開発者のDean Ayala氏がコミュニテイの質問に回答(1月11日)
開発者のDean Ayala氏が自身のTwitterにて、ユーザーからの質問を募り、それぞれに回答しました。
以下、それらの質問と回答の日本語訳です。
Q:オーバーウォッチ、ディアブロ、スタークラフトなどのカードが入った拡張セットが作られる可能性はありますか?
A: 開発チームはWarcraftの世界の外に出ることに対して、複雑な思いを持っていますが、様々な人にアピールするチャンスであることは間違いないでしょう。
私の考えでは、まずは内部IP(ディアブロ、オーバーウォッチ、スタークラフト)からはじめますが、外部IP(MARVEL、NARUTO、Fresh Prince)に手を広げる可能性もあると思います。
Q: 昨日の進撃の巨人(アニメ)を観ましたか?どうでしたか?
A: 観ました。シーズン4のパート1の録画しておいたビデオを見ようと思う前に終わってしまいました。復習が必要でしたが、興味をそそられました。
進撃の巨人は好きですが、「エレンは善人か悪人か」というテーマにはだいぶ飽きました。
Q: (アニメの)悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニアを観ることをオススメします。
A: 観ました。大好きです。
Q: チーム5(ハースストーンの開発チーム)の新入社員が最初にすることは、自分のMMR(内部レート)を確認することでしょうか?
A: 内部レートは、システムに関する膨大な知識がなければ無意味な情報です。もし、あなたがチームに入って内部レートを調べても、出てくるのは2.56などの数字です。何を意味するのかわからないでしょう。
Q: スタンダードパックには、レジェンドタイマー(40パック開けるとレジェンドが出る仕様)はありますか?
A: 私の知る限り、パックのレジェンドタイマーは変更していません。レジェンドカードが出ないほど、レジェンドカードが出現する可能性が高くなる仕様は変わらないはずです。
Q: 近々、闘技場の調整の予定はありますか?
A: 微調整に関して不幸な話があり、調整の父であった @sky_tding がチームを離れました。そのため、現在、最善の道を探っているところです。 @sky_tding は素晴らしく、本来手作業が必要なところを、数学・プログラミングベースの解決策(微調整)を考え出しました。
しかし、そのプロセスにはいくつかの欠点もあります。一つはチームを離れた人がその機能をメンテナンスするのはかなり難しいということです。チームは他に優先すべきことがありますし、計画を立てるのも困難になります。2つめは、かなり複雑な手作業が必要で、微細な調整をしたいときに、異なるチームから複数の人手が必要でした。
そこで、現在はいくつかの選択肢を考えています。一つは、微調整機能はそのままに、その責任を開発部門に移すこと(それによりスケジュールも調整します)。もうひとつは、よりシンプルで手作業の少ない解決策を考え、クラスバランスの調整をよりタイムリーにできるようにすることです。
まとめると、私達は闘技場のバランス調整の方法を再考しています。目標は、メンテナンスがより簡単で、より予測可能なスケジュールを持つソリューションにすることです。それが実現するまでは、今までの微調整をするかもしれません。
Q: 最近、新しい洗剤は試しましたか?あなたのクエストが臭くなくなるようなものはありましたか。
A: 最近、洗剤について考えていました。Tideは良いブランドです。本当はGainの方が良いと思うのですが、無心でスーパーに行くと、自動的にTideを選んでしまいます。
(※Tide、Gain:アメリカで販売されている洗濯洗剤のブランド)
しかし、あなたの洞察力に感謝します。いつも役に立ち、助かっています。あなたと議論した後は充実した気分になります。
あなたが健康で、ハースストーンがあなたに喜びをもたらすことを願っています。最近私は体を鍛えていますが、いつかあなた(JAlexander)のような身体になりたいと思っています。
Q: 調子はどうですか?フルタイムの仕事に復帰しましたか?それともちょっと手をつけ始めただけでしょうか?
A: 調子は最高です。幸せで健康で、そして疲れています!
