、サイクロンメイジを持ち込む選手も多いはずです。

ただし、その目論見が外れたときには、過去の公式大会では起こりえなかったであろう、類い稀れな波乱が待ち受けています。サクロンメイジを持ち込んだ多数の選手は、目も当てらない戦績で今年のesportsシーンを去り、確かな鑑識眼を持った少数の選手が栄光を手にすることでしょう。

アップデート内容はこちら:
魔力換気と転生ソラリアンのアップデート

魔力喚起|転生ソラリアン

また、盤面外の戦いも佳境を迎えています。2020年のマスターズツアーで獲得した賞金額に応じて、2021年のグランドマスターが選出されますが、その賞金獲得の最後のチャンスとなるのが、今大会マスターズツアー・オンライン:マドリードです。

下記画像は、d0nkeyが独自に集計したアジア太平洋・ヨーロッパ・南北アメリカ地域の賞金獲得額(単位はドル、既にグランドマスターズに入っている選手を除く)。

2020年度アジア太平洋地域賞金ランキング
2020年度アジア太平洋地域賞金ランキング(d0nkey
2020年度ヨーロッパ地域賞金ランキング
2020年度ヨーロッパ地域賞金ランキング(d0nkey
2020年度南北アメリカ地域賞金ランキング
2020年度南北アメリカ地域賞金ランキング(d0nkey

グランドマスターズには各地域の賞金獲得額上位3名が入れることになっていますが、マスターズツアーの賞金額は、優勝で32,500ドル、準優勝で22,500ドルとなっているため、既にヨーロッパ地域では、今回初出場の選手が優勝してもグランドマスターズにはなれません。

マスターズツアー:モントリオール賞金
前回のマスターズツアー:モントリオールの賞金額

多くの方の関心は、次期アジア太平洋地域のグランドマスターズでしょう。現在Alutemu選手、glory選手、posesi選手の3名が日本人選手としてグランドマスターズに所属しており、4人目の日本人選手が現れるかどうかが、今回の大会にかかっています。

現在のアジア太平洋地域獲得賞金ランキング1位のlambyseries選手は、獲得賞金が16,850ドルとなっており、今回のマドリードで優勝または準優勝すると抜くことができますが、優勝か準優勝というのは、現環境で世界一上手いプレイをしながら、運もそれなりについてくることが条件になり、正直なところあまり現実的ではありません。

となると、Top8入りが最も現実的なラインとなります。Top8未満では賞金額が3,500ドルと一気に下がり、グランドマスターズどころか上位20名にも届きません。Top8で得られる賞金は11,000ドルですので、既に3000ドル以上稼いでいる選手がグランドマスターズ入りを視野に入れるのに十分な額となります。

上記の通り、どのプレイヤーも優勝または準優勝でグランドマスター入りがほぼ確定しますが、trahison選手(=Ombre選手)、MegaGliscor選手(=せかい選手)、執念の蒼汁選手は、Top8入りでグランドマスターズ入りのチャンスがあるため、要注目です。

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注目デッキ


聖典パラディン

元々ピュア聖典パラディンとして微妙な立ち位置にいたデッキですが、ペン投げ野郎空飛ぶほうきサルヘトの群れの採用で、現在は環境上位入りしています。

ランク戦最強デッキとは言えないものの、欠片デーモンハンターやアグロ系ハンターに強く、そのほかのデッキにも対等かそれ以上に戦えるため、今大会で活躍する可能性は十分あります。また、サイクロンメイジに弱かったため、10月23日に適用されるパッチも、聖典パラディンにとって追い風となっています。

弱点は、前述したサイクロンメイジとプリースト。どちらもかなりの数が持ち込まれると予想され、聖典パラディンを持ち込んだプレイヤーには、不利マッチを覆す練度の高さが求められます。

参考デッキ:HSReplay.netによる高勝率デッキ(10/10~10/16)

ドラゴン/ハイランダープリースト

欠片デーモンハンターやフェイスハンターの流行により、一時期はやや勢いが落ちたプリーストも、メタが回ったことや、リストが完成してプレイヤーの練度が上がったことから、定番デッキとして確固たる地位を築いています。

長期戦にはなるものの、最上位プレイヤーのプリースト対決は見ごたえ満点で、グランドマスターズを含む様々な大会でドラマを生んでいます。Top8、または有名選手同士でのプリースト対決は、必見。(特に興味がない場合は、お風呂やコンビニへの買い出しに最適なマッチとなります)

