開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(8月28日)

開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。


Q: 今の拡張セットで好きなデッキはなんですか?

怒縛の暴れん坊 | Irebound Brute

A: ドローデーモンハンターです。今、皆さんがBrute(暴れん坊)デーモンハンターと呼んでいるやつですね。


Q: 今の旧神カードについてどう思っていますか?私はほとんどプレイされていないことを寂しく思っていますが、これは意図したとおりですか?

背徳の魔手ヤシャラージュ|Y'Shaarj, the Defiler運命の支配者ヨグ=サロン|Yogg-Saron, Master of Fate

A: リリース直後はもっとプレイされていました。このように、様々なメタでプレイされた後に消えていくカードは、殆どの場合良いことです。10~15枚のレジェンドが、同じローテーションの中で何度もプレイされるのは誰も見たくないでしょう。

カードをインフレさせるのではなく、メタを変化させることでこれを達成することもできますが、簡単ではありません。一般的に優れたレジェンドカードを作らない理由の一つは、それらが強すぎた場合、どのメタにおいても存在してしまう可能性が高いからです。


Q: 永続的な効果というのは難しく、特にコントロールマッチでは不可避のように感じます。悪魔の種のようなカードは、クリスタルコアに似ていると思います。どうでしょうか?

悪魔の種 | The Demon Seedクリスタルコア | Crystal Core

A: 確かにプラスとマイナスの面があります。デッキに直接的な目的があると、そのデッキの構築は他のデッキとは明らかに異なったデッキになります。しかし、デッキ構築に高いコストをかけた場合は、それに見合った報酬を得るべきです。

デッキ構築のコストが高い場合の適切な報酬は、ゲームを終わらせるほどの大きなものでなければなりません。このようなスタイルのデッキが決して存在してはならないということではありませんが、全ての拡張セットで莫大な報酬があるクエストを実装しないのには理由があります。


Q: (アニメの)ヴィンランド・サガは観るべきですか?

A: おそらく観るべきでしょうが、私は観ていません。それは私がまだ観ていないアニメの中で、一貫して最高の評価を受けているアニメです。


Q: ローグの昔の泥棒カードを最新のデザインに変更することはできますか?”対戦相手のクラス”ではなく”他のクラス”に変えられますか?

強盗 | Burgle

A: 妥当な質問です。古いカードの変更を考える時はいつも、その変更によって意図していない結果をもたらすことがありますが、@GW_Alecに問題提起してみます。


Q: 対戦のキューを入れるときに、豆知識ではなくハースストーンesportsの宣伝メッセージが出るようにしたらどうでしょうか?

A: 良い提案ですね。疑問に思うのは、世界中で運営されている様々なesportsを考慮すると、このようなメッセージをどれだけグローバルに展開できるか、ということです。Ben Leeに相談してみます。


Q: 拡張セットを一括で購入できるようになりませんか?例えば1000ユーロでゴールデンじゃない全カードが手に入るような。あるいは15000~20000ゴールドで。

A: おそらく、最新拡張ではできませんが、最新ではない拡張セットではこのアイデアを検討しました。


Q: 現在ハースストーンには7つのゲームモードがあり、マーセナリーズがまもなく登場します。5年後、または10年後にハースストーンにはいくつのゲームモードがあると予想しますか?

A: 1つのゲームモードの中で異なるフォーマットを行うことは可能ですが、全く異なるゲームモードをこれ以上増やすことはできません。新しいカードを作ると、全てのカードフォーマットにメリットがあります。ワイルド、スタンダード、闘技場、バトルグラウンド、デュエル、などです。

様々な遊び方があることは素晴らしいことですが、それは我々にとって巨大なコンテンツを作るパイプラインを生み出すことになります。我々は維持管理に多くの時間を費やしているので、新しいことを革新するために時間を費やすのは難しいのです。

ハースストーンの今後1~2年は、新しいゲームモードよりも、システムレベルの改善や既存のゲームモードの改良などが行われるでしょう。


Q: ログインする地域(リージョン)を超えて、アカウントのコレクションを共有することはできますか?

A: これは技術的に非常に大きな変更が必要なため、実施しません。これを実現するには、他の多くの機能の開発を先送りしなければならなくなります。


Q: 私はこの古いバージョンの霧招き(The Mistcaller)が大好きですが、ハースストーンの性質を変えてしまうということでボツになりました。今のハースストーンは大きく変化したので、今であればどのようなクラスに採用されるでしょうか?

「挑発 このカードが手札にあるときに致命的なダメージを受けたとき、それを打ち消し、このミニオンを召喚する」

A: このようなカードが作られないのは、プレイヤーに「ゲームシステムが理解できない」と思わせるからです。敵のヒーローへの攻撃が無効化したら、どのクラスに対しても、このようなことが起きてもおかしくないという思いを抱かせてしまいます。


Q: ダンジョン攻略形式のソロアドベンチャーのアップデートはありますか?バケットの新カードや、新しいボス、宝物、ゴールデンカードなど。

A: おそらくないと思いますが、いつかまたソロプレイヤーコンテンツをやりたいと思っていますので、もしダンジョンランに関して開発の努力が見られたら、それは何か新しいものを作るという形になるでしょう。


Q: ランダムカード裏面機能は私のお気に入り機能です。これをコインやヒーロースキンにも適用する可能性はありますか?

A: はい、それはやるべきことリストにありますが、今は開発チームがマーセナリーズをリリースすることに集中しているので、保留せざるを得ませんでした。


Q: 魔素の還元を考慮してナーフを行うことはありますか?それともバランス調整にはレアリティは関係ないでしょうか?