仕事にはほぼ復帰していますが、できるだけ赤ちゃんを保育園に入れるのを遅らせようとしています。そのため、変な時間に出勤しています。全てのミーティングに顔を出してはいますが、それ以上のことはできていません。
新しいチームの指針を示すために、いくつかのプレゼンテーションをすることに時間を費やしています。2月まではものづくりに戻ることはないでしょう。
Q: 11人目のクラスを考えていますか?それとも10人が最終的な上限でしょうか?
A: 11人目を追加するまでに永遠の時間が必要というのは長すぎます。長い間議論してきましたが、次はどれをやるかだけの問題です。
Q: 最後にデザインしたハースストーンのカードは何ですか?
A: おそらくデッドマイン(風集うストームウィンドのミニセット)のなにかです。私がカードデザインで最後に行った有益なことは、デッドマインの鳥のシリーズにインスピレーションを与えた、最初のオウムをデザインしたことでしょう。
Q: デュエルの新しいクラスヒーローを選ぶとしたらどんなクラスにしますか?
A: SaurokはEverquestのIksarに似ているので好きです。おそらくエッジの効いたSaurokの少年です。
Q: コアセットが発表されてからもうすぐ1年が経ちます。次の新年度を迎えるにあたりコアセットに大きな変化はあるのでしょうか?それとも小さな調整でしょうか?
A: 大きな変化はありますが、ゲームのプレイ方法を劇的に変えるようなことはないと思います。面白いカードを選ぶこともありますが、コアセットの目標は新しいプレイヤーにスタンダードの経験を紹介するための基本セットでもあります。
Q: Blizzard社およびハースストーンでのキャリアの中で、XP/機能/その他の開発において、最もチャレンジングで困難なデザイン上の決断を迫られたことはなんですか?2022年のハースストーンで最優先するデザインはなんですか?
A: 一番難しかったのは、デーモンハンターを一時的なクラスにするか、恒久的なクラスにするか、ということでしょうか。ほとんどの人は、デーモンハンターを1年間だけのクラスとして、その後ローテーションさせようとしていたことに気づいていないでしょう。
私達が正しい決断を下せたかはわかりません。私が知る限り最も賢いデザイナーは一時的なクラスであることを望みましたが…。
次の目標は、今ある機能の上に更にレイヤーを追加するのではなく、既存の機能を改善することです。
Q: 今回の拡張も @Celestalon のパズル(※フェニックスの謎、エルーンの贈り物のような特別パズル)があるのでしょうか
A: わからないですね、@Celestalon はいつもゲームに色々なものを入れて、私は後でそのことを知ります。
Q: Naxx out?(ナクスラーマスはリリースされましたか?)
A: Zeddy、こんにちは。素晴らしい休日を。
Q: 使い残したマナがあれば、相手のターンに手札から発動できるようなカードを考えたことはありますか?そのようなカードの可能性はありますか?それともハースストーンの基本的なデザインはそのような効果を除外しているでしょうか?
A: 完全に駄目というわけではありませんが、最大の欠点は、プレイヤーがそれについて思考するための、新しいレイヤーを作らなければならないということです。
始めてそのシステムを見たとき、プレイヤーは自分が何をしたら相手の手札に何が起こるのか考える必要が出ます。
ハースストーンでは、自分のターンは自分が完全にコントロールできます。秘策の発動やカードの発見などの変数は、全て事前に組み込まれたものです。
新しいシステムを追加するなら、その新しい相互作用のレイヤーが一過性のものでなく、全てのセットの多くのカードに搭載されるべきものであるという価値を、見出さなければなりません。
Q: 最近チームが再編成されたようですが、以前と比較してどのように変化・改善しましたか?
A: 承認や誰をどこに配置するというミーティングを減らし、チームで単位で何をすべきか決め、それをただゲームに実装するプロセスが理想です。
ですから、プレイヤーの立場からすれば、もっと細かい改善が見られると良いなと思います。
以前は小さな変更のために何人もの人に協力を求める必要があり、それが難しかったのですが、今は次から次へと大きなことが進んでいます。
Q: 破壊カードのデザインは難しいと思いますか?複数のデッキテーマに合う、不健康に感じない破壊カードのコンセプトはあまり思いつきません。
A: 破壊するカードのデザインはむしろ簡単だと思います。
私達は、実際にゲームに入れる良いアイデアよりも、より多くの破壊カードをデザインすることができます。
Q: 調子はどうですか?父親になった今どうですか?