参考デッキ:魔法学院 18.4 レジェンド1位 DeadDraw’s ドラゴンプリースト

サイクロンメイジ

デッキやマッチアップ、対戦カードよりも、バランス調整後のサイクロンメイジが今大会で活躍できるのか、それとも活躍できないのかが一番の注目ポイントになります。

前項の見どころにも書いた通り、バランス調整の影響を軽く見ると痛い目に合う可能性が高く、持ち込むことそのものにリスクが伴います。とはいえ、影響が少なくほぼ同じ強さを維持していたときは、優勝に導くデッキにもなり得ます。

持ち込んだ選手はすべからく、強気であることに間違いありません。その行方を見守りましょう。

参考デッキ:魔法学院 18.4 レジェンド1位 Bunnyhoppor’s サイクロンメイジ

ハイランダーハンター

正当なアグロデッキとして位置しているデッキです。アグロデッキがプリーストやメイジ、ローグに強いことは太古の昔から変わりませんが、大会環境で良いポジションにいるとされる爆弾ウォリアーにも勝て、アグロに強いとされる欠片デーモンハンターとも、十分戦える強さを持っています。

10月中旬に終えたグランドマスターズの終盤戦で多くの選手が使い、良い結果を残したことから、今大会にも間違いなく持ち込まれるはずです。

参考デッキ:HSReplay.netによる高勝率デッキ(10/10~10/16)

シャーマン全般

マスターズツアー:モントリオールでは、まさかの爆弾ウォリアーメタとして活躍。今大会でも、数名の選手が同構成を持ち込む可能性があります。

ウーサーの裏切りにより、唯一の環境下位ヒーローとなったスロール。今環境最後の大型公式大会で、最後の輝きを見せられるか注目です。

参考デッキ:シャーマンのデッキ一覧

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海外の注目選手


DeadDraw

DeadDraw

世界中の強豪を相手に戦うマスターズツアーで、何度もTop8入りを果たしながら、グランドマスターズに入れていないイギリスの選手です。

賞金獲得額は25,000ドルを超え、アジア太平洋地域や南北アメリカ地域では2回グランドマスターになれるような金額を稼いでいますが、強豪ぞろいのヨーロッパ勢の賞金獲得額があまりにも高すぎ、素晴らしい結果を残すも、いまだ報われていません。

現在のランキングでは、2021年度のグランドマスターズ当確ラインにいますが、約1000ドル差の選手が2名いることや、ランキング上位外のヨーロッパ勢の優勝も十分考えられることから、安全圏は最低でもスイスラウンドで7勝という厳しい結果を求められています。

Twitter:https://twitter.com/DeadDrawHS

Monsanto

Monsanto

グランドマスターズシーズン2で活躍し、南北アメリカ地域の代表として世界大会への切符を手にした選手です。間違いなく現環境での最上位プレイヤーであり、その試合や細かいテクニックが見どころとなる選手ですが、注目ポイントは他にもあります。それは、フランス選手と対決した場合の盤面外の盛り上がり。

グランドマスターズでのFelkeine選手のミスプレイを見て、「EUは全てにおいてひどすぎる。アメリカ勢はこんなあほなプレイをするなよ?(意訳)」と煽り、普段は冷静なFelkeine選手が、英語もできるはずなのにフランス語で怒りのリプライを飛ばし、それをまたMonsanto選手が煽り返すというドラマがありました。

ハースストーンコミュニティが世界で最も成熟しているであろう強豪国フランスと、その人気選手を敵に回したMonsanto選手。対戦カードに注目しておきましょう。

Twitter:https://twitter.com/Monsanto_HS

Flurry

Flurry

2019年からグランドマスターズで活躍していた韓国の選手です。降格戦を何度か経験しながらも、グランドマスターズに出場し続けたものの、2020年シーズン2で、グランドマスターズからは降格してしまいました。

ただ、現在アジア太平洋地域の賞金獲得ランキングでは現在4位に入っており、2位と3位との差は2,000ドル程度。スイスラウンドで6勝することができれば、復帰が十分可能な位置にいます。

韓国では非常に人気のある配信者であり、公式番組等にゲストや解説として多く出演しています。

Twitter:https://twitter.com/c9flurry

Ryvius

Ryvius

2018年度の競技シーンで、最も多くの競技ポイントを稼いだ韓国の選手です。常にほかの選手とは異なる、独特なデッキを持ち込み、強気なプレイングで多くのプレイヤーを魅了してきました。

