開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(8月21日)

開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。

このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。

<< Dean Ayala氏のQ&A(1月14日)>>
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<< Dean Ayala氏のQ&A(2月25日)>>
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<< Dean Ayala氏のQ&A(3月18日)>>
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Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS


Q: スタンダードはランク戦のバランスによって調整が行われますが、ワイルドはそうではありません。現在のワイルドにおいて、このようなアプローチ方法は限界だと思いますがどうでしょうか?

A: 私達はワイルドをスタンダード2.0(スタンダードの別バージョン)にするつもりはありません。異常なパワーを持つカードには軽い変更を、極端にネガティブな感情を引き起こすアーキタイプには、大きな変更を加えますが、今後もワイルドのバランスに関する考え方が大きく変わることはないでしょう。

どちらも非常に主観的なものです。私達にとってウォーロックは、パワーの異常値のぎりぎりのラインに位置しています。恐らく、さらなるマイナー調整が行われるでしょう。


Q: 私は500勝や1000勝のヒーロー獲得の瞬間が大好きです。永遠のノズドルムで500勝したら、ノズドルムのスキンやダイヤモンドノズドルムを手に入れられるようになりませんか?

永遠のノズドルム | Nozdormu the Eternal

A: いくつかのアイデアを考えましたが、良い実績だと思います。現状の予定にはありませんが、来年のどこかでゲームに登場する可能性があります。


Q: 一部のプレイヤーはゴールドを大量に持っており、ゴールドで買えるもののほとんどを所有しています。なにかゴールドで買えるものを追加する予定はありますか?

A: カードパックは、大量のゴールドを費やすことができます。新拡張が出るときに10000ゴールド以上費やせば、リアルマネーを使わずに済みます。これだけでは不十分でしょうか?


Q: 過去のキーワードを復活させられるとしたら、何を選びますか?

ジリアックス | Zilliax

A: 適したセットがあれば、超電磁を選びます。


Q: なぜそんなにラトルゴアが嫌いなのですか?

ラトルゴア | Rattlegore

A: 笑。ラトルゴアはクエスト中心のメタでは活躍できそうにない、面白いカードだと思います。

念の為言っておくと、私があなたのデッキを悪く言うのは、私達は友達だと思っているからです。時々インターネット上のやりとりで、文脈がトーンが失われることを忘れてしまうので、もし気分を害してしまったのなら謝ります。


Q: クエストシャーマンやクエストメイジをコントロールデッキと呼びますか?

A: 何をもってコントロールデッキと呼ぶかが重要ではない、ということは同意してもらえると思います。

私の立場としては、プレイヤーが使う用語を使うことが最も有用だと考えています。つまり、私はそれらをコントロールデッキとは呼びません。

プレイヤーの考えは常に正しいとは限りませんが、私はコントロールデッキとは、デッキ切れを狙うデッキか、序盤は相手に対応した動きをし後半から大型ミニオンで戦うデッキだと考えています。


Q: ゲーム内のイベントについて、どう考えていますか?シーズンイベントなどは、ゴールドや魔素の気前の良さという点では、最高ではないと思います。

A: 当初はゴールドがあまり手に入らない報酬レーンにして、その分ゴールドが手に入る大きなイベントを行う予定でしたが、受け入れられませんでした。そのため、ほとんどの報酬を報酬レーンに注ぎ込みましたが、結局はそちらの方が気に入ってくれたようです。


Q: ワイルドパックは役に立つのですが、新規プレイヤーがワイルドのカードをより集めやすくするアイデアはありますか?

A: ワイルドはゲームを理解しようとしているプレイヤーにとって非常に複雑なため、意図的にアクセスしづらくしています。

ワイルドは、”消費”という観点から見ると、スタンダードよりも少し親しみやすい面もあります。1つの強力なデッキを作れば、いつまでもその強力なデッキを維持できますし、そのデッキをベースにして新しいデッキに移行する必要もありません。

とはいえ、低価格で遊べるように、還元不可能なワイルド全体のセットを購入するオプションも考えました。実現するかどうかはわかりませんが、プレイヤーが魔素目的で買うというリスクを冒さずに、参入障壁を低くしたいというモチベーションはあります。


Q: デュエルのリーダーボード(公式サイトのランキング)を作る予定はありますか?

