開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(5月15日)
開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。
このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月21日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月28日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月3日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月10日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月17日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月24日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月1日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月8日)>>
▼Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS
Q: CustomHearthstone(オリジナルカードを創作している人達)で最近、意図的に複雑な「数学」カードを作成しました。開発チームはどのようにして「複雑さ」を測定し、効果を理解するのが難しすぎるかどうかを判断していますか?
A: セリーナ・ブラッドフェザーは、私達が作成した数少ない複雑な「数学」カードです。私達は、可能な限り簡単に表現できるテキストにしています。ゲームを複雑に感じさせるテキストは欠陥だと考えています。
だからと言って、そのようなカードを作らないのではありません。それに見合うポジティブな面が必要なのです。
Q: 新しい種族(キルボア)が追加されましたが、近い将来、トレントなどの新しい種族は追加されますか?
A: 今後も新しい種族は、複雑さを抑えたうえで追加していきます。最大の問題は、各種族にまとまりを持たせつつ、これまでの他の種族とは異なるものに仕上げる作業です。
キルボアは、ドラゴンやエレメンタルのような統一されたメカニクスを持っていません。可能ならば、そのミニオンが何をする種族なのかのストーリーを持たせたいと思います。
Q: コントロールウォリアーは、装甲を獲得するのではなく、アズィノスの防塁のようにダメージを軽減する方向で進化できると考えています。このような計画やアイデアはありますか?
A: 装甲獲得は、今後もウォリアーのライフをコントロールするための主要な手段として、使用されると思います。ダメージを軽減するアイディアも面白いですが、ウォリアーが装甲を積む、というストーリー性があったほうが良いと思います。
私は、ダメージソースを通常とは異なった考え方をさせるような一回限りの効果を考えるのが好きです。小さなダメージを何度も与えるのはアズィノスの防塁に対しては有効ですが、トークンデッキがコントロールウォリアー相手に強い、というのは特に面白くもなく、テーマ性もないと思います。
Q: 現在8、9、10マナのカードが沢山ありますが、コレクション画面には「7+」としか検索できません。この問題について考えていますか?
A: ユーザーインターフェースを制限し、可能な限り最も効果的な方法でスペースを使用しようとしています。8マナのカードを検索したいときは検索欄に「マナ:8」と入力すれば検索できます。
Q: 中華料理のレストランに行ったら何を注文しますか?
A: 四川料理です。アメリカで最も一般的な四川料理は宮保鶏丁(鶏肉とピーナッツの唐辛子炒め)ですが、私はそれ以外の四川料理も楽しんでいます。
Q: なぜ詠唱者の循環を弱体化しなかったのか教えて下さい。
A: 詠唱者の循環を変更した方が、より影響が大きかったと思いますが、スペルメイジのデッキパワーが既にボーダーライン上にあることを考え、強めに弱体化することは止めました。
バランスの変更は、結果としてメタがより楽しくなると考えられる場合にのみ行うべきです。今回のケースでは、詠唱者の循環を変更してもあまりプラスになる効果はないと考えました。
Q: なぜ爽やかな湧き水は効果ではなくコストを変更したのでしょうか?理由を教えて下さい。
A: パワーレベルを変えようとしている場合、プレイヤーがカードの効果を覚え直す必要がないように、出来る限りコストやステータスを変更したいと考えています。これが意味を成さないこともありますが、今回のケースではコストを変更することで、私達が考えるパワーレベルの目標を達成することが出来ました。
Q: 最近のバフの成果はどうですか?
A: バフはメタバランスの修正にはあまり適していませんが、クラスに試す選択肢をいくつか与え、今後のカードリリースでより多くのツールを使用できるようにします。
バフの成功というのは、我々がより良いプレイ体験をもたらすと考えるカードが、より高い確立でデッキに採用されることを意味します。ナーフの成功というのは、殆どの場合、メタレベルの変更か、特に不愉快なプレイスタイルの人口の変化です。
Q: ワイルドのバランス調整の予定はありますか?
A: 爽やかな湧き水、初登校の日、カニライダーの変更の影響を見てみます。いずれのカードも、ワイルドの強いデッキで多く使われていました。状況がどう変化するか、強力なデッキがどう推移しているか、そして、それがメタが受け入れられるかどうかを確認していきます。
Q: ハースストーンとNARUTOのアニメがコラボしたら、誰をどのヒーローに割り当てますか?
A: パッと頭に浮かんだのはこんな感じです。
ウォリアー:ガイ先生
ローグ:うちはイタチ
ドルイド:ヤマト
デーモンハンター:うちはサスケ
プリースト:ツナデ
そして、デイダラが何かになって、チームデイダラが完成します。
Q: ハイレベルのプレイヤーとそうでないプレイヤーのバランス観について教えて下さい。例えば、ローグとプリーストはレジェンド上位とそうでない場合でパワーレベルが異なります。これは、ハースストーンに限らず、ジャンルを超えたゲームバランスの話です。
A: ハイレベルのメタは、時間の経過とともにローレベルにも影響する傾向があるため、基本的にはハイレベルのプレイヤーを中心に、バランスを取っています。実際に、上位1%のプレイヤーを対象とした統計データを、最もよく見ています。
ハイレベルなプレイヤーは、一般的なプレイヤーよりも、カードに対する知見を多く持っており、新しい戦略を試す傾向があります。そのため、バランスが崩壊しそうになっても、それに対抗する強力な戦術が生まれそうにない場合のみ、バランス調整を考えます。強力なデッキへの対抗手段が生み出されれば、ハイレベルなプレイヤー達はそちらに引き寄せられ、自分たちでメタを変えていくでしょう。これは理想的なケースです。
ローレベルな環境で何か非常に強力な物がある場合は、ハイレベルなプレイヤーに対する調整だけではメタが変化しないので、他のスキルレベルに悪影響を与えない程度に、調整を行います。
Q: ハースストーンがeスポーツを意図したものではなかった、というのは本当ですか?