2020年シーズン2のグランドマスターズにて降格が決定してしまいましたが、マスターズツアーではそこそこの賞金を稼いでおり、Top8入りを果たすことができれば、2021年のグランドマスターズに再び姿を現します。

Twitter:https://twitter.com/ryvius_hs

Liooon(VKLiooon)

言わずと知れた、中国出身のBlizzcon2019世界王者です。

競争の激しい中国の大会シーンでも引き続き活躍しており、中国国内での公式ポイント獲得数は、現在第2位。2020年度のマスターズツアーの賞金獲得総額も25,100ドルと、アジア太平洋、南北アメリカ地域勢を遥か下に見る、ヨーロッパ勢並みの賞金を獲得しています。

女性と侮ってはいけません。彼女のプレイを見ずしてハースストーンの競技シーンは語れません。

Twitter:https://twitter.com/lxm1996

Syf(iGSyf)

IG.SYF

グランドマスターズ・シーズン1・プレイオフに相当する中国の大会で優勝し、世界大会への切符を獲得した、中国の選手です。プロチームiGに所属し、中国国内での公式ポイント獲得数第4位の実力を持っています。

Liooon選手のボーイフレンドであり、大量のデッキコードで2人のチャット欄が埋まる逸話が有名。彼が今年の世界大会で優勝すると、カップルでの世界大会連覇となります。

最近Twitterを始めました。(下記リンク参照)

Twitter:https://twitter.com/hs_syf

Leaoh(RNGLeaoh)

プロチームRNGに所属している、中国のプロ選手です。

中国国内での公式ポイント獲得数第1位を誇り、事実上中国No.1の選手となっています。2018年頃から活躍しだし、2019年にはLiooon選手と共に、中国代表としてBlizzcon2019世界大会に出場しました。マスターズツアー:アジア太平洋では、スイスラウンド4位、決勝トーナメント5位タイの結果を残しています。

Twitter:-

Hunterace

Hunterace

2019年の世界王者。2017年、2018年の勢いは凄まじく、この選手が世界一にならなけれならないと、誰しもが思い、また、それを実現したノルウェーの選手です。

残念ながら2020年のグランドマスターズからは降格しましたが、マスターズツアーではほぼすべての大会でマネーフィニッシュ(安定した成績を記録)しており、今大会で優勝すれば、ドラマチックな復帰劇が見られます。

Twitter:https://twitter.com/HunteraceHS

参加する日本人選手


マスターズツアー:モントリオールには、約20名の日本人選手が参加します。グランドマスターとして2020シーズンを戦い抜いたAlutemu選手、glory選手、posesi選手や、前回のマスターズツアーオンライン:モントリオールで好成績だったtaroimo選手、現在アジア太平洋地域の賞金ランキング上位のtrahison選手などに注目です。

日本人選手一覧

※BeerBrick調べ、Day2終了時点成績順

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マスターズツアーとは?


ランク戦や、予選で優秀な成績を残した選手のみが参加できる高レベルの公式大会です。ハースストーンの公式プロリーグともいえるグランドマスターズに参戦するには、この大会で賞金を稼がねばならず、多くのプレイヤーがその座をかけて戦います。

2020年のマスターズツアーは年に6回、世界各地で行われています。基本的にはオフライン開催の現地参加型なのですが、新型コロナウィルスの影響によりオンライン開催となっています。(マスターズツアースケジュール

対戦形式

通称「4Hero 1Ban BO5 コンクエスト(4デッキ使用、1デッキ禁止、5戦3本先取、コンクエスト)」と言われる3本先取のルールで対戦が行われます。選手はそれぞれ違うクラスで組んだ4つのデッキを持ち込み、お互いのデッキを1つ禁止した後、対戦を行います。勝利したデッキは使えなくなり、また、全てのデッキで勝利する必要があります。先に3勝した選手が勝利しますが、最大で5試合行われるためBO5(Best of 5)と呼ばれます。

大会形式

大会は3日間に渡って開催されます。1~2日目で全9ラウンドのスイスラウンドが行われた後、3日目に上位8名がシングルエリミネーション形式で優勝を争います。また、2日目に進出するためには、1日目に3勝以上する必要があります。

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その他、参考情報


デッキや、構成の勝率などを集計したデータ

初日の、デッキタイプ別勝率

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