A: やるならリーダーボードではなく、実績を作るでしょう。


Q: マッチメイキングシステムについて教えて下さい。

A: レジェンドランクなら、MMR(内部レート)によってマッチメイクされます。

ボーナススターがあるなら、MMRによってマッチメイクされます。

レジェンドではないランクでボーナススターがないなら、ランクによってマッチメイクされます。


Q: 新しい拡張セットのカードをデザインするとき、バトルグラウンドに追加されるときのことを、どの程度考慮しますか?フェルフィンのナビのようなカードは、単に後から「バトルグラウンドで使えるな」と思ったのでしょうか。

フェルフィンのナビ felfin navigator

A: はい、後から思いました。私達は構築戦に適したカードをデザインし、そしてバトルグラウンドに適したカードをデザインします。


Q: 開発チームが取り組んできた、デザイン上の大きな課題は何でしょうか?

A: 意図せずとも、必然的にインフレしていくことです。ゲームスピードはどんどん早くなり、強くないカードはどんどんプレイされなくなります。誰も使わない拡張セットを作らない限り、その問題を解決するのは困難です。

もうひとつの大きな問題は、新規プレイヤーや復帰プレイヤーが遅れを感じてしまうことです。ローテーションする日に復帰するとしても、3つの持っていない拡張セットと3つの持っていないミニセットが存在しています。

消費者視点では、年の真ん中と最後にリリースされる拡張セットは、スタンダードの期間が短いので価値が低くなります。では、プレイヤーのコレクションや購入するものの価値を高めると同時に、プレイヤーが過酷のセットのカードや知識に遅れを感じないようにするには、どうするのが良いでしょうか。難しい問題です。

この点でCall of Dutyは優れています。何年もプレイしていなかったとしても、新作が発売された時に復帰することができますし、他のプレイヤーと同じ感覚で戦えます。ずっとプレイしているプレイヤーの価値を下げないような方法を見つけたいですね。


Q: 近い将来、スタンダードの大きな調整の予定はありますか?また、今は盤面の戦いが減少しているので乗騎カードは使われていません。なにか解決策はありますか?

コドーの乗騎 | Kodo Mount衝角の乗騎 | Ramming Mount

A: メタは今も変化しています。私達の目標は、全体の勝率を50%にすることではありません。パワーや人口が時間とともに変動しても構いませんし、私達は異常値が出たりメタが不健全な方向に進みそうな時、または全く変わらないと思われるときに介入します。


Q: ゲーム内でリーダーボードを確認できるようにしたり、ゲーム内の大会モードだったりゲームのユーザーインターフェースの全体的な見直しはできますか?何が障害になっているのでしょうか?

A: これはUIの限界ではなく、私達自身が課している哲学的な限界です。カードゲームは既にゲームの複雑さの限界に達しています。ハースストーンが成功した理由の一つは、複雑さを制限したことだと考えています。

複雑さを制限たいからといって、必ずしも深さを制限しなければならないわけではありませんが、影響はあります。私達は深さと複雑さの制限を両立させようとしていますが、より良いUX(ユーザー体験)のために、システムの深さを犠牲にしたことは何度もあります。


Q: (アニメのNARUTOで)サクラの出番が少なくて寂しかったですか?

A: はい、あの時代のアニメは一般的に女性キャラの描写があまり親切ではありませんでした。(続編の)NARUTO 疾風伝ではその点がかなり改善されています。ネタバレはしませんが。


Q: ジブリアニメは好きですか?そして(アニメの)メイドインアビスを観てみてください。

A: このリプライはメイドインアビスを見終えるための良いリマインダーです。観ていたのですが、他のことをしている間に妻が最後まで観てしまい、そのままにしていました。

そして、ジブリは🔥です。


Q: (Dean Ayala氏が先日ツイートしていた)特定のクラスで勝利したときに2倍の星とXP(経験値)が貰える件について、あまりプレイされていないクラスでやってみるのはどうでしょうか?

A: 毎日リロールできるというアイデアが良いと思いますが、(あまりプレイされていないクラスばかりでなく)たまには強いクラスが出ても良いと思います。大当たりを引いたような感覚を味わえると思います。


Q: Hearthstone Deck Trackerで見れるようなデッキトラッキング(残りデッキに何が残っているかなどの情報)を、公式に組み込むことについて考えたことはありますか?

A: ほとんどありません。それが大多数のプレイヤーにとって、ゲーム体験を良くするものだとは思いません。既にツールはありますし、あまり良い面がないと思います。


Q: 全てがリリースされた今、英雄の書のヒーロースキンをゴールドで買えるようにする計画はありますか?私はウォリアーのスキンを買い逃してしまいました。

A: 購入アイテムは、ゴールドで購入できるようにする前にリアルマネーだけで購入できる専用期間を設けました。いくつかのものを除いて、すべてのものはいつかはゴールドで購入できるようになります。


Q: 現在の魔素の作成/還元比率と、f2p(無課金)プレイヤーが特定のカードを手に入れる困難さについてどう考えていますか?魔素システムの改善を考えていますか?