A: 主観が入りやすい質問です。私達にはeスポーツチームがあり、長年に渡って世界選手権、リーグ、配信、イベントなどを世界中で行ってきました。文字通りに取れば、ハースストーンがeスポーツを意図しているのは明らかです。
Q: デザインチームは、eスポーツとどう関わっていますか?カードデザインが競技シーンにどう影響するのか、またその逆があるのか、よく見えません。
A: eスポーツに関する決定は、eスポーツチームと経営陣で完結しており、カードデザインへの関与はほぼありません。
Q: 明日はノズドルムの日です。(毎月15日はノズドルムの日)ノズドルムが発動したゲームは経験値を2倍にするなどのアイデアはどうでしょうか?
A: デッキにノズドルムを採用してプレイするクエストを追加することを考えていました。その日1日全ターンを15秒に制限するのはどうでしょうか?
Q: 現在、スノーフリッパーペンギンだけが召喚時エフェクトを持ちますが、他の0マナミニオンにもエフェクトが欲しいです。エフェクトを出すかどうかはどう決めるのですか?
A: これは、FXチームの時間の問題でもあります。本当は、全てのカードに特別な召喚エフェクトが欲しいのですが、常に十分な時間が用意できるわけではありません。
そのため、象徴的なキャラクターやFXチームが情熱を持ってエフェクトを作りたいと考えているキャラクターが選ばれています。
Q: 英雄の書で使われていたカードは、既存のカードで史実に沿ったものを用意できましたか?それとも、英雄の書のためにカードを追加する必要がありましたか?
A: 是非答えたいのですが、残念ながら私は英雄の書に関わっていません。
基本的に英雄の書はキャラクターのストーリーを伝えることに焦点を当てています。ですので、ミニオンや呪文はなるべくキャラクターに沿ったものを用意できるよう、努めています。
Q: World or WarcraftでAnduinが使用しているShalamayneが実装されたら、プリースト用の武器になりますか?
A: 武器は、武器を使うクラスと使わないクラスの差別化に用意されています。そのため、拡張セットのコンセプトに合致するほどの理由がない限り、ありえないでしょう。
Q: ゴールデン以外のヒーローを選ぶ選択肢を設けるつもりはありますか?
A: いいえ。UXの課題は沢山あるため、最も重要だと思うものから実装する必要があります。
Q: ここ2年で装飾品が大量に追加されていますが、何か変わったことがあるのですか?
A: チームの規模が大きくなりました。装飾品の需要は高く、順調に推移しています。
Q: 古いアドベンチャーの実績も追加する話もありますが、過去に達成した成果も遡及されますか?
A: ゲーム内で記録されていれば遡及しますが、記録されていない場合は遡及されないかもしれません。
Q: 他の様々な開発を遅らせても、バトルグラウンドに多くのリソースを割きリリースすることは正しい選択肢だと感じていますか?
A: はっきりとそう思います。バトルグラウンドのプレイヤー人口は大きく成長しており、ハースストーンそのものがバトルグラウンドに大きく助けられています。
Q: 特定のカードを使われた後に降参するかどうかを記録していますか?
A: いいえ。そのようなカードはコミュニティで話題になることが多いため、プレイヤーのフィードバックと自分たちの直観だけで十分だと思っています。私たちはプレイヤーがゲームを降参するタイミングを、色んな角度で見ています。
Q: インターネット上のヘイトを避けるため、個人的に気にかけていることはありますか?
A: 暴力行為に発展しそうな場合を除き、もうほとんど気にしていません。
ただ、肯定的なコメントに否定的な意見が連なっていると少し気になります。 例えばこんな感じです。「私はこのカードが大好きです!このカードを作ってくれたことに、とても感謝しています!今後もあなたが、悪いカードを作らないでいられることを願っています!」
他にもあります。最近、皆が楽しんでくれたであろうBGのトーナメントを開催したのに、コメントには私たちの不十分な対応についての言及で埋め尽くされていました。
皆が意見を共有してくれるのは嬉しく、開発のモチベーションに繋がります。でも、否定的な意見がほとんどを占めていると、そうもいきません。自分が作ったのものに満足できなくなってしまいます。
最後に、質問の回答ですが、私はずっとフィードバックを追うのではなく、クリエイティブな仕事に集中する時間を別に設けて、気持ちの切り替えを行っています。
元となるDean Ayala氏のツイート
Hearthstone AMA #18
— August Dean Ayala (@IksarHS) May 15, 2021
Ask me a question about Hearthstone!
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