A: 順調です。幸せで健康な家族です。ハースストーンのことをまた考えるのが楽しみです。
Q: ゲーム内に基本ルールをいじることができるスペースがあると思いますか?
A: そう思いたいです。プレイヤーがルールを作るモードは、私達のゲームにとって未開拓の領域ですが、作るのにとてつもなくお金がかかるのも事実です。モノを作ろうとして内部クライアントをクラッシュさせる回数がとても多いのです。プレイヤーが体験するもとのして、受け入れられるものではありません。
Q: オーバーウォッチの「ワークショップモード」は2人の開発者の情熱的なプロジェクトだったと聞いています。そのため、どれほどの労力が必要だったのかがよくわかります。
※ワークショップモード:ルールや一部システムをカスタマイズして遊ぶモード。
A: その話は知っていますが、正直ちょっとびっくりしました。彼らは才能あるエンジニアです。とは言え、その2人以外にも、制作やユーザーインターフェースの面で多くの協力があったはずです。
Q: 断末魔のマナの価値はどうやって決めていますか?例えばサバンナ・ハイメインは6/6/5で死ぬと2/2を2体召喚します。ドルイドは2/2を2体召喚するのに3マナかかるので、合計9マナの価値があります。一方、ヘドロゲッパーは5/3/5の挑発で1/2の挑発を召喚しますので6マナくらいの価値があります。どのように計算しているのか興味があります。
A: 私達はカードのバランスのための方程式を持っていません。バランス決定は、ほぼテストプレイや過去の歴史からの知識に頼っています。高いカードパワーは、単体のカードそのものでなく、他のカードの相乗効果によってもたらされることがほとんどです。
とはいえ、私たちは過去のカードを振り返ってみて適切なコストを割り振っていたかを自問したことがあります。これに関して私が覚えている最近の会話は「発見」に関するものでした。
もしかすると、私達が「発見」を持つカードに適切なコスト(または攻撃力/体力のペナルティ)を計上しておらず、その結果、私達が望む以上に発見カードがプレイされるようになったのかもしれません。
Q:Nazjatar(ナーガの街)をテーマにした拡張セットはありますか?
A: とても…興味がありますね…。
Q: 好きなポケモンは何ですか?
A: フリーザーです。他はあり得ません。
Q: ランダムコインやランダムヒーローの予定はありますか?
A: 具体的な予定はありませんが、私の欲しいものでありToDoリストの上位にあります。
Q: マーセナリーズの対CPU戦の報酬レーン用経験値を増やす予定はありますか?
A: 現在どう調整されているかわかりませんが、バトルグラウンドや闘技場のように、構築よりやや低く設定されており、変更の予定はありません。
Q: ショップの商品を個々のプレイヤー向けに調整する予定はありますか?
A: 既に行っています。
このQ&Aセッションは、1月14日から定期的に開催されており、今回も多くのユーザーから質問が集まっています。過去の質問・回答は、以下の記事を御覧ください。
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月21日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(1月28日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(2月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月4日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(3月25日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月3日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月10日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月17日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(4月24日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月1日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月8日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月15日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(5月22日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月8日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月15日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月22日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(7月31日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月7日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月14日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月21日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(8月28日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(9月3日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(9月11日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(9月18日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(10月2日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(10月9日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(10月16日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(10月23日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(12月6日)>>
<< Dean Ayala氏のQ&A(12月15日)>>
▼Dean Ayala氏のTwitter: @IksarHS
元となるDean Ayala氏のツイート
Hearthstone AMA #37
— August Dean Ayala 💙 (@IksarHS) January 11, 2022
7:30PM – 8:30PM PST
Ask me a question about Hearthstone!
Or Design! (or anime…) pic.twitter.com/6a4NBemG2s