A: 魔素の効率の向上はあまり考えていません。魔素の効率について語る方の目的は、お金をかけずに多くのカードを手に入れたいということです。それが目的なのであれば、カードを砕いてその何%かの価値を得ることではなく、新しい報酬システムを導入する方がはるかに良いと思います。


Q: コミュニティでは、詠唱者の循環が弱体化されるのならば(そして実際にされました)、それを補うためになんらかの強化が必要だと考えていましたが、これについては検討しましたか?

詠唱者の循環 バランス調整

A: 検討はしましたが、あまり真剣には考えていませんでした。詠唱者の循環は明らかに素晴らしいカードで、もしかしたら前の環境のときよりも良くなったかもしれません。とはいえ、現在のデッキで詠唱者の循環に頼ることは少なくなっていると思います。

私達は、シンプルな変更をすることによって、最悪の場合、次のカードが追加されるまでスペルメイジのプレイ率が下がることになってしまっても、良いと考えていました。


Q: 「マナの代わりに体力を消費する」という効果を、ダメージを受けるのではなく、(マジック・ザ・ギャザリングのように)実際に体力を支払うように変更することは考えましたか?そうすれば、理論上は無敵になっていていもライフの損失を防げないのでワイルド環境を壊しませんし、クエストも壊しません。

魂の盗み魔 | Stealer of Souls

A: バランス上の問題を解決するために変更するのであれば、個々のカードのバランスを変更するだけです。そのような「体力を支払う」という解釈は、今のハースストーンでは、直感的ではありません。


Q: バトルグラウンドに報酬が実装される予定はありますか?構築戦で報酬レーンを進めるとスキンが開放されるように、バトルグラウンドにも報酬が欲しいと思います。

A: ゲーム外のバトルグラウンドシステムを追加する計画をいくつか考えています。が、来年までは公開される予定はありません。


Q: 父親になったことで、ゲームデザインに関する考えに影響を受けたことはありますか?子供の親など限られた時間で遊ぶ人にとって、ハースストーンがもっとアクセスしやすくするためにできることはありますか?

A: 私の息子はまだ生後2ヶ月なので、学んだことはオムツや彼の睡眠スケジュールです。彼が成長するにつれ、彼との交流や興味を持つことで影響されることもあると思います。

しかし、一般的にハースストーンはカジュアルで楽しいゲームとして販売されていますが、その中核となるのは多人数参加型のPvPゲームであり、多くの人はあまりカジュアルとは思わないでしょう。

私達は、勝利ではなく進捗によって成功が定義されるような、よりゆったりした体験を提供するために、もっと良い仕事ができるはずです。報酬レーンはその一環ですが、(開発中の新モードである)マーセナリーズでは、その考えをもう少し進めています。


Q: このQ&Aの参加者やredditに書き込んだランダムな人が、カードのボイスを担当するというのは考えたことはありますか?

A: インフルエンサーのヒーロースキンをいくつか作って、ボイスを付けてもらうというのを考えたことがあります。

例えば @Kripparrian のスキンと @DisguisedToast のスキンを作って、彼らだけに与えたとします。そして、そのスキンを得るためには、そのストリーマーが定めた時間、彼らの配信を視聴しなければなりません。Krippは5000時間視聴した人だけにスキンを与えるとか、Toastは誰にも与えずに自分だけのものにしているとか、そういうのを考えると面白いですね。


Q: 交換可については、どう感じていますか?私は、今拡張に限らず、ずっと採用されるべきメカニズムだと思っています。交換可は、発見に次ぐ素晴らしいメカニズムです。

A: 私も気にいっています。マジック・ザ・ギャザリングのサイクリングみたいなことがやりたくて導入したのですが、最初は懐疑的でした。デッキにドラッグするというUX(ユーザー体験)や、常に1マナ消費というのがデザインの柔軟性を損なっているのではないかと、思っていたのです。

実際にやってみると、デッキにドラッグする行為や1マナで交換できることが、とても楽しいと判明しました。沢山のメカニズムがあるため、恒久的なメカニズムになる可能性は低いのですが、もしやるとしたら何かしらのメカニズムを削除するかもしれません。


Q: 0(ゼロ)から作ったカードで、最も誇りに思うカードは何ですか?

ジャガーノート | The Juggernaut貪り喰らうものミュターヌス | Mutanus The Devourer

A: 正直わかりません。どんなカードも、チームメンバーのアイディアを取り入れるため、自分が作ったと主張しづらいのです。

原案を担当した最近のカードは、ロカラの海賊船(ジャガーノート)や、貪り食らうものミュターヌス、変妖のコンセプトなどがあります。


元となるDean Ayala氏のツイート