A: 関係ありません。バランス調整の決定を行うチームは、ゲーム内の通貨関係のどのチームとも完全に分離しています。


Q: 「交換可」を今後の拡張セットでも採用する予定はありますか?私にとって素晴らしい最高のメカニズムで、将来性もあると思います。ただ、インフレには注意してください。

しつこい商売人 | Persistent Peddler

A: 検討します。「交換可」には、大きなデザインスペースがあります。急いで決める必要はないので、様子を見ます。


Q: (ロード・オブ・ザ・リングや、フォートナイト、ストリートファイターとコラボした)マジック:ザ・ギャザリング のような、コラボはありますか?

A: それらに見合った商品を作らなければならず、それらは恐らく、既存カードの代替アートとなる装飾品になるでしょう。ただ、これらは受け入れられるでしょうか?

私たちは、他のIP(≒作品)の担当者と、コラボレーションについてごく簡単な話し合いをしたことがあります。以下、コラボしたら商業的に成功するであろうアニメ関連IPのランク付けです。(個人的の見解です)

Tier1
ポケモン
鬼滅の刃

Tier2
僕のヒーローアカデミア
ドラゴンボールZ
ファイナルファンタジー

Tier3
ナルト
ワンパンマン
呪術廻戦


Q: バランスやレジェンドデザインスペースなどの制約が無かったら、どんなカードを作りたいですか?ドラフトセットを作ったり、1つの拡張で300枚のカードを用意したり、古いセットを再デザインしたりするのはどうでしょう?

A: ドラフトセットを特別に用意したいと思っていますが、製品として実現するのは難しいでしょう。

私は、前からドラフトの選択肢となる「闘技場ドラフトカード」を作りたいと思っていました。例えば、「次にピックする3枚はマーロック」「ランダムにデッキから3枚を削除」「デッキをドラフトし直す」「最後に選んだ3枚をランダムなレジェンドにする」などです。

どれもただの思い付きで、まともなものではありませんが、ドラフト時に出てきて面白い決断を促すことができます。


Q: (WoWの)タイタンを登場させる予定はありますか?強すぎてカードデザインに問題が発生するでしょうか?

A: 過去6、7年の間に、既に何度か挑戦しており、いつかタイタンとテーマにした拡張セットが出るはずです。登場キャラクターはカッコよすぎますし、Ulduar(WoWのダンジョン)も凄い場所です!


Q: あなたは、デザイン設計の良い面と悪い面についてよく話していますが、今までで最も良かったものと悪かったものを教えてください。

A: これらはシステムの設計でよくあることです。カードには、良い面と悪い面の両方が常に存在します。

システム設計は常にアップグレードされるよう作られており、例えば、新しいランクシステムは古いものと比べてマイナス面はないはずです。より良い報酬システム、コミュニケーションシステム、進捗システム、マッチメイキングシステムなどです。


Q: カードがワイルド入りしたときに弱体化することはありますか?

A: あり得ますが、なんか変な感じがします。もしするなら、そのカードに大きな問題があるのでしょうが、それであれば、スタンダードにいる間に弱体化されるか、ワイルドでは禁止されているでしょう。


Q: 質問はなく、挨拶したかっただけです。良い一日をお過ごしください。

A: 有難う。あなたも良い一日を。


Q: ハースストーン専用のストリーミングサービスを開始しませんか。”ミクサー”という名前で。

A: 恐らく素晴らしいアイディアなのでしょうが、私には理解できません。


Q: 過去7年間でハースストーンのチーム人数は大きく拡大しました。設計において、規模が大きくなることのメリットとデメリットは何ですか?

A: (ハースストーン開発チームの中で)別々のチームが立ち上がると、それぞれの間で多くの分断が発生します。特に今のコロナ禍では、全員が一つの目標に向かって取り組むのが困難になります。

10人程度の少人数のチームでは、それぞれが決断を下せるため、多くのフィードバックを受け入れることができますが、100人規模を超えると全員が決断に参加したり影響を与えるのが難しくなります。

チームが細分化されていくなかで最も問題になるのは、広い視野です。各チームで決定権を持つ人たちは、同じような考えを持っていることが多いのです。


Q: あまり注目されていないが、あなたが皆に紹介したい開発者はいますか?

A: @LinusFlink@tiffachiu です。両名とも私よりも、はるかに素晴らしい仕事をしますし、バトルグラウンドも得意です。@tiffachiuartstationを是非見てみてください。

@jerrymascho と、 @haxcb も素晴らしい開発者です。表に出てくることはめったにありませんが、ハースストーンをより見事なゲームに仕上げるための責任者です。


Q: あなたや、Alec Dawsonが行っているオープンなコミュニケーションは、開発プロセスに影響を与えていますか?初期の開発チームとは、違っている気がします。

A: 開発プロセスにほとんど影響はありません。コミュニケーションの目的は、各々によって異なります。私の場合は、開発者を目指している人たちに向けて、自分たちが何をやっているのか見てもらうことです。


Q: グリフォン年のロードマップでは、フェーズ1にマーセナリーズが用意されていましたが、遅れたのはコロナが原因ですか?

A: 遅れは何度も発生していました。元々はもっと早くリリースされる予定でしたが、開発が終わりに近づくにつれて問題がいくつか発生したためです。



このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。

<< Dean Ayala氏のQ&A(1月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月21日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月28日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月3日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月10日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月17日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月24日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月1日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月8日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月15日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月22日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月8日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月15日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月22日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月31日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月7日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月21日)>>

Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS

元となるDean Ayala氏